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営業マンという仕事:6

前回の話の中で面接に行った会社は合格を頂き、入社へのオファーを頂いたが辞退させて頂いた。

その理由はいくつかあったが、その会社は輸入商社として求人を出していて英語を使う機会が多い事を強調していた。面接してくれた営業部長さんは求人広告に嘘偽りはないが実務としては英語を使う機会はそう多くはない、そして部長さん本人、英語は得意ではないとした上で英語は専門部署のバックアップがあるという。

ここは正直に話してくれてありがたいとも感じたが、捉えようによっては詐欺のようだ表現することもできる。そもそも英語や貿易実務などのスキルをつけるための第一段階として転職活動をしていたので話が違うと感じたのが当時の私の率直な感情である。

相手会社の立場に立てばそういった英語のやり取りな貿易実務をする人材に関してはもっとハイスペックな人間でなければ務まらないと言うことで募集する職種も要項も変わると言うことなのだろうが、ここは求人広告に関する認知の違いが及ぼすすれ違いだろう。

2回面接を行ったのだが、その2回目の時に給与の話もされた。その額たるや当時の私の年齢や経験などを差し引いても生活できるかどうかのギリギリの水準であった。もうコレで答えは出たようなものであるが辞退を申し入れる前に私はこの会社のホームページを隅々まで見てみるようにした。

この会社は本拠地を日本に置いている社員200人規模の輸入会社であったが、仕入れに関するコア業務は海外の仕入れ地域に現地法人を構えていたのである。ホームページでグループ会社として案内されていた。

さらに輸入に関する実務は国内部署が行なっていると営業部長さんが説明してくれていたので国内営業を行う人材にそもそも英語のスキルを求める土壌があるはずがないと若かりし頃の私でも容易に推理することができたのである。

そして最後は自宅から会社が遠いこともあり、それを主な理由として内定を辞退させていただいた。

自分の生活や今後の人生に関わることであるから時間をかけて慎重に相手会社を調べ、残業実態を調べたりして最終的な判断をした。

後述するがその後、二十代後半に1社目に入社し営業マンを初めてしばらくは結果が出せず何をして良いかも分からず、精神を病み鬱気味になる時が来るのだが、何事も自分事に置き換えると言う発想でその艱難辛苦を乗り越えることができるようになるのである。

営業としての成功の可否はこの認知の差異を認識することが重要である事に後々気づき、決して個人のベーススペックや実務スキルとは比例しないのだと言う事を強調しておきたい。

当時の本人はその事にまだ気づいていないため、今後の投稿のどこかのタイミングで「認知の差異を理解、認識する」というのはどういうことなのかを解説しようと思う。

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