分科会活動をきっかけに一歩踏み出そう
PMI日本支部 SDGsスタートアップ研究分科会 PMOリーダの西原です。
立春を過ぎて、ようやく寒さも落ち着いてきた気がします。春までもう少しですね。
春を待つこの時期は受験シーズンでもあります。我が家は昨年娘が大学受験し、来年は息子が大学受験予定と、今年は少し一休みできる年ですが、多くの受験生にとって自らの目指す進路にそれぞれが第一歩を踏み出すことができるよう応援していきたいものです。
さてこの分科会noteブログも8回目。今回は私にそのブログの順番が回ってきたので、この分科会活動をきっかけに取り組んでいることについて、ご紹介したいと思います。
分科会活動4年間で取り組んできたこと
この分科会の活動開始は2019年。実際に活動への参加を稲葉代表から誘われたのは夏のアジャイル関連部会の合宿の場だったと記憶しています。(私は「PMO研究会」代表の立場でアジャイル関連部会の一人として参加していました。)
その頃の私は、某IT企業でラインマネジャーとして社内セキュリティ部門の立ち上げを行っていました。また会社のCSR活動の一環で、小学生向けのプログラミング教育を社員有志で推進する活動のリーダーも務めていました。セキュリティの仕事はいろいろ楽しいことばかりではなく、時には社内で嫌なことも言いながら日々対応していましたが、ちょうどその頃に名前が広がり始めたSDGs/サスティナブルという言葉がひっかかり、前述のCSR活動の一助になればと始めたのが、当研究分科会の活動でした。
当研究分科会での活動を始めて今年で4年目になります。当時は物珍しかったSDGs/サスティナブルという言葉もすっかり定着(場合によってはバズワード化)し、多くの企業団体様に当分科会の活動に関わっていただけるようになりました。
その一方で、始めた当初は参加メンバーも少なくて、私も今でいうアドバンスコースの某団体担当やベーシックコースのファシリテータを担当しながら、分科会の事務局作業をこなしてきましたが、2年目以降メンバーも増える中で徐々に役割分担がなされてきて、参加する企業・団体様と私自身が直接かかわる場面も減ってきました。
この活動は自ら実践することで、より理解も深まり、活動の面白さも実感できるという自らの考えもあり、当分科会発足直後の2019年秋から、以前から関心を持っていた社会課題に対するプロボノ(※)活動を開始し、この分科会で自ら学んだ想いや手法を社会に還元する活動を行っています。
※プロボノとは ・・・ 各分野の専門家が、職業上持っている知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動全般。または、それに参加する専門家自身。語源はラテン語で「公共善のために」を意味する pro bono publico から。(Wikipediaより抜粋)
プロボノ活動への応用
2019年秋から偶然Facebookで知った「東北プロボノプロジェクト」(奇しくも稲葉代表もこの年、とある事業者さんプロジェクトのプロジェクトマネジャーとして参加していました。)に意を決して参加しました。6つのプロジェクトの中で自分に関心のあるプロジェクトに参画する形でしたが、2011年の東日本大震災以降、被災地に対して何もできない自分へのもどかしさもあって、せっかくなら一番大変そうなプロジェクトにと思い参加したのが、福島県南相馬市に拠点を置く「小高ワーカーズベース」さんの事業をご支援するというプロジェクトでした。
「小高ワーカーズベース」さんでは、東日本大震災時の福島第一原発事故の影響で2011年~2016年まで避難指示により居住人口が0人となった南相馬市小高区で、「ゼロになった街で100の事業を新たに興し、そういった事業者主体となれるパイオニアの街を再構築しよう」という理念で活動されている事業者様です。代表の和田さんは私よりも少し年下ですが、都内でのIT事業者としての職を辞めて故郷である小高区に戻り、復興していく街に必要だからと食堂「おだかのひるごはん」事業(2014年)、仮設商店「東町エンガワ商店」事業(2015年、現在は閉店)、小高の女性の働く場づくりとしてのガラスアクセサリー工房「HARIOランプワークファクトリー小高/Iriser(イリゼ)」事業(2015年)、小高に集う起業家の支援やコワーキングスペースとしての「小高パイオニアヴィレッジ」事業(2019年)と次々に事業を立ち上げられており、更なる事業発展のためにプロボノを活用したいという経緯でした。
「小高ワーカーズベース」さんプロジェクトは、2019年・2020年と自らの独自ガラスアクセサリーブランドである「Iriser(イリゼ)」事業の販路拡大やインターネット上での販売促進、「小高パイオニアヴィレッジ」での首都圏からのワーケーション推進といった事業活動を支援しました。これらの活動を通して、当研究分科会の成果物でもあるリーンキャンパスやロジックモデルを活用した「SDGsスタートアップ方法論」も部分的に実践し、その効果を確かめることができたと感じています。
なお「小高ワーカーズベース」さんとは支援4年目の現在も、定期的に関わりを持ち、最近は小高区に多数残る空き家・空き地の活用方法を検討・実践する「フクシマックス」プロジェクトにPMOとして関わり続けています。
また東北の他の事業者様(2021年は秋田県湯沢市の「鈴木又五郎商店(お米の卸業)」様、2022年は宮城県気仙沼市の「有限会社ムラカミ(三陸わかめ販売)」様)のご支援にも参画させていただいています。
活躍の場所は地元九州へ
このように東北での社会課題に取り組む活動を続ける中で、せっかくなら自分の出身地(鹿児島県姶良市(あいらし))でもある九州でも活動をしたいと思うようになり、これまたSNSがきっかけとなって、2021年に鹿児島市のシティプロモーション活動「Play City Days」、そして「九州移住ドラフト2021-2022」に参加しました。
前者は鹿児島市、後者はドラフト会議で「選手」として指名された宮崎県高原町(たかはるちょう)の、それぞれの「街の魅力発信」というテーマでの活動です。社会課題そのものというよりは、「関係人口づくり」という気軽な内容ということで学生から若手社会人、同年代のシニア層など年齢・性別・出身地も様々な方とも新たに知り合い、意見交換できていることは結果的に自分にとっても視野や知見を広げることができるきっかけになってくれていると感じています。
また宮崎県高原町では、上記をきっかけに2022年11月に同町の「地域経済活性化アドバイザー」に任命いただき、今年3月末までの期間、有償(お小遣い程度ですが)にて、同町で事業を行っている40代以下の経営者の方への経営相談(IT化等)を行っています。この相談に乗る中で、「SDGsスタートアップ方法論」も活用していけたらと考えています。
今後の社会活動への想い
このように私自身は、分科会活動や「SDGsスタートアップ方法論」との出会いを通して、次の一歩に踏み出す、すなわち自らの活動分野や範囲を拡大することができました。また従来のITの仕事だけでは知り合うことができなかった方と出会い、交流する中でいろいろな価値観や考え方を知ることができました。
その一方で、まだまだ地域を取り巻く社会課題への解決は道半ばであり、より本格的に「SDGsスタートアップ方法論」を広め、定着させていくことの必要性も感じています。その観点で、今後も自らがプロボノや地域と関わる活動を続けつつ、当分科会の「事務局長」として「SDGsスタートアップ方法論」をより洗練させていきたいと考えています。
また分科会活動においても、「事務局」の役割だけではなく、1人のプレイヤーとして活動を広げていきたいですね。分科会メンバーがこの分科会活動を活発化することを通して、分科会活動に参加される個人や団体、企業の事業に貢献し、更にはその先にある「持続可能な社会」の実現に向けて、今後も末永く活動していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。SDGsスタートアップ研究分科会の今後の活動について、是非ご期待ください。
SDGsスタートアップ研究分科会・PMOリーダ
西原 真仁
※記事見出し画像は 公益財団法人宮崎県観光協会
写真素材ダウンロード【高原町】の写真を利用しています。
『御池・野鳥の森』
https://www.kanko-miyazaki.jp/digilib/takaharu/takaharu.html