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新たな1000日チャレンジ365日目

SDGsを1000日投稿し続けるチャレンジ達成か1年以上たち、SDGsについての投稿はほぼしていない状態でしたが、人知れずまた別の1000日チャレンジをしておりました。

その名も「ブラッドベリ1000日チャレンジ」

1000日3つの読書をするブラッドベリチャレンジ

このチャレンジ何するの?というと、

・短い物語
・詩
・論考

の3つの読書を少しずつ1000日続けるというチャレンジです。

はじめたキッカケは、前回の1000日チャレンジと同様「さとなおさん」の呼びかけによるもの。その呼びかけの時に紹介されていた、noteはこちら。

1000日間続けるとすごいそうで

1000日後には、すごいですよ、いろんなアイディア、いろんなメタファー、そしてあなた自身が人生をどう見るか。あなた個人の経験とともに蓄積される。これで間違いなくクリエイティブになれます。

上記note内の動画翻訳より

こんな状態に。
これはいっちょやってみよう&気楽にいつでもやめていいやという気分ではじめてみました。

どれくらい気楽にかというと、「仕事とかで読まないといけない本がたくさんある時は、ちょっと時間のかかる物語は休憩しとくか」とか「今週末はおでかけ予定だから、その分、今多めに読んどこー」というのを許すレベルで。

ただ、気楽にはじめてみたところ、これが超おもしろい!
前回の1000日チャレンジの時の苦行感とは大違い(いや、苦行やったんかい)!毎日の読書に発見がたくさんです。

元々のレイ・ブラッドベリの1000日読書と少し変えている点:ジャッジを重ねる

これは呼びかけ人のさとなおさんが付け足した、もう一つのルール。

ただ単に1000日、3つの読書を読むだけではなく、その1つ1つに対して、「自分はどう感じたかをジャッジする」という決まりをつけくわえています。

なぜジャッジするの?というと、それは「ジャッジの量がセンスを磨くから」。
「センスのあるなし」は、生まれ持ってのものと思いがちですが、そうではなく、その人が自分なりの判断軸をもってジャッジできることがどれくらいあるかということを指している。というのが、さとなおさんのクリエイティブ(企画)に対する考え方だそうで、この考え方は、スマイルズの遠山さんやTakramの田川欣哉さんも著書「イノベーションスキルセット」の中で語られています。

↑こんな対談などでも。

で、ブラッドベリ1000日チャレンジでは、3つの読書に対して、その時感じた感情を「◎・○・△」くらいの3つの観点で毎日ジャッジをしていく。それとともに、なぜそのジャッジをしたか一言ずつ書き残しておく。ということをしています。
✕がないのは性格です。人生をかけて書に残した人がいるものに自分なりの判断とはいえ✕は、なんとなくつけにくいので。

このジャッジを振り返るだけでも、自分はどんなものを好む傾向にあり、世の中で名作と言われているものであっても、合う合わないはあるというのが見えてくる。そして合わない時には、明確に「こうだから合わない」と言える基準が育っていくように思います。

365日やってみて思っていること

一部サボったりもしながらも365日続けてみて、思っていることなどを書いてみます。

この3種類を読ませたブラッドベリはやはりすごい

3種の読書、なんで「物語」と「詩」と「論考」なんだろう?と読み始めた当初は思っていたんですが、これがとんでもなく素晴らしい3種類の文章であるというのが見えてきました。自分なりの整理をしてみると、

文章の表現方法の観点

分かりやすさ(論理)と分からなさ(感情)をどう扱うのかが、異なる3種類の文章であるということ。

論考、は言うまでもなく論理的な文章構造が多いです。それは誰が聞いても同じことをイメージできる言葉で、話題にしていることの考え方を互いにぶつけあうものだからかもしれません。

1+1は2だ。

という形の文章で、新しい知識や考え方を知ることができる。それが論考的な表現だなと思います。違う点ももちろんあるけど、あえて単純化するとですが。

、はこちらも作品にもよると思いますが、分からなさを司る文章ではないでしょうか。同じ文章を読んでも、前提とする知識や背景が異なれば、受け取り方は変わり、作者の意図はあったとしても読み手が受け取った受け取り方も含めて、ようやく作品が完成するような。そういう表現。

1+1は卑怯だ。

みたいな形の文章というか、何だよそれ的な、受け手にその先の考えをまかせちゃう、想像に委ねるものが、詩的な表現だなと。

物語、これはその2つを合わせもった表現。簡単に一言で伝えれば済むかもしれないことを回り回っていろんな寄り道をしていくことで、一言で伝えるよりも、強く心に残るように届ける形。寄り道をする分、ちゃんと寄り道を許してくれるようにわかりやすい文章を重ねるんだけど、時折、分かりやすさを裏切ることで、話の続きを想像させながら進んでいく。そうすることで、読者も一緒に物語に参加してもらうようにする的な。

1+1は2だ。
と書かれたメモだけが、空っぽの部屋に取り残されていた。

みたいな形の文章から進んでいく。的な。こちらもなんだよそれ的な、受け手に委ねる部分はありつつも、その寄り道には分かりやすさが必要。そういうのが物語的な表現じゃないかなと。

伝える内容の観点

表現方法、つまりは伝え方が分かりやすさと分からなさが3種類の文章であるとして、じゃあその内容は何なの?というと、こちらもやはりそれぞれ。

物語、は主にフィクションを通じて、他人の人生を疑似体験する。みたいな感じでしょうか。SFでも、サスペンスでも、恋愛ドラマでも。主人公や登場人物の考え方を通して、自分の人生とは違う話を体験するようなこと。

、はなんと言いましょうか、文章を読んで湧き出た感情そのものを楽しむ的な感じでしょうか。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

俵万智 著

と言われても、何か発見があったり、この人の人生を追体験しているわけじゃないんだけど、「なんかいいな」って感情がぽっと湧く。そういうのを愛でる感じ。「うまいこと言いましたね〜」みたいな技巧を愛でたくなるものもあると思うけど。

論考、はこれまで自分の中になかった考え方を知ること。そしてそれは、新しい情報を知るというよりもむしろ、古くから考え尽くされてきたことを、その歴史的背景や考え方の系譜を辿りながら、「なるほどー、人とはこういうことなのか」みたいなことを知っていく。そういう内容だと思います。

表現の仕方、表現して伝える内容、そのかけあわせがこの3種の読書の中には多様に絡み合っていて、この3種を読むのだといったレイ・ブラッドベリは、やはりすごい(語彙よ)!!

3つの文章に共通すること

違いだけではなく、共通点もあります。これは元々の主旨として「なるべく過去の名作とされているものを読むこと」ということが影響している部分はかなりありますが、

教養になる

ということです。このチャレンジをしなければ、芥川龍之介なんて読まなかったし、俵万智さんも百人一首も教科書で習ったものとして忘れていたし、哲学者の話や、教育ってどう生まれて育ってきたのかみたいな話も、触れなかったと思うんです。どれか1種類は触れていたかもしれないけど、少なくともそういう3種の教養になるようなものに、システマチックに触れることにはならなかったと思います。

365日続いてきたのは、この読書で得た話が、何かの折に触れて「今、話していたその話、○○という人もこの本で書いていて、」という話が広がり、そういう話をキッカケに、また「それ、実は全然違う分野でこういう人が似たようなことを言ってて」みたいになっていく。そういう教養のつながりみたいなものが面白い。というのが続いてきた理由の一つだなと思います。

365日やってみて良かった本など

まだまだ1000日のうちの3分の1程度で、いつやめてしまうかも分からないですが、この1年の自分のジャッジを見返して、3種の文章それぞれで「これは良かったなぁ」と思う本を紹介させてもらいます。

物語

1章ずつは少し長いですが、とにかく泣けちゃう。

関西人だからかもしれない。暮らしたことのある街の話だからかもしれない。けど、良きです。

こちらはもはや、短編ですらないし、古典でもないですし、もはやシリーズもので超長編ですが、名作と話題だったので読み始めていて、まだシリーズの途中です。中身は言えない。けどこれは読んでおいた方が良い。とだけ言えるやつです。

紙や俳句は、お一人のものよりも、名詩と呼ばれるものが集まったものから読み始める方が進めやすく、その中で気に入った方の作品をまとめて読んでみるという進め方をしています。

いやー、俵万智さんて、なんて新しい表現なんだと感動の連続でした。

詩とは。字とは。になっていくレベルのアートな本ですが、こちらも良かった。ヒツクリコガツクリコとは、荻原朔太郎さんの未発表の詩の中で酔っ払いの歩き方のオノマトペとして表現されている言葉だそう。この本の中で見つけたお気に入りの方の詩集などもいくつか買いました。

百人一首という教科書で習ったものを、再発見させてくれた本。百人一首を詩の言葉で訳すと。というプロジェクトを最果タヒさんが行った本があるそうで、その思考の過程を一つずつ紹介してくれています。

論考

論考のはじまりの方に読んだ森本哲郎さんの著書。ファンになったなぁと思えるくらい発見の連続の本でした。下巻もあります。

「教育」というものがこれまでの歴史の中でどう変化していったかについて分かりやすく書かれた本。歴史的な背景を踏まえつつも、提案性があり、「あー、めっちゃ分かるわ、その話」という考え方が書かれています。「能力主義・スキル主義も宗教の一つだ」みたいなことが書かれた部分があるんですが、「確かに!」という納得感がありました。

色んな哲学の考え方の入り口に。ここで気になった言葉や概念は、原著でインプットしても良いのかなと。実際読んだことのある原著は恐ろしく読みにくかったですがw

心理学者の河合隼雄さんの最後の講義などが収録された本。「コンステレーション」という考え方など、伝説的な講義が多数収録されています。
教養と教養が「なんかつながっていくわー!」という感覚なども、この「コンステレーション」で説明されていて、非常に感銘を受けました。

おわりに

その後をまた公開するかはわかりませんが、ひとまず1000日中の365日のセーブポイントとして、ここに記させていただきました。えい、セーブ!

古いものも多く読ませていただきましたが、どれも驚いたことに新しい。
古いものは古くならないんだなと、改めて痛感です。

1000日、読書を進めている方がいらっしゃれば、ぜひ感想や本の共有をさせていただければ幸いです!


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