せかい で いちばん
違うジャンルの音楽を聴くことって、見知らぬ土地へ旅することに似ている。まったく予期していなかった感動に出会えたり、ずーっと眠っていた奥底の感情をあぶりだされたりする。
アンドレアス・ショルの子守唄 Lullabye (Goodnight, My Angel)は心をほんのり、暖めてくれる。
その心に響く歌詞。やさしさ、あたたかさ。
この歌を、娘のありあ がまだ赤ちゃんの頃、毎日歌って、話しかけていた。
そして繰り返して言った。
せかい で いちばん かわいいの だれ? ありちゃん
せかい で いちばん つよいの だれ? ありちゃん
この歌はそんな昔の思い出をよみがえらせてくれる。
ちなみにアンドレアス・ショルは、カウンターテノールと呼ばれる、非常に音域の広い領域が美しいペラ歌手。ヘンデルやヴィヴァルディのオペラ曲をソプラノで歌うと、歌人は女性かと聞こえてしまう。
その実力は圧巻。
美しいだけではなく、人の心の悲しみや、勇気、やさしさに訴えかける。
カウンターテノールではフィリップ・ジャロースキーと並んで、世界中にファンを持つ。
オペラって、苦手な人が多いと思うけれど、モーツァルトのレクイエムなどの壮大なものから、ソロの美しい、哀しい響きまで、胸ぐらを掴まれて揺すられるようなピースが多い。
初心者におすすめはマリア・カラスの「蝶々夫人」
「レクイエム」は必聴。
そして極め付けはフィリップ・ジャロースキー。
ちょっと違う世界へ旅してみるって、思いがけない素敵な体験になるかもしれない。
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