【不味くても食べてしまうポップコーン:習慣化は味をも勝る】
料理人としては嫌な研究結果ではあるが、“味より習慣的な行動の方が優先される”事があるようだ
これは有名な不味いポップコーンを使った研究である
※参考文献
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0146167211419863?journalCode=pspc
ポップコーンといえば、多くの人が映画を観ながら食べる定番の商品だと思うが
この《映画→ポップコーン》という世界共通の習慣化は、いくらポップコーンが不味かろうと食べてしまうパラドックスまで生み出している
研究者は時に残酷だ…
まぁそれぐらいのレベルじゃないと研究を客観的に進められないからしょうがないのたが
この研究では、1週間放置したポップコーンを被験者に食べさせる
ただですら加熱された事で酸化した油なのに、放置する事でより油臭くなっている
そんな“不味いポップコーンを、映画を観ながらどれぐらい食べるかを計測”してくれた
比較対照群として、出来たてのポップコーンを渡した平和なグループも用意したのだが、
結果としては
人はひとたび習慣に足を踏み入れてしまうと、いくら1週間放置したポップコーンですらパクパクと食べてしまうそうだ
しかも、平和な出来たてポップコーンと同じぐらい食べてしまうのである
数値でいうなら
出来たてのポップコーン→70%
1週間放置ポップコーン→60%
も食べていたのである
「食べた人の味覚が鈍感だったんじゃないの?」と言いたくなりそうだが
放置ポップコーンを食べた被験者は、全員が口を揃えて「最悪なほど不味かった」と答えていた
不思議ですよね
不味いにも関わらず、不味いポップコーンを美味しいポップコーンと同じぐらい食べてしまう
お菓子抜きダイエットを考えている人なら、この恐ろしさがよくわかると思う
不味いポップコーンですら習慣の力で食べてしまう
もしそれが美味しいお菓子なら、もう遠慮なくバクバク食べてしまうだろう
頭の良い人はここでピーンッと来たかもしれないが
「それ習慣関係なく、ポップコーン自体が魅力だったんじゃないの?」と思うかもしれない
この研究では、普段からポップコーンを食べるか食べないかも調査していて、普段から食べていない人は、ポップコーンを40%しか食べていなかった
(※40%でも高くない?と思った方、研究者曰く、ここが大学内の映画館だったため、「貰えるものは食べておこう!」というもったいない精神があったのではないかと考察している)
追加の研究で
ポップコーンに持ち手を付けて、「利き手でポップコーンを持って貰い、反対の手で食べてもらう」という非日常の行為で、先程と同じ研究内容を再度行った
すると
放置ポップコーン→30%
出来たてポップコーン→40%
まで低下した
人は、証明が暗くなって、予告が流れようものなら、ポップコーンという習慣の力には抗えない生き物なのだ
しかし、ちょっとした非日常の抵抗感を与えるだけで、突然その習慣が手放されてしまうのである
大切なのは
利き手じゃない方の手で食べればダイエットできるという訳ではない!!
これは要注意
アメリカでもメディアの誤解釈が大々的に取り上げられ、日本でもポップ心理では未だにダイエット方法としてそんな事を言っている人もいるが
確かに「無意識に食べてしまう習慣」は利き手ではない方の手で阻止できるが、「反対の手だから好きなだけ食べれる!」という訳ではないのだ
しかも、ダイエットで一番大切になる「ストレス」が異様に溜まるのは目に見えている
つまりリバウンド地獄にハマるのも時間の問題という事
もしストレスを超えて反対の手で長期間出来たとしても、逆にそれが新たな習慣になってしまうだろう…