【下】名もなきプロジェクトX vol3 9/10はSchool Platformアップデートのスタートライン編
(プロジェクトX vol2 アンケートやインタビュー結果から見えてきたこと に続く)
9月10日の昼下がり、Beyond Workプロジェクトメンバーの後藤さんの協力を経て、休日のロート製薬東京支社の会議室の一角をお借りして、「School Platform作戦カイギ withB」が開催されました。雲一つない晴天で、会議室に向かうアプローチからは芝離宮の庭園を見渡せる絶好のロケーションです。集まったメンバーの属性は以下で総勢20人弱の場となりました。
・もともとのSchool Platform事務局メンバー(文科省、ETIC.)
・事務局メンバーが声をかけた文科省若手職員
・事務局メンバーが声をかけた民間教育関係の社会人
・Beyond Workに取り組んできたプロジェクトメンバー
お互いを知り、今日期待していることに耳を澄ませあうチェックイン
会議室に入ってまずは、お互いを知るところからということで、普段の仕事や今日の場に参加したきっかけ、今日の場に期待すること等を言葉にしていきます。プロボノの竹村さんの落ち着いた進行のもとスムーズにスタートを切ることができました。
続いて、Vol2の記事でご紹介したアンケートとインタビュー結果の共有です。特にフォーカスしたいこと、インタビューで明らかになった潜在的なニーズについて等、プロボノメンバーの調査結果を共有しました。
遅れて到着したメンバーも徐々に合流する中、いよいよ今回の場の本題である議論へ。A~Cの3チームに分かれ、5-6人1グループで、普段の所属組織や年次の異なるメンバー同士による議論が始まりました。
途中、休憩のアナウンスが入っても休憩に立つ人が少ないほど、議論は白熱し、ホワイトボードには、たくさんのアイデアや論点が板書されていきました。コロナになってからSchool Platformのイベントや事務局でミーティングもオンラインが基本となっていた中、お互いの声に耳を澄ませながらの議論は新鮮でもあり、また、新たに今日の場に加わった新メンバーがよい触媒となって、そもそもの起源にまでさかのぼって議論したり、本来どうありたいか、の理想像について前提共有なく議論を行うことができました。下記に当日出た論点を抜粋します。
・一部の情報感度の高いリピーターの方々だけでなくこれから校長を目指していくような管理職層や、教育行政の長を志すような方々をどう発掘し、継続的な関係性を築いていくか。
・実は事務局リソースやロジ(イベント運営面)の課題でもあった。今後どうしていくか。
・テーマごとに話し合える場が欲しいとの声があることから、テーマを絞った総会以外の場(ラボ?)や地方本部の活性化についても、今後の動き方の検討が必要。
・前回の総会でチャレンジした「持ち込み企画」の方向性は間違っておらず、主体的な参加を前提として、真に教育長・校長の皆さんにとっての「プラットフォーム」として機能していきたいが、そのためにどんな進化を事務局として遂げるべきか。
予定していた時間はあっという間に過ぎ、いよいよチームでの議論内容を共有する全体共有へ。各チームでの議論経過や主な論点を共有してみると、そこまで大きな違いはなく、プロボノメンバーが描いていた、ネクストステップの案に緩やかに収れんしていったようでした。
もともとSchool Platform事務局メンバーから、9月10日の場を単なる議論の場ではなく、しっかりとネクストステップを決め切って終わる場にしたいとのリクエストをいただいていたこともあり、「この指とまれ」方式で、チームを組成しました。
具体的には下記の4つのチームです。
①School Platform 全体事務局チーム
→広報、総会等のイベント企画、全体会議の調整等
②ラボチーム
→地方本部やテーマ別のラボ、等、具体的な次の一歩の情報を欲している層への機会提供を検討
③メンター制度チーム
→全国の校長間、教育長間での相互の関係性によるメンタリングの仕組みの新設を検討
④セミナー、研修チーム
→エグゼクティブや、教育行政を引っ張ることを目指す人の人材育成、人材の多様化の道筋を検討
結局、3か月後に全体会議を設けることを確認して、この場はお開きとなりました。なかなかオンラインでは議論すれどもすれども進まなかったことが、一つ一つ具体的になり、チームメンバーまでいったん決まったことは大きな進歩といえます。充実した議論を経ての最後の集合写真の表情を改めて見返すと、清々しさやこのメンバーで次の道を歩んでいくことへの希望を感じます。
今回の場に行きつくまでにBeyond Workを通じて3か月、尽力してくださった3人のプロボノメンバーに改めて感謝するとともに、「作戦カイギ」がどんな場なのか、丁寧な説明もなく、何となく期待を持ってこの場に初めてお集まりいただいた皆様、School Platform事務局を開いていくという新たな挑戦に賛同くださったもともとの事務局メンバーのみんなにも感謝しています。最後に、プロボノメンバーがこの経験を経てどんな感想を残しているのか、見ていきましょう。
後藤:教育現場は文科省からの方針に従うのが基本で、革新的なことはできず現状維持というイメージを持っていました。今回インタビューやディスカッションを通じて180度印象が変わりました。現場でも日本の教育を変えたい!と強い信念をもって変革を起こしている方がいる。文科省も強い想いで現場とまじわって教育から日本を変えようと動いている方がいることに大変感銘を受けました。1人のできることは小さいのですが、その小さい熱意が国や人を動かすのだなと思いました。
竹村:校長、教育長、文科省の役割が良く分かっていませんでしたが、プロジェクト活動を通じて理解が深まりました。保護者目線でも感じていた教育の問題(質の低下など)は、現場だけの問題ではなく、教育界全体が抱える構造的な問題に起因していることが理解できました。情熱を燃やして、教育現場の課題に果敢に取り組んでいる方々がいますが、まだまだ少数だと感じました。今を生きる、そして未来の子供たちが時代にふさわしい教育を受けられる環境を作るため、教育変革への熱意が伝播して大きなうねりとなり、教育界全体が抱える多くの課題を乗り越える日が来ることを願っています。
辰巳:それぞれに信念・思いを持った校長・教育長・文科省のみなさんが各地にいらっしゃるということが、自分の日常の仕事においても励まされる気持ちでいます。地域の校長・教育長にとっては文科省が遠い存在であり、また逆も然りで双方にもどかしさがある状況に対して、school platformがじわじわと質的変化を生んできていることには引き続き可能性を感じています。公教育だけでなくフリースクールやNPO等民間含めた動きを互いに励ましあい、役割や枠組みを越えてよりよい未来をつくっていこうとする動きが、幸せな子ども時代を過ごす子どもが増えることにつながるようにと願っています。
この3人に代表されるように、参加した一人ひとりが、まさにこの場を作ったといえる作戦カイギとなりました。
今後も、School Platform事務局の動きの続報はnoteやFacebookを通じて発信していきますので、引き続き、ご参画や応援よろしくお願いいたします。
長文記事を最後までご覧になってくださりありがとうございました!
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