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【読書感想文】読書効果の科学――読書の“穏やかな”力を活かす3原則

'25.1.27読了
著 者:猪原敬介
出版社:京都大学学術出版会
紹介ページ(京都大学学術出版会):

去年の12月から仲間内で細々と読書会を開催するようになりました。
読書によってもたらされる効果について興味が出てきた所で図書館に新しく入った本です。

学術書ではあるのですが、一般向けに書かれているのでとても分かりやすく、読みやすいです。
調査研究が多いので相関分析の話が多めに出てきますが、相関分析、相関係数の説明も分かりやすかったです。
私事ですが、以前読んだ専門書が専攻(一応認知心理学:学部卒)と違い、分析していることが全然分からないとなったことがあります。
今回は、著者の専門が教育心理学、認知科学なこともありやっている分析が分かる、やっている意味がなんとなく分かるという嬉しさがありました。
また、横断調査、縦断調査の違いも分かりやすく、縦断調査の必要性も分かりやすく説明されていました。
とても丁寧な説明がなされているので、心理学や認知科学に触れたことがない人でも分かりやすいと思います。

この本は、冒頭で示される読書効果の3原則を先行研究の紹介を交えながら解説していくものです。
最終的な目的地(ここでは3原則)が明確にあるので、ストレスなく読めるのではないかと思います。

原則1 平均的に効果は穏やか。気長に気楽に。
原則2 「読みすぎ」は弊害を生む。目安は1日30分~1時間。
原則3 個人差は大きい。読書そのものが合わない人もいる。

一冊読んでなるほどな、確かにな、と思えます。
読書が良いという言論が多い中で、原則3のようなものがはっきり出すのが珍しいと勝手に思ってしまいましたが、確かにそうだ、と思いました。

とても良い本です。
保護者の方、教育関係で読書教育を行う方が是非一度読んでみてください。

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