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学校統廃合問題

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#教育

【vol.24】全体を通した住民の論理

【vol.24】全体を通した住民の論理

◆はじめに これまでの記事では、第Ⅰ段階から第Ⅵ段階までの行政側の論理を扱ってきました。今回の記事では、福山市の学校再編問題全体を通した、住民の論理についてまとめます。総じて見ていくと、住民の論理は行政の論理の移行に対応はしながらも、行政の論理とは異なり、時期ごとに変わることなく一貫した論理が展開されていることがわかりました。

 そこで、本稿では第Ⅰ段階から第Ⅵ段階をまとめ、「地域」「教育」「行

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【vol.23】「適正化計画(第1要件)」に関する行政の論理

【vol.23】「適正化計画(第1要件)」に関する行政の論理

◆はじめに これまで確認してきたように、2021年10月28日に山野学区の学校再編が「決定」されたことにより、福山市では、「適正化計画(第1要件)」で策定された再編計画が完遂されたといえます。改めて再編の経緯を確認すると、「イエナプラン教育校」や「特認校」の設置など新たな取り組みも見られましたが、結局は「適正化計画(第1要件)」で書かれていたことが実行されただけに過ぎないということがわかりました。

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【vol.19】第Ⅵ段階 学校再編の決行(2020年2月27日~現在)

【vol.19】第Ⅵ段階 学校再編の決行(2020年2月27日~現在)

◆はじめに 今回は、内海・内浦学区の学校再編が「決定」された2020年2月から現在までの期間を扱います。この第Ⅵ段階では、市行政によって学校再編が「決定」され、具体的に学校規模適正化が実施されていきました。

◆第Ⅵ段階の概要 はじめに、第Ⅵ段階の概要を述べます。

 前回の第Ⅴ段階では、最後の2020年2月27日の「内海説明会」において、内海・内浦学区の学校再編が「決定」されました。第Ⅵ段階では

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【vol.17】第Ⅳ段階 イエナ・特認校の導入(2018年3月26日~2019年2月13日)

【vol.17】第Ⅳ段階 イエナ・特認校の導入(2018年3月26日~2019年2月13日)

◆第Ⅳ段階の概要 今回は、2018年3月26日から2019年2月13日までの約11か月の期間を扱います。(期間の区切りについては【vol.13】で説明しています。)
 
 第Ⅳ段階の重要な変化は、学校再編が「既定路線」であり「進めなければいけないもの」とされたことです。その根拠として「主体的・対話的な深い学び」が教育理念として挙げられ、「そのような教育を行うためには、一定の集団規模の生徒数が絶対条

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【vol.15】第Ⅱ段階 「末端切り」(=「適正化計画」(第1要件)の提示(2015年8月24日~2016年9月1日)

【vol.15】第Ⅱ段階 「末端切り」(=「適正化計画」(第1要件)の提示(2015年8月24日~2016年9月1日)

◆はじめに 前回の記事では、第Ⅰ段階(2012年2月~2015年8月24日)の資料を扱い、学校再編の論議が始まった時期における行政と住民の論理を明らかにしました。第Ⅰ段階では、2014年1月の教育環境検討委の設置に伴い「学校適正規模」が設定されたこと、そして2015年6月に市教委が策定した「基本方針」の中で学校再編の検討に関わる学校規模の基準が設定されたことにより、学校再編の論議が起こり進んでいっ

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【vol.10】教育委員会制度改革と学校統廃合

【vol.10】教育委員会制度改革と学校統廃合

 前回は、市町村合併と学校統廃合の関係について紹介しました。(【vol.9】市町村合併と学校統廃合の関係は?私たちは何を失って、これからどうすればいいのか)

 福山市で無理な学校統廃合が行われている理由を探るにあたり、市町村合併の影響とともに考えなければならないこととして、「教育委員会制度改革」による影響があります。今回は、「教育委員会制度改革」の経緯を確認したのち、福山市学校統廃合の動きにどの

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