伝わる自己PRは、共通性からはじめる
10月に実施した『事業計画前夜』に続き、2020年11月27日、東陽図書館にて、
ビジネス支援講座
『シナリオの技術で磨く自己PR術』
を実施。今日はその内容を紹介します。
自己PRというと、「自分のことをわかってもらいたいよ~」と気合がはいってしまうものです。当然、いいことを言いたくなります。
でも、自己PR=『自己満足なPR』になっちゃって、全然アピールできてないこと、あると思うんです。
そこで今回は『シナリオの技術で磨く自己PR術』と題して、シナリオのちからを使って、自己PRを磨いちゃおうよって内容です。
とはいえ、ぼくは自己PRの専門家でもコンサルタントでもありません。シナリオ・センターという脚本家の養成学校から来ました。
シナリオ・センターは、1970年に創設。脚本家の養成学校として、出身ライターは約700名。連ドラの6割~7割の脚本を出身ライターの方が執筆しています。
で、そんな脚本家の学校が、なぜビジネス支援講座で『自己PR』について話をするのか。
実は、魅力的な脚本を書くためには、魅力的な登場人物が必要です。脚本術のなかに、魅力的な人物の作り方があります。つまり、それを日常の私たちに応用しちゃえば、自己満足PRではなく、相手に伝わる自己PRがいっちょできあがり!というわけです。
90分後、
「あ、そっちから考えれば、よかったのか!!」
と、思ってもらえたらうれしいです。
自分についてわかってもらうには?
自己PRが必要な時ってどんな時でしょうか?
今回ぼくは、新卒採用や中途採用など、大学生から30代くらいまでの方の参加をイメージしてやってきました。
えぇ~っと……思った以上に年齢層が高くて、びっくりしてます(笑)
なので、かる~く予定変更しながら、話を進めますね。
いずれにせよ、自己PRをすることでわかってもらいたいことは3つです。
①自分がどんな人間か
②自分に何ができるのか
③会社にどう貢献できるのか
はい、これ聴いて、「んなこと、わかっとるわい!」と思った方、いると思います。
安心してください。ちゃんと、考え方をお渡ししますから!
ポイントは、
『どう伝えるか』
と
『何を伝えるか』
を分けて考えることです。
まず『どう伝えるか』のポイントは、画(=シーン)。
もう少し詳しく言うと、面接官もしくはあなたが伝えたい相手に、あなたの姿が浮かぶか否か、です。
次に『何を伝えるか』のポイントは、二面性を出すこと。
この両方とも、シナリオの技術です!
『何を伝えるか』を整理してみる
『何を伝えるか』が整理できると、①自分がどんな人間か、②自分に何ができるのかが明確になります。
ポイントは、二面性を出すことでした。
では、二面性とは何か。
ドラマでは、二面性というのは、『共通性』と『憧れ性』のことを言います
『共通性』というのは、弱点や短所と思われがちですが、ちょっと違います。弱点や短所も含め、誰もが「あ、わかるなぁ~」と思うような経験や境遇、考え方です。
簡単に言うと、「○○がにがて」とか「いつも悲観的に考えてしまう」とか、「やりたいことがやれてない」とか、そんな感じ。
一方で『憧れ性』は、その人ならではの強みや経験といえます。
自己PRというと、『憧れ性』を強調したくなりますが、それをやりすぎると自己満になっちゃいます。聴いている方は「はい、はい。すごいね」って。
なぜなら、『憧れ性』に人は感情移入してくれないのです。
ドラえもんでいえば、出木杉くん。でき過ぎてしまうことで、決して主人公にはなれません。だって、どうせできちゃう人を誰も応援しないでしょ?
なので、自分ならではの『憧れ性』だけではなく、自分とほかの人との『共通性』も伝えなくてはいけないのです。
しかも!先に共通性を振るほうがいいのです。
「私は、大学時代に500人規模のイベントで、司会進行を任され、大盛況のうちに締めくくれたことが自信につながっています」
と、『憧れ性』を前面に出すよりも、
「私は、すごく緊張しいで、ひと前に立つとあがってしまいます(共通性)。そんな私ですが、大学時代に500人規模のイベントで司会進行を任され、しっかりと責任を果たせたことで、自分に自信が持てました」
『緊張しいで、ひと前に立つとあがってしまう』というのが、『共通性』です。言っていることは同じでも、『憧れ性』前面バージョンよりも、「あぁ~がんばったねぇ~」という気持ちになると思います。
だって、たいていの人は、ひと前に立ったら、緊張するから。
『どう伝えるか』を整理してみる
『何を伝えるか』がわかってきたら、今度は『どう伝えるか』の整理です。
ひとつは、『共通性』から入るでした。
でも、それだけではちょっと足りない。ポイントは、画(=シーン)で伝えることです。
これができると、面接官や伝えたい相手に、「へぇ~そんな経験をしてきたんだねぇ~ウチなら、こんなこともやれそうかもなぁ~」と思ってもらえます。
ポイントは、これから紹介する3つを考えるだけ!
『柱』と『ト書』、そして『セリフ』です。
柱:場所と時間帯(照明への指示)を書きます。
どんな場所で起きた話かを思い出してみる
ト書:登場人物の動作・状況を書きます。
自分が経験したことの状況や動作などを思い出してみる
セリフ:登場人物のセリフを書きます。
自分がどんなことを言ったのかを思い出してみる
『柱』『ト書』『セリフ』を書く前に、自分の姿が頭の中に浮かんだ人は、その情景を先に絵に描いてもいいです。
シナリオが先でも、絵が先でもいいです。
大切なのは、具体的に自分の姿を描くことです。
先ほどの例を、シナリオの要素を入れて書き直してみるとこんな感じ。
「私は、すごく緊張しいで、ひと前に立つとあがってしまいます。そんな私ですが、大学時代に大学の大ホール(柱)で、500人規模のイベントで司会進行を任されました。会場を恐る恐る見渡すと超満員です。私の手は汗でびっしょりでした(ト書)。一瞬頭のなかが真っ白になりました。ですが『今日のために、念入りに準備したじゃないか!』(セリフ)と自分に言い聞かせ、しっかりと責任を果たせました。『こんな自分でもやれるんだ』(セリフ)、と自信が持てました」
まぁこれ、即興で作ったものですが、少しはマシになりましたよね!ね!!(笑)
自己PRというと、かっこつけたくなります。自分をよく見せたいから。でも、相手が知りたいのは、今後あなたがどんな活躍をするかというイメージです。
イメージが湧かない話をいくらしたって、相手に響きません。だから、共通性から惹きつけて、シナリオの技術を使って相手にイメージが浮かぶように伝えられるよう伝えてください。
今日ご参加のみなさんは、大丈夫そうです!この調子で、自己PRを磨いてくださいね!
ご清聴ありがとうございました。
最後に、本日紹介したようなビジネス支援の取組みのリンクを貼っておきます。合わせてご参考にしてください。
PR動画の作り方は、自己PRにも使えると思います。という、宣伝。
ってな感じで、90分。
実際には、シナリオを書いたり、シーンを描いたりして感動のフィナーレ。
シナリオ・センターにこんな質問があるよ、こんな話が聞きたいよ、トークイベントに賑やかしで来てよって方がいましたら、お気軽にこちらに記載されてるメールアドレスからご連絡ください。