前十字靭帯(ACL)損傷の予防「モノ編」
前十字靭帯損傷の予防にはトレーニングが多く注目されますが、身に付けるモノも重要な要素になります。今日はモノに注目して進めていきたいと思います。
非損傷型の前十字靭帯損傷は、膝関節が20〜30度以下の軽度屈曲(曲った状態)、膝関節外反(ニーイン)と脛骨(スネの骨)の内外旋(ひねり)が組み合わさることで損傷につながると言われています。
運動中は歩く、走る、飛ぶ、着地、方向転換など様々な動きが組み合わさります。前十字靭帯が損傷する際はこれらの動きの中で何かしらの影響により危険肢位となり損傷しやすくなります。
何かしらの影響というのは、身体状況(足部の安定性の低下、体幹機能の低下、下肢アライメント不良など)や外部環境(滑りやすい床、凸凹がある地面)です。
一般的な予防法は、まず運動時の動きの分析や、身体評価により危険肢位になりやすい原因を見つけ出し、トレーニングによってその原因を潰していきます。
その原因の1つには足部の内側への傾きがあります。よく過回内やオーバープロネーションと言われる状態です。扁平足もそうです。
この足の過回内の状態になると何が悪いのかというと、立つと膝が内に入ってしまいます。これは危険肢位の膝の外反という大きな要素となります。
この過回内はトレーニングで改善させるのは困難で、相当期間も要します。
しかし、トレーニング期間なので競技は休みますということにはなりませんので、改善されるまでは前十字靭帯損傷のリスクは継続することになります。
そこで注目するのは競技中身に付けるモノ(道具)の改善です。
モノの改善で障害リスクを軽減できるなら取り入れるべきだと思いませんか?私は思います。
この場合のモノは、主にインソールとなります。
医療用のインソールであれば、過回内を改善できるので、足部にある原因はすぐに修正可能です。
ジャンプ、着地方向転換が多い競技では、損傷リスクが非常に高いのでインソールは必須アイテムだと私は思います。
では自分の足が回内傾向or過回内か調べるにはどうしたら良いか?navicular drop testというテストがあります。方法は、
「足関節中間位とした座位にて床面から舟状骨下端までの距離を定規にて計測し,その後,立位にて床面から舟状骨下端までの距離を計測し座位と立位での距離の変化値を計測値とする」
言葉では分かりにくいので動画をつけました。
印をつける骨の場所は、土踏まずの上にある骨の出っ張っている所です。10mm以上で異常値となります。
座って計測する時の足関節中間位というのは、専門家じゃないとわからないので、皆さんが行うときには
股関節、膝関節90度。足関節は曲げたり反ったりしないちょうど真ん中で、足は踏み込まず、人差し趾と膝の方向が同じ方向を向くようにして測ってください。
少しでも前十字靭帯損傷で競技から離脱する人が減りますように願っております。
最後に私がオススメの医療用インソールの情報をのせておきます。