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こんにちは、noteでコミック風イラスト入りの夢日記を連載しているヤシロと申します。

このような創作をしている私、とうぜん、

古今東西の「夢」をモチーフにした文学や映画はたくさん集めていますし、

そういう過程でよしんば時にはバロウズにも手を出しますし、

いやしかし、そんな私でも、バロウズのスタイルを真似しようなどと恐れ多いことは思ったこともありませんが、

それにしても、

最初に「夢の話ってのは退屈なものにしかならないってわかってるんだけど」と書き出されるこの『夢の書』が、退屈どころかめちゃくちゃのめり込んでしまう本であることには、ほんとに嫌になっちゃう。

赤っぽい顔の若者がいて、茶色のスーツとズボンをはいている。その顔、と言っていいものかもわからないが、蒼白で赤い徴がついている。口も鼻も、目もないようだ。単に顔があるはずの場所だけ。

『夢の書』(ウィリアム・バロウズ/山形浩生訳(河出書房新社))

こういうバロウズの読後感はなんでしょうね。「かっこいい」かな?そうですね、狂ってるし、気持ち悪いし、究極のアウトサイダーなんだけど、、、なんでのめり込んで読んでしまうかといえば、カッコよく見えるからでしょうね。カリスマだな。恐ろしいことだし、恐ろしい人ですよ。真面目にサラリーマンとして生きて家庭を持って健康に歳をとってポックリ楽に死にたい、という人はバロウズをカッコいいと思っちゃいけない。え?私ですか?私は、もう手遅れだ。

↑これだけ言っても、バロウズが気になってしまう人、これだけ言っても「覚悟はできてる!」という人は、それなら、しかたないですね、『夢の書』から、ぜひどうぞ!

有名な『裸のランチ』は、いきなり読むのはかなり胃にキツい、と思う。他のバロウズで少し慣れてからのほうがいいような気もするが。ただし、「いきなり本丸に乗り込みたい!」という気概の方は、よろしい、気持ち悪すぎて体調に支障が出ても自己責任で、いきなり『裸のランチ』コースぜひどうぞ!

小説という形式が苦手、という方は、デヴィッド・クローネンバーグ監督の映画版がオススメ。バロウズファンからも賛否両論ある映画ですが、私は、雰囲気をよく伝えていると思っていて、好きです。「ストーリーがぐちゃぐちゃで意味不明な映画」?バロウズの小説がそういう小説なのでクローネンバーグ監督のせいじゃない、それはしょうがないw


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