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映画『サイン』鑑賞後にM.ナイト.シャマラン監督への手紙のつもりで切ない想いを込めた感想文
※本記事内の参考文献URLおよび参考DVDのURLにはAmazonアフィリエイトリンクを貼らせて頂いております旨、あらかじめご了承ください
拝啓
M.ナイト.シャマラン監督
このたび、あなたの作品『サイン』を鑑賞しました。
映画を観終えて、
「ああ、もう!どうしてこう、、、僕とM.ナイト.シャマラン監督作品というのは、いつも、こう、、、相性が最悪なんだろう!」
と叫んでしまったところです。
しかし、今は気持ちも落ち着きまして、
あなたに対する手紙の形式で、できるだけ礼儀正しく、
『サイン』に対して私が感じた違和というものを文章に残しておこうと思います。
お恥ずかしいハナシながら、あたかも、中二男子が、片思いの相手を想定して「出すつもりのない手紙」に思いをなんとか言語化するように、
私も、実際にはあなたに出すつもりのないこの手紙を、まさかまさか、万が一、あなたに見つかっても読まれないように、私の母国語、日本語で書きます。ヒヒヒ。
さて、、、
本題に入りましょう。
『サイン』についてです。
まず、私の立場を表しておきましょう。
私は、SF映画が好きです。ハードコアなSFファンではなく、わりかし柔軟でストライクゾーンの広いSFファンのつもりでいます。
特にH.G.ウェルズの『宇宙戦争』以来の、「宇宙人の地球侵略と、それと戦う人々の物語」というパターンが好みです。
そんな私です。
そんな私だから、、、
普段から「僕はM.ナイト.シャマラン監督とは、なんか合わないから、彼の作品はあんまり見てないんだよねー、、、なんかさあ、M.ナイト.シャマランが出してくるものって、『ラストのドンデン返しが凄い映画だろ!』って顔をしてるんだけど、僕が観ると『いやいや、これはドンデン返しが凄い映画ではないよ。こういうのはね、最後の最後にアサッテの方向に暴走してしまった映画って言うんだよ!』と思ってしまうんだ、、、まあ相性が悪いんだろうね」と言って、あなたの作品は、避けていました。
ですが、そんな折、
『サイン』は、私の大好きなジャンル、「地球侵略モノ」と聞いたので、
「お!それなら、面白いかも!M.ナイト.シャマランの過去作品と私との間には、まあ、いろいろあったが、そういうことなら、面白そうだな、観てみよう!」
と思ったのです。
ですが、、、あなたは、何も変わっていませんでしたね。
しかも、悔しさをにじませながら、これは言っておくのですが、
ラスト10分くらいになるでは、正直、かなり面白かったんですよ!そうなんです!あなたはいつもそうなんだ!途中まではカメラワークや映像の作り込みで凄く引き込んでくれるんだ!あなたの映画は決してつまらない映画ではないから困った存在なのです!『サイン』も、クライマックスまでは、とっても、良いと思うんです!
あそこまで思わせぶりにいろいろ引きつけておいて、なぜああしたのですか!一瞬にしてドン引きじゃないですか。
あまり詳しいことはネタバレになるから書きませんが、ひとつだけ、言いますよ、あのリトルグレイにトゲが生えたみたいなすっとんきょうなデザインの宇宙人のことですよ!ネタバレになるから伏字で書きますが、「やつらの弱点は○○だった!」ってのがクライマックスのポイントってことですよね?
でもですねえ、何億光年も飛び込えて地球に侵略してくる技術をもった、あの宇宙人が、「よりによって地球にたくさんある○○が弱点」ってことなら、宇宙服を着ているハズじゃないですか?なんで全裸で茂みから飛び出してくるんですか?デオチで笑わせようとしてきたのですが?そしてそもそも、そんな高度な知性を持った宇宙人が、納戸に閉じ込められただけで「ウオオオ、ドアが開けられねエエエ!」と暴れ狂って怒るんですか?いろいろおかしくないですか?
いえね、、、それを飲み込んだとしても、
「神への不信感から牧師をやめた」という設定の主人公のメル・ギブソン、、、あのラストは、ない!そんな簡単な話で済ますの?ああ、おう、、、これ以上はネタバレ回避のために書けませぬ、あのラストについて、あなたに言いたいことが山のようにあるのに、残念です!
いや、いや、わかっているのです。
先述したように、あなたは映像感覚についてはバリバリ優れたクリエイターと思います。本作『サイン』でも、夜のトウモロコシ畑の描写とか、とてもよかったですのですよ。
そしてあなたのことが大好きな人も多々いることはわかっています。そしてそれについて、単にシャマラン監督とつくづく相性が悪いだけな私が何か面倒をいうつもりもない、、、と思ってきたのですが、
今回は「地球侵略モノ」となると私も黙っていられませんよー、SFホラーにそちらから殴り込んできたのだからこちらも全力で打ち返しますよーという気持ちで観たけど、いやいやいやいや、これは違うこれは違う、この宇宙人は、ない!こんな虚弱体質の宇宙人が全裸でウロウロしている、というのも、ない!そしてラストのメル・ギブソン、あれは、ないw
しかし、残念ながら、まことに残念ながら、
結局、私はこうやって、ブーブーブーブー文句を言いながら、いつかは、ついには、着々とあなたの作品も鑑賞してしまっているのだ、、、。この調子では、「M.ナイト.シャマラン監督の作品の中でも、とりわけ賛否両論となった作品」などという、私にとってはイヤな予感しかしないレビューがついている『ヴィレッジ』についても、いつかはみてしまうんだろうなあ、、、ぐぬぬ。
と、まあ、いろいろ書いてしまいましたが。
かように、私は文句ばかり言っていますが、結局はあなたの作品を観てしまっているのだ、、、どうか、いつかは、「おお!M.ナイト.シャマランとはずっと相性が悪いと思ってたが、今回はバッチリだ!」と私が喜び叫ぶが来ることを、私自身も祈念しつつ、これからの活躍に期待申し上げます。
それでは、失礼いたします、、、。
、、、
あ!
そうだ!
最後の最後にもうひとつ!
『サイン』の途中で、宇宙人の侵攻のニュースを見た登場人物の一人が、「なんてこった、まるでH.G.ウェルズの『宇宙戦争』みたいだ!」と叫ぶセリフがありましたが、あれを登場人物に言わせちゃダメでしょー!めちゃくちゃメタ発言じゃないですか!?どー見ても、『サイン』の中盤の展開に『宇宙戦争』へのオマージュが含まれていることはわかるのだから、それをキャラクターの口から言わせることはないっ!自虐ギャグかと思いましたよ!こういう細部で、いちいち、私の集中力は崩されてしまい、私もあなたに対して言いたいことが、長年をかけて積み上がってしまうのです。
できれば、ですが、、、こういうセリフは、もう、しゃべらせないようにしてほしい。私の好みの問題と言われればそれまでなので、難しいかもしれませんが、「もし可能ならば」で結構です。
何卒、ご検討の程、よろしくお願い申し上げます。