『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』という奇跡的SF逸品を語ろう!・・・だがグロ描写に耐性のない人と「レア・セドゥの美しい姿を愛でていたい」純粋な映画ファンは、見るなーー!!
私は過去の自身のnote記事でもさんざん、
『裸のランチ』やら『イグジステンズ』やら、果ては『シーバーズ』やらを推してきたほどの、年季の入ったデヴィッド・クローネンバーグ監督のファンですが、
いやそのクローネンバーグ監督が気づけばそろそろ80代というご高齢をも問題とせず、ひさびさにメガフォンをとった最新作、『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』。このたび、ようやく視聴いたしました。
感想・・・ですか?
すごいよ・・・
これはすごい・・・
本当に、すごすぎるよ、クローネンバーグ監督・・・!
こんなとんでもないSF映画を撮れるのは、いろんな意味で、今の世界にはもはやあなたしかいないw。いろんな意味でというのは、アイデアがそもそも独創的すぎる上に、
登場するキャラクターやガジェットのデザインが、まさに、クローネンバーグ監督ならではの独創的デザインセンスのラッシュであり、
そして何よりも、
こんな企画に、よくOKを貰えたなw。どうやって映画会社やスポンサーを納得させたんでしょうかw?いやもう、「私がこういうグッチャグチャなSF映画を撮ると、少なくとも、世界中にいる私クローネンバーグの積年のマニアは駆けつけてくるハズ!ヒットするわけがないニッチな映画ですが、しかし、オオコケもさせません!」と、自分のブランドを主張して映画会社を納得させたんだろうか?そうとしか思えん・・・
まぁ、どういう作品かと言いますと・・・
いちおう、ハードSFってことになるかな?「現代とは異なるテクノロジーが蔓延し、現代の常識が通じなくなったディストピア未来世界を描くことで、哲学的なことを観客に考えさせる」系統のSF。ただし、この「ディストピア未来」像の独創性は、ぶっとんでます。
簡単に言うと(というか・・・ほとんど説明もなしに始まり終わるSFなので、「私が解釈したところで言うと」となりますが)この未来世界は、
↑さあ、どうです?このあらすじを読んでも、意味わかんないでしょ?
類似する作品としては、『ブレードランナー』とか『時計仕掛けのオレンジ』みたいな、「映画監督が夜に悪夢で観た光景をそのまま映像化したような、異様な未来世界を旅してまわるトリップ系SF」となりましょうか。
そして監督がクローネンバーグなので、
肉体損壊シーンのしつこさは実に過激、、、
そうです!レア・セドゥのファンの方は特に注意してください。私自身はレア・セドゥをとても尊敬していますが、正直、
「ええ!レア・セドゥがクローネンバーグ作品に主演したの?すごいなあ・・・クローネンバーグ作品に出るということは絶対に肉体を損壊させられるぞ・・・でもまぁ、レア・セドゥには彼女の美貌を愛するファンが多いから、さすがのクローネンバーグもレア・セドゥの顔面については無傷にするだろうけどね」
と予想して視聴しました。ところが、
「げえええええ!クローネンバーグ監督!レア・セドゥの肉体を切り刻むシーンをネチネチ出してきたのは予想通りだったが、、、なんと、あの美しいお顔にも手を出した!最後には傷つけやがったw!」
容赦ねえなあ!クローネンバーグ、、、!
この体当たりな役を熱演したレア・セドゥのことを、私はますます好きになりましたが、
「レア・セドゥ様のお顔に傷をつけるシーンなんて存在自体、許せない!」という純粋なレア・セドゥファンは、この映画は絶対に見てはいけないw
いやあ、
すごい!
老齢になってなお、妄想(w)が爆発しているクローネンバーグ監督、もう何作か今後もこの手の作品を作ってほしい!
そして、『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』は、とうてい、万人ウケする映画ではないのですが、「悪夢のようなディストピアSFを見て、バッドトリップのような強烈な体験をしたい」方にはぜひチャレンジしてほしい、超絶な逸品と思うのでした。
ただし・・・「触手みたいなものが伸びてきて人間を絡めとるベッド」とか、「左右にせわしなく動きながら食事介護をしてくれる不穏な介護椅子」とか、一歩間違えればお笑いコントにも見えかねない悪夢のようなガジェットのラッシュについては、クローネンバーグ世界に慣れてない方は、戸惑ってしまうかもしれません、、、そんなあなたに、私からの忠告、、、「クローネンバーグ監督作品に出てくる謎めいたガジェットとかクリーチャーについては・・・深く意味を考えてはいけない・・・体で感じろ!」です!