幸福なコリン・ウィルソンと不幸な私
コリン・ウィルソンの『至高体験』を読んでいますが、ハッキリ言って、こんなに痛快で面白い本は、今どき、もう、ないw
オカルトにも肯定的、人間の可能性にも肯定的、ついてに異常犯罪心理や、常識的には「狂人」とみなされるような人間にも肯定的、
究極の実存主義者であり、しかも、実存主義者と自称する人にはなんとも珍しいことに、とことん楽天的
作家として最高に面白い人なのだが、
コリン・ウィルソンには、ただひとつだけ、決定的な弱点があります。致命的といってもいい弱点。。。
それは
今や、もうすっかり古くなった、という弱点です
そしてその弱点は、
コリン・ウィルソンのせいでは、まったくなく、今の時代に生まれた私の不運というだけのことですがw
ハッキリ言って、
コリン・ウィルソンの言っていることを「うんうん」と素直に頷きながら楽しく読めた世代が羨ましい。今どきな私は、とてもここまで楽天的で、野放図なまでに人間を「その悪の部分まで含めて」肯定はできない、いろいろしんどいものを見てしまった後の世代ですからね。
、、、と言っておいて、これだけコリン・ウィルソンをコレクションして読破して、今の自分にとっても使える何かを「掴もう」と貪欲な私が、二十一世紀の片隅に住んでることも確かだったりします。「読書好き」層の中でもそうとうな変わり者だとは自分でも思うし、もしかしたら、これでも私は普通よりはずうっと楽天的なのかもしれません。
そんな私をコリン・ウィルソン先輩はどこへ連れて行ってくれるのか知らないけど、もう私は彼の著作を読みすぎているので、今さら途中下車もできんのだ。列車が行くところまで乗っていく。