私は面白いと思ったがよほどな「宇宙戦争」マニア向きであることは否めないw『War Of The Worlds The True Story』という怪作!【フェイクドキュメンタリーを止めるな!】
皆さん、こんにちは。ホラー映画好きなヤシロです。
フェイクドキュメンタリー系ホラーのオススメ紹介記事をやりますよ。
ただし今回紹介する作品は、フェイクドキュメンタリーとはいっても、かなり変わった趣向の作品です。
その名も、"War Of The Worlds The True Story"。
『宇宙戦争の真実の物語』って感じですかね?もちろん、ここでいう『宇宙戦争』(War Of The Worlds)というのは、H.G.ウェルズの名作古典SF小説のことですよ。
「”War Of The Worlds The True Story”ということは、H.G.ウェルズがどのようにあの名作を執筆したかの創作秘話に迫るドキュメンタリーかな?」と思った人はいるかもしれません。
そう予想した方は、惜しい!
この映画は、フェイクドキュメンタリー映画なのです。
それも、企画として実に面白い!
H.G.ウェルスが19世紀末に書いたあの小説の内容は、「実はあのとき、本当にイギリスで起きていたのだ!」と主張し、当時の宇宙人襲撃の生き残りにインタビューや、貴重な当時の新聞や、政府がひた隠しにしている秘蔵映像などを駆使して、「本当にあった事件としての『宇宙戦争』の実像を再現する!」・・・と、いう、フェイクドキュメンタリーwです。
これが・・・凝っているんですよ!
おそらくは、本物の19世紀末イギリスのドキュメンタリー映像(街並みとか、道行く人たちの姿とか)と、創作したモノクロ映像を組み合わせて「フェイク」映像を作り上げているのでしょうが、
このフェイクドキュメンタリーに登場する宇宙ロボットや宇宙人のデザインは、ハッキリ言って、スピルバーグの『宇宙戦争』のデザインよりも、私は遥かに好きだ!
で、そんな宇宙ロボットや宇宙人が、「いかにも19世紀末の映像」をフェイクした、ざらざらと汚れの目立つモノクロ映像の中でド迫力で歩き回るんですな。もちろん、殺人光線で群衆が焼かれていくショッキングなあのシーンも、「いかにも19世紀末」っぽい、わざわざ古くて傷んだ感じの画像の中で名再現しています!
他にも、
原作小説のファンなら、
「あ!あのシーンをうまくフェイクドキュメンタリー映像にしてくれているな!」とニンマリしてしまう、「細かすぎる」シーンが多数!
というわけで、私は、それなりに楽しかったのだが、
大きな弱点がある。
宇宙ロボットや宇宙人のデザインがイケていたり、いかにも「古いフィルム」をフェイクした職人芸に唸らされたりするものの、
ごめんなさい!さすがのSF好きな私も、このスタイルの映画で1時間半つきあうのは、けっこう集中力が大変だったw。まぁ、ぶっちゃけ・・・このスタイルに慣れてしまうと、途中で飽きて来ちゃうんですわな・・・。
もうひとつ、もっと大きな弱点がある。
これ・・・たぶん、もともと『宇宙戦争』の原作を読んだことがあって、かつ、その細部を覚えているほどの原作ファンでないと、せっかくのさまざまな「細かすぎるファンサービス」シーンが、
まさに「細かすぎる」ゆえに、「伝わらない」で終わるでしょうね。。。w
というわけで、『宇宙戦争』ファンである私は、高い評価を出したいものの、とても万人にオススメできる内容ではありません。でも、もともとがテレビ映画として制作されたものと聞いたので、もしかするとテレビをつけっぱなしにして、「ながら」視聴するとちょうどよい感じの作品なのかもね?
・・・そうだとしても、もともとよほど『宇宙戦争』原作が好きでないと、テレビ映画とはいえ最初からこれにチャンネルを合わせない気もするが。
となると・・・大きな謎が出てきました。「いったい、この、やけに凝ったフェイクドキュメンタリー映画、ターゲットはどんな人を想定して作ったの??」という。
あ!
そうか!
なんのことはない!私みたいなマニアックなSF好きがターゲットだ!つまり、狙いは私じゃないか!w
※なお、残念ながら、2024年8月現在、日本語版はいっさい出ていないようです。でも、『宇宙戦争』の原作を読んだことがある人なら、この作品の英語のナレーションやセリフには特に困らないはずだ。。。まぁ、原作を読み込んだ人に限るハナシにはなりますが。。。
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