『聖闘士星矢』のイタリア版がついに届きました!・・・しかしイタリア語とキャラとの違和感のなさは一体!?
以前の記事に載せた通り、「聖闘士星矢はラテン圏で強い」のリサーチにかこつけて、イタリア版の『聖闘士星矢』を発注しておりましたが、やっと、届きました!
I cavalieri dello zodiaco. Saint Seiya. Perfect edition: 8/Star Comics(Italy)
何をおいても、生きたイタリア語を読めるのは、外国語学習マニアとして嬉しいかぎり!
がまんできず、深夜から読みふけっております。
しかし・・・この違和感のなさはいったい!?
あー、なんだか、ラテン圏のお子様たちに聖闘士星矢がバカウケしているという理由が、少し、わかってきたかもしれません。
というのも、少なくとも十二宮編以降(日本以外が舞台)については、キャラクターたちが西欧語をしゃべっていても、なんか違和感がないのです!
特にこの、ミロと氷河の戦いのカラーの回なんて、白人どうしの戦いだから、むしろ西欧の言葉で会話しているのが「ただしい姿」にすら見える。
I cavalieri dello zodiaco. Saint Seiya. Perfect edition: 8/Star Comics(Italy)
きっと、他の、フランス語版やポルトガル語版やスペイン語版でも、こういうふうに見えるのでしょう。
そうか、聖闘士の共通語はラテン諸語なのかもしれない!
考えてみれば、聖闘士星矢に出てくる「聖闘士(セイント)」という連中は、全世界の格闘センスに優れた子供たちがギリシャに集められ、そこで修業をすることでなることができる格闘家という設定。
格闘技と一緒に、「聖闘士どうしの共通語」として、ギリシャ語やラテン語を徹底的に勉強させられていたという設定でも何ら不思議ではない。
日本の相撲部屋に入った海外の方がみんな日本語達者になるように、
聖闘士として修業をした人たちはギリシャ語やラテン語に通じ、とうぜん、ラテン語の現代版である、イタリア語・フランス語・ポルトガル語・スペイン語あたりはペラペラなのだ、、、と考えても違和感はない!
いったんそう考えてしまうと、このイタリア版を読み終えた後に、日本語のオリジナルの『聖闘士星矢』を読むと、むしろ日本語を喋っているほうが違和感をもって見えてしまう不思議が起こります。
「あれ? 星矢たちは日本を離れて、外国の聖闘士と戦っているのに、日本語を喋っているぞ。それはおかしいよな。聖闘士どうしなら、イタリア語やフランス語で喋んなきゃ!」と思ってしまうw。
乙女座のシャカの必殺技も、仏教臭が抜けていた!
「そうはいっても、六人目のゴールドセイント、『乙女座のシャカ』は、さすがにイタリア語は似合わないんじゃなかろうか?彼は仏教にちなんだ必殺技を使うキャラだから、ここだけは日本語でないとおかしく見えるだろう」と、思っていたのですが、
シャカと一輝の戦いは、こんな感じ。
I cavalieri dello zodiaco. Saint Seiya. Perfect edition: 8/Star Comics(Italy)
「血の池地獄」は、「インフェルノ」と表現され、
I cavalieri dello zodiaco. Saint Seiya. Perfect edition: 8/Star Comics(Italy)
必殺技「六道輪廻・天界」は、「イル・モンド・チェレステ」、すなわち「天国」と表現されています。
インフェルノとかチェレステとか、まるでダンテの『神曲』のようなワードチョイス、なんだかキリスト教圏の香り漂う必殺技に感じられちゃいます。
いちおう、背景に大仏様がいますけど、もはやなにがなんだか。
でも、、、これはこれで、ある意味、マッチしているようにも見えるから不思議です!
聖闘士星矢には、ギリシャ神話のみならず、先ほどのシャカの必殺技のように、仏教やインド思想をモトネタにしたキャラも出てくるので、そのあたりをどう西欧の子供たちに説明しているのか、ずっとナゾでしたが。
ナゾは解けました。
説明していませんでしたw。
ビジュアルでうまく、見せていました。
そして、これが、なんだか妙にマッチにしている。このあたりに聖闘士星矢がなぜかラテン圏(南欧と南米)で強いという秘密の、ひとつが隠されているのかもしれません!