恋人とペット禁止のマンションで子猫を育てた話
プロローグ
現在は、ペット飼育🉑のマンションに転居して ヒト2人、猫1匹の悠々自適とした生活を送っています。自分は元々、地方の田舎出身で大学進学を機に大阪に来ました。大学1、2年の頃は学校近くに借りた親契約のアパートで暮らし、丁度昨年の今頃に、彼女のマンションに転がり込むような形で同棲をスタートさせました。
本編
①元飼い猫の存在
昨年の秋頃、
彼女宛てに一通のメールが届きました。
送り主は母国の元同僚からによるもので、『実家に帰るからあなたが預けていた猫はもう面倒見切れない』とのこと。
彼女は中国の〇〇省出身で大学卒業後、実家から1000km離れた南の都市で就職し、1年間
一人暮らしをしていました。
預けていた猫とは、その時飼っていたもので来日を理由に元同僚が代理として面倒を見ることとなりました。
元々、その猫は捨て猫で友人経由で引き取ったそうです。
付き合った当初から、その猫【メイメイ】との思い出を沢山自分に語ってくれて、彼女にとって心の拠り所であり、大切な存在だったことは聞いてて窺えました。
2ヶ月の記念日にはメイメイに似たぬいぐるみをプレゼントしたのも覚えています。
色々思案した結果、母親が猫アレルギーということもあり、実家近くの親戚夫婦が引き継ぎとして預かることになりました。
出発の手筈が予想より早く整い、メイメイが輸送されます。
②突然の別れ
数日後、親戚とのビデオ通話でメイメイの到着と安否が確認されました。
安堵感に浸るも束の間、ここで事件が起こります。
親戚から猫が逃げたとメッセージが届いたのです。
何が起こったのかよく分からないまま電話を掛けた彼女は通話終了と同時に泣き崩れました。
原因は、親戚の過失です。
家に着いた端から玄関を無造作に開けたままゲージから出して猫を抱き抱えようとしたそうです。
驚いた猫は玄関を飛び出して逃げたそうな。
詳細を聞いた自分は呆れと憤りを感じ、ただ慰めることしか出来ませんでした。
人間でも疲れるような距離を輸送させられ、知らない地域に辿り着き、知らない人に抱き抱えられる。
びっくりして逃げたのは良いが、そこは自分の知らない世界。
仲の良い飼い主も帰る家もない。
メイメイの気持ちを思うと不憫過ぎて本当に居た堪れなかった。
普通分かるやろ。
猫に限らず相手の立場に立って考えれば。
翌日、親戚は悪びれる様子もなく、逃げたものは仕方ないと店から新しい猫を買ってくる始末。
こいつら捜そうともしてないやんけ。
トドメの一言は、『メイメイよりこの猫の方が可愛いよ』でした。
該当地域周辺にSNSでの呼び掛けもしてみましたが、拡散されることなく結局メイメイは戻って来ませんでした。
正直なところ、輸送の段階で嫌な予感はしていました。
『遠回りな方法を取ってリスクを増やすくらいなら直行便で日本に送ってもらい、その後のことは来てから考えよう。』と助言したこともあります。
しかしながら、何かとタイミングが悪かった。
たらればは結果論であり、起こってしまったことは仕方がありません。
因みに親戚夫婦が代用として店から買ってきた猫は汚いという理由で数ヶ月後、知人に引き渡されたそうです、、、
無責任な約束ほど人を困らせるものはありません。
③子猫を飼った理由
メイメイが居なくなってから1カ月後、彼女が子猫を飼おうと提案してきました。
だが、そこには問題があり、元同棲先のマンションの管理規約にはペット禁止と記載されてあったということです。
自分は悩みました。
万が一管理人にバレた場合、多額の違約金が発生します。
彼氏としてダメなことはダメと強く指摘するべきなのか。
しかしながら、彼女の求めている事とは異なります。
国が違えば夜通し探し回るところですが、そうはいきません。
メイメイが居なくなったこの1ヶ月、悲しむ姿を側で見ている身として、今回だけは強く言えませんでした。
望みを叶えてあげる事が自身のしてあげられる最大限の〝寄り添い″であり、たとえ、危ない橋であったとしても、一緒に渡ってあげることが、その人を〝想う″ということではないのかと思ったからです。
※美談にしてすみません
④子猫との出会い
そうと決まれば話は早かったです。
少しだけグレーな方法で入手しましたが、
数日後、新しい家族として子猫を迎え入れることになりました。
※買い手には影響ないです。
因みにネットに出回っていない方法で、普通に生きていたら確実に知らないと思います。
子猫を安く手に入れる方法(純血、Mix対応可)の需要がどのくらいあるか分からないのでnoteのスキを押してください。
要望が多ければ、後々記事を作成します。
費用は相場の半額以下で済んだのでラッキーでした。
猫は2ヶ月過ぎないと売買したらダメみたいです。
自分は元々猫に興味がなく、潔癖なところがあるので寧ろ苦手な方でしたが
初めて子猫を見た時、
『は?これが猫?可愛すぎんだろ』と
今まで自分が見てきた猫とは全く別の生き物で
とても衝撃的だったのを鮮明に覚えています。
⑤リスクヘッジリスト
待ちに待ったペットライフが始まりました。
しかしながら、バレてはおしまいです。
ネットで調べたところペット禁止のマンションにて無断で飼育した場合、大抵家賃の3ヶ月分+損傷箇所の補填費用が重なり、良くて数十万、最悪数百万のケースもあるそうでゾッとしたのも覚えています。
その為にリスクヘッジリストの作成もしました。
✅基本的にペット用の物品はネット通販(Amazon等)で購入
→⚠️通販のダンボールに「猫の専門店○○」などのロゴ表示があるとそこから猫飼育がバレる可能性もあるので店選びは重要。
✅スーパー等の購入品は透明な買い物袋に入れて持ち運ばない
✅動物病院受診時及びペットに関する住所記入はマンションの名前を書かない
→実家の住所でも記入しましょう。
✅ペットのゴミは外から見えないようにして捨てるか、バッグの中に入れて別のゴミ捨て場に捨てる
→カラスや野良猫がゴミ袋を破ってバレます。
✅痕跡をなるべく残さないように、寝る際、出掛ける際はゲージの中に入れて置く
→壁の引っ掻き傷を最小限に抑えます。
✅爪研ぎ用のおもちゃを設置し、爪切りも週1で行う
例として提示しましたが、両方とも300coinショップ、インテリア用品店にも安価なものがあるので購入しなくて結構です。
✅体調が悪くなった時と一緒に旅行に行く時以外は外に連れ出さない
→監視カメラや住人とのすれ違いでバレるので人の少ない時間帯に連れ出すか階段で降りるようにしましょう。日常的に階段を使っていれば怪しまれることはありません。ペット用バッグは露骨なので一時的にスーツケースに入れましょう。逃げないように注意。
✅玄関と窓の戸締りを徹底をする
→鳴き声で隣人にバレます。脱走防止。
✅猫の引っ掻きシート、防音マットの設置
→高額請求されるよりはマシです。100円ショップのはすぐ剥がされます。
✅部屋の消臭
→匂いでバレます。
✅マットやスポンジを床に敷く
→着地音や走り回る音で下の階の住人にバレます。フローリングが傷付くのを防ぎます。
✅受け取り等で玄関を開ける時は家の中が見えないように開ける
✅他人に極力教えない
その他の不確定要素としてガス、水道業者の点検や立ち入りでバレるそうです。
ネットでは、仕事で出掛けている間に水漏れを起こし、下の階の住人から管理会社にクレームが入った為、急遽管理人が立ち入る事となり、結果的にバレてしまったというケースもあるみたいです。
⑥ココとの生活
子猫との暮らしは新鮮で同棲生活をより煌びやかなものに変えてくれました。
生後2ヶ月のココ
生後3ヶ月のココ
飼い始めて2ヶ月が経ったある日
ここで不測の事態が起こります。
ココが玄関のドアに足を挟んで怪我をしてしまいました。
人間でも痛いのに子猫なんて相当なものでしょう。
足を引き摺るココを見てこれはまずいと思い、すぐさま病院に連れて行きました。
その間、『治らなかったらどうしよう』と生きた心地はしませんでしたが、
幸い、帰る頃には普段通りの状態に戻って一安心しました。
しかし、マンションの駐輪場に自転車を停めている時、背後から声をかけられます。
『何歳ですか?』
管理人のお婆さんでした。
明らかにペットが入っているであろうバッグで
そのまま出掛けてしまったのでバレてしまいます。
ゲームオーバーです。
隠し通すのも変な感じなので和気藹々と世間話をします。
👩『4ヶ月なんですよ。』
👵『可愛いねえ。』
変に咎められるようなことはありませんでしたが、バレてしまっては仕方がない。
リスクヘッジ生活終了のお知らせ。
と言いつつも、もう1人の厳しそうな管理人にはバレていません。
一縷の望みを頼りに今まで通りな感じではありませんが継続していきます。
心配をよそに相変わらずお転婆なココ
因みに成長期に手や足で遊ぶとおもちゃと勘違いするのでやめた方が良いらしいです。
変な噛み癖が付いて直らなくなります。
このまま長く居座るわけには行かないのと4月から2人の生活が一変するので、この頃から新居の内覧巡りを始めていました。
⑦退居
引越し先が決まり、退去の日が近づいてきました。
そんなある日、『ピンポーン』とチャイムが鳴ります。
誰かが尋ねてきました。
この日、自分は学校が休みだったのでずっと家に居たのですが
Amazonの配達かと思ってインターホンに出ると例の厳格そうな管理人でした。
急いでココをトイレに隠し、応対にあたります。
用件は立会の日程を決めるとの事で色々と資料を持って来られたようです。
元同棲先は、ペットの問題以前に2人入居禁止だったので何かと気まずかったのを覚えています。
おまけに説明を聞いている最中、玄関先にまでココの鳴き声がエンドレスで鳴り響いて完全に詰み状態でした。
『ニャーオ ニャーオ ニャーーオン』
猫は4、5ヶ月を過ぎると鳴き声が成猫並みになります。
また、狭い部屋に閉じ込めるとストレスを感じて鳴く習性があるそうです。
説明が終わると『一応あなたの連絡先を教えてもらっても良い?』と言われ、終わったなと思いました。
当初は余り深く考えていなかったものの、
ここまで来ると彼女を見放すわけにはいかず、
自分も清算という名の沈みゆく船と共にする覚悟が決まりました。( ; ; )
しかしながら、自分も彼女も諦めが悪いです。
せめて退去費用を最小限に抑えようと2日間に渡って、一心不乱に掃除をしました。
玄関、浴室、クローゼット、フローリング、ベランダ、排水溝、窓、網戸、消臭
有りとあらゆる所に残る獣の痕跡を徹底的に隠滅しました。
『来た時よりも美しく残すものは感謝のみ』
小学生の時に家庭科の先生が仰ってた言葉です。
自分は大嫌いでしたが🥴
心掛けという意味合いなのは分かりますが、
使えば汚くなるのが普通やろwとマジレス論破かまして身も蓋もない事を言いたがるのがsubachanという人間です。
当日は自分も付き添うと修羅場になりそうだったので、契約者である彼女だけが立ち会うことになりました。
この日は本当に落ち着かなかったです。
講義が終わり、2人でよく通った公園で待つ彼女に会いに行きます。
自分が駆け寄ると13000円と書かれた一枚の紙を渡されました。
0が1つ2つくらい足りなかったので何かの冗談かと思い、真顔で3回くらい『は?』と言ったのを覚えています。
👨『あと追加で何円払うん?』
👩『これで終わり』
⑧エンディングと考察
結果的にハッピーエンドな形で猫騒動を終えることが出来ました。
なぜなのか、、、
①管理人が猫好きだったから
→マンションの下に野良猫が沢山いて管理人が世話する姿を度々目撃
②愛想良く接していた為に管理人が目を瞑ってくれたから
③自分達のような居住者が多過ぎて管理人の基準が甘くなっていたから
④ 飼育期間が4ヶ月で損傷箇所がなかったから
⑤地域性の問題
→ノーコメント😶
⑥元が事故物件の可能性
→退居時に子供の手形を見つけちゃいました😱
⑨経験者は語る
リスクヘッジは重要なので、するに越したことはないです。ただ、どれだけ気をつけていたとしても100%バレるので早急に引っ越すかペットを手放すかの2択で考えた方が良いです。監視カメラなし、管理人の巡回なし、小規模賃貸ならワンチャンあるかもしれませんが、猫は成長すると凶暴になる場合もあり、鳴き声も大きくなり、毛の量も増えます。もし飼わざるを得ない状況であれば、覚悟を持って飼ってください。管理のプロを侮ってはいけません。部屋を開けた匂い、壁に染みついた匂いで瞬時にバレます。もう一度言います。100%バレます。後々調べたのですが、ペット不可物件は動物アレルギーの方が居住している場合もあるので、その点でもやめた方が良いという感じです。アレルギーを発症して大事に至った場合、管理人経由で賠償請求されるリスクもあるので。
後書き:彼女の地元に行ってメイメイを探し出し、ココの嫁にするのが自分の夢の1つであり、理想です。