【読書力】『余命10年』岸博幸
今日ご紹介する本は、岸博幸氏の『余命10年』(2024年3月、幻冬舎)。副題は『多発性骨髄腫になって、やめたこと・始めたこと。』。
著者の岸博幸氏は、元官僚の大学院教授。テレビのパネリストやコメンテーター等としてメディアにも登場しているため、ご存じの方も多いのではないだろうか。
岸氏は、60歳で、血液のがんである多発性骨髄腫との診断を受けた。そして、余命があと10~15年であると宣告された。本書は、それを機に、ご本人が悟り、気づき、考えたことを、惜しみなく読者に共有してくれるものだ。
以下、特に印象に残った箇所を書き留めておく。
こういった、限られた余命と向き合ってどう生きるかについてのメッセージが、本書の中心となっている。
しかしそれにとどまらず、若い世代への転職や起業のすすめ、子を持つ親たちへ向けた子育てのヒント、日本の明るい未来のための、価値観の転換、社会保障制度改革などを含む提言などにも話が及ぶ。元官僚ならではの著者の視点は鋭い。
病気や死をことさらに意識せず、健康な人生を送れることが、どれだけ幸運でありがたいことか。そして、漫然と人生を過ごし、有限な時間を無駄にすることが、どれほどもったいないことか。本当に大切なことは何なのか、後悔しない人生を送るためにはどうすればよいのか。こういった大切な問いを投げかけて、自分の人生から逃げずに向き合う機会をくれる。本書はそんな一冊だ。
なお、私が過去にnoteでご紹介してきた他の本の中にも、重い病に直面してご自分の人生と真剣に向き合った方々のものがある。本書と併せて手に取ってみていただければ幸いだ。
ご参考になれば幸いです!
私の読書録の記事へは、以下のリンク集からどうぞ!
この記事が参加している募集
サポートをいただきましたら、他のnoterさんへのサポートの原資にしたいと思います。