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源氏物語 キャラ紹介しりーず #惟光
光源氏に従う従者らの筆頭格
惟光(これみつ)。光源氏、第一の従者です。活躍の場は第一部(1~33巻)に限られますが、その子孫は最終章「宇治十帖」まで絡んでいきます。
光源氏ら、主要キャラが「超!上流貴族」であるのに対し、惟光はいわゆる「中流貴族」に属します。源氏物語は、超セレブの暮らしぶりをフィーチャーしていて、華麗な反面、美化された空気があるのですが、惟光の登場シーンでは、生活感・リアリティが出るのが魅力です。
光源氏に向かい、ズケズケ、ぶうたれることができるのは、源氏物語長しと言えど彼だけですからね。
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強く太い絆の背景には「乳」
二人を結ぶのは「乳の絆」。惟光の母が光源氏のメノトという縁です。メノトとは、ウバとも読みますけど、高貴な生まれの乳幼児を授乳&ケアする養育係です。
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なので惟光は光源氏と、おそらく幼時から一緒に育ったんでしょう。「例の(あの/いつもの)惟光」と言われるほど、プライベートな時間にはまるで影のごとく、光源氏のお供をしています。
それほど忠実で、しかも優秀。当時の貴族にしてみれば、喉から手が出るほど欲しい家来ですね。
光源氏の恋が成功率高いのは、惟光クンの活躍の賜物です。いちばんの功績は、幼年時代の紫上と光源氏を首尾よく取り持った件ですね。紫上なくして光源氏は地上に存在し得ないので、これ、物語の根幹に関わる功績です。その他は、夕顔、末摘花、朧月夜との恋で、陰に陽に活躍しています。
切れかけた末摘花との縁が再度結ばれる「蓬生(よもぎう)」巻、光源氏を夜露に濡れさすまいと露払いしつつ案内する詩的なシーンは、国宝源氏物語絵巻にも描かれています。
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貧にあえぐ末摘花一家にとっては、惟光クン、陰の救世主となった訳ですね。
惟光クンの私生活
とかいいつつ、「忠義」一辺倒なだけではなく、自分のプライベートも満喫しているのが、惟光クンの「らしい」ところです。主君の恋を仲介しながら、先方の侍女にコナかけたり、するりと自分の逢引に行ったり、要領よく人生を楽しんでます。平安貴族、日記を見ると日々仕事がぎっしりで、(いつ女性とよろしくやってたんだ⁈)と目をぱちくりさせたくなりますが、惟光クンを見ていると、その実態が感じられます。
光源氏、生涯最大の危機! 「須磨・明石への流離」
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光源氏の生涯最大の危機「須磨・明石への実質追放」の際、惟光は迷いなく運命を共にしました。その献身への褒美として、作者は惟光やその娘(藤典侍)に、破格の出世を与えています。
【系図】光源氏と惟光
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あわわわわ、名札つけ忘れました!
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特典 系図&YouTube
こちら系図、拡大して見たい方のために、PDF置いておきます(商用利用不可)。また、ほぼ同内容をYouTubeでも公開しています。お役立てください。