地元漁師の母ちゃん直伝、ご当地はも料理作ってみた【小豆島島鱧レシピ】
京料理の定番であり、関西ではおなじみの「鱧」。鱧は、江戸時代から続く京都の納涼床や懐石料理には外せない高級魚として知られるが、東京で生まれ育った私にはこれまで馴染みのない魚。生まれて初めて鱧を食べたのは、小豆島へ移住した昨年のこと。
実は、小豆島は、兵庫県や徳島県と並ぶ鱧の産地で、しかも、近年、全国のグルメファンの注目を集めているブランド鱧がある。
そのブランド鱧が、「小豆島 島鱧」だ。
西日本以外で鱧になじみのない理由
少し話は逸れるが、水揚げ量が西日本に集中しているからとはいえ、なぜ鱧は東日本であまり流通されなかったのか。
気になったので調べてみた。
鱧には、小骨を含めて1匹3,500〜3,600本もの骨があるという。一見、全体的なフォルムそのものは、関東でもおなじみの鰻とそう大差ない気がするのだが、下処理として鱧の身に細かい切込みを入れて小骨を切断する「骨切り」と呼ばれる調理法が必要なのだという。
しかも、水揚げされた後、興奮状態の鱧は、鱧同士が鋭い歯で互いを噛み合って絡まり合うという気性の荒さ。
漁師さんや漁協職員さんたちも、口々に言っていた。
「鱧に噛まれたら、即、病院行きだ」と。(苦笑)
取材で底曳き網漁に同行させていただいたこともあるのだが、鱧は、躊躇なく、そして、勢いよく噛みつく。
前述の言葉の通り、鱧を扱う漁業関係者の方はみなさん一度は鱧に噛まれ、病院へ行かれた経験があるらしい。そんな鱧をその昔、新鮮なうちに、かつ、品質を保ったまま東日本へ輸送するのは大変だっただろうなと、東日本での鱧のなじみのなさの理由を想像できる。
さらに、西日本で水揚げされる魚であったことに加え、この「骨切り」という高度な下処理技術を持った職人が関西に集中し、他の地域に骨切りができる人材が少なかったことなどから、東日本ではなかなか広がらなかったらしい。
そういえば今年の年始、一緒に「小豆島七福神めぐり」をした大阪出身の地域おこし協力隊仲間、なるちゃんと鱧の話になった時、「私、鱧は湯引きにするのが一番好きです〜!」と言っていたし、どうやら他の鱧料理にも馴染みがありそうな様子だった。
何より、なるちゃんが湯引きを作ってくれた時の手際のいいこと!
なるほど。大阪っ子は、鱧になじみがあるらしい。
漁師町に住む「浜の母ちゃん」直伝!鱧料理
鱧といえば、シンプルに鱧の風味を味わうことのできる、湯引きが定番!
しかし、漁業関係者の方に伺うと、地魚ブランド「小豆島 島鱧」の漁師町、小豆島北西部の土庄町四海地区のお母さんたちは、定番からオリジナルのアレンジ料理まで、いろいろな鱧レシピをお持ちだという。
そこで今回は、鱧のおいしさを知り尽くした四海漁業協同組合婦人部、通称「浜の母ちゃん」の鱧レシピを特別にお借りして再現してみた。
ご家庭にちょうど骨切りの鱧があるのなら、ご自宅でぜひトライしていただきたい。そして、もし叶うことならぜひ、小豆島 島鱧 でこのレシピに挑戦してみてほしい。
※記事後半に小豆島島鱧®︎の購入先やふるさと納税の情報を追記しているのでチェック!
小豆島島鱧の湯引き
湯引きを作る工程でおもしろさを感じるところといえば、鱧を湯通しする際に皮が縮み、身の部分が白い花が咲いたように広がること。見ているだけで楽しい。また、その湯通しの様子を見せると、子どもたちがその変化にとても喜んでくれるらしい。切って湯通しするだけでほぼ完成!の時短レシピなのに、上品に食卓を彩ってくれる素敵な一品。その上、酒のアテにも最高。湯引き、最強!である。
■レシピ 島鱧の湯引き
【材料】
島鱧(ひと口大に切る)…適量
薬味(みょうが、大葉、すだちなど)…お好みで
A 梅肉、醤油、みりん、酒…各大さじ1
【作り方】
① 沸騰した湯にハモを入れ、くるっと丸まり切り口がきれいに開いたら取り出し、氷水で身を締める。
※身は湯に通しすぎるとパサパサになるので注意。
② ペーパータオルで水気を拭き、薬味と盛付け、Aを合わせ食べる直前にかける。
小豆島島鱧の南蛮漬け
漁師町、土庄町四海地区の食卓に登場するという、大人から子どもまで大人気の南蛮漬け。実はこの南蛮漬け、Web上には公開されていない裏メニューなのだ。甘酸っぱいタレにシャキシャキの野菜を馴染ませた特製の南蛮タレに、カリッと揚がった鱧を漬けたさっぱりメニュー。こちらもメイン料理、おかず、お酒のお供にと、超万能の一品。冷蔵庫で1週間程度保存できるそうなので、作り置きにもピッタリ!
■レシピ 島鱧の南蛮漬け
【材料(4人分)】
島鱧切り身 2パック
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
みりん 200ml
お酢 200ml
砂糖 50g
醤油 50ml
【作り方】
① 玉ねぎを薄切りに、にんじんは千切りに。
② みりん、お酢、砂糖、醤油を混ぜ合わせ南蛮のたれを作り、切った玉ねぎ、にんじんを入れなじませておく。
③ 鱧を一口大に切り、片栗粉をまぶし170℃の油で2~3分揚げる。揚げ過ぎると固くなるので注意する。
④ 揚げた鱧を熱いうちに南蛮のたれに入れ30分ほど漬け込む。
レシピ提供:四海漁業協同組合婦人部「浜の母ちゃん」
小豆島島鱧の棒寿司とお吸い物
一見、「鰻重?」と思ってしまいそうだが、上に乗っているのは、カリッと香ばしく焼いた鱧の蒲焼。レシピの作り方のように巻き巻きして作ってもよし、ご自宅に写真のようなちょっと高級感のあるお弁当箱があれば、敢えて詰めて作ってみるのもよし!ゲストへのおもてなし料理として最適な映えレシピ。
鱧は淡白な味の印象があるけれど、タレと酢飯に負けない味わい。酢飯に挟んだ大葉の香りと共に、鱧の風味が口いっぱいに広がって、個人的にはこちらもお気に入りメニュー。今度、女子会するときは、これ作ろうっと。
■レシピ 島鱧の棒寿司
【材料(1本分)】
島鱧の蒲焼き(ひと口大)…適量
蒲焼のたれ
(A )砂糖、醤油、みりん、酒…各同量
酢飯…160g
大葉…2枚
白ごま…適量
【作り方】
① 蒲焼のたれ、(A)の材料を30分程煮詰め、蒲焼のタレを作る。
② ハモの両面に塩を振り、強火のグリルで皮目からしっかり焼き、身側も焼き火が通ったら、①にくぐらせ弱火にして焼くを2回繰り返す。
③ ラップの上に酢飯の半分と大葉をのせ、その上に残りの酢飯とハモの蒲焼きをのせ、しっかりと巻く。仕上げに蒲焼きのタレをハケなどで塗り、白ごまを散らす。
棒寿司のお供には、あっさりとしたお出汁に鱧の旨味が溶け出した鱧のお吸い物を添えて。こちらも超簡単にできるので、おもてなしにピッタリ!
■レシピ 島鱧のお吸い物
【材料(4人分)】
島鱧の湯引き(ひと口大)…4枚
出汁(昆布出汁またはだしの素)…600mg
淡口醤油、酒、塩…適量
三つ葉、柚子、生麩など…適量
【作り方】
① 出汁に淡口醤油、酒、塩を入れ味を調える。
② 器に具材を盛り付け、出汁を注ぎ入れる。
小豆島島鱧を贅沢に使った「ハモ天」
島内のイベントで販売されると即完売してしまうほどの人気!小豆島ローカルグル「ハモ天(はも天)」。今年のGWに島内イベントで販売されていた際に私も初めていただいたのだけれど、本当に本当にお世辞抜きにおいしい。
小豆島へお越しの際に、タイミングよくどこかで「ハモ天」を見かけたら、迷わずトライしてほしい。
そんな大人気の「ハモ天」。こちらも南蛮漬け同様、特別に秘密のレシピをお借りしてきた。「浜の母ちゃん」のレシピはイベント用の分量だったので、今回は家庭用の分量に調整して再現!冷めてもおいしいハモ天は、お弁当のおかずとしてもおすすめ。お好みの野菜を入れてみてもおいしい。
ちなみに、小豆島で「天ぷら」というと、食材に衣をつけて揚げている「天麩羅」ではなく、練り物を揚げた「さつま揚げ」のことを指していることが多い。そんなローカル豆知識も身についたら、あなたも立派な小豆島っ子!
■レシピ 小豆島島鱧のハモ天
【材料(10枚分)】
島鱧ミンチ 500g
玉ねぎ 1/4個
にんじん 1/4本
塩 大さじ1半
卵 1/4個
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
砂糖 大さじ1半
片栗粉 大さじ1半
【作り方】
① 玉ねぎ、にんじんをみじん切りに。フードプロセッサーにかけるので粗めでOK。
② 島鱧ミンチの水分をしっかり取り、なめらかになるまでフードプロセッサーにかける。
③ なめらかになったら、玉ねぎ、にんじん、塩、卵、みりん、酒、砂糖、片栗粉を入れ混ぜ合わせる。
④ 10等分にし、空気を抜きながら平べったく丸め、170℃~180℃の低温で両面がきつね色になるまで揚げる。
レシピ提供:四海漁業協同組合婦人部「浜の母ちゃん」
伝説の島鱧バーガーを再現
島内のイベントやカフェなどで販売されると瞬く間に売切御免!な伝説の「島鱧バーガー」。ホントにどこでもすぐに完売してしまうこの"幻のバーガー"を、カツをボリューミーにした豪華バージョンで再現。
おそらくこれまでの島鱧バーガーの中で一番カツがぶ厚いはず!と自負している。
手間はかかるけれど超絶おいしいので、これは休日にトライしていただく価値ありだとイチオシしたい。おいしすぎて、スタッフ一同、感動の嵐だった。写真見るだけでまた食べたい!!!
■レシピ 島鱧バーガー
【材料(4個分)】
バンズ 4個
島鱧ミンチ 400g
玉ねぎ 1/4個
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1半
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
水 大さじ1半
片栗粉 大さじ1半
卵 1/4個
キャベツ 適量
レタス 適量
粒マスタード 適量
タルタルソース 適量
とんかつソース 適量
ケッチャプ 適量
小麦粉 適量
卵 適量
パン粉 適量
サラダ油(揚げ用) 適量
【作り方】
① 島鱧ミンチに、砂糖、塩、みりん、酒、水、片栗粉、卵を入れよく混ぜ合わせる。混ざったらみじん切りにした玉ねぎを入れフードプロセッサーで粘りが出るまで混ぜる。
② 4等分に分け、小麦粉、卵、パン粉の順につけ170℃の油で4~5分揚げる。
③ バンズの下の部分にレタス、キャベツ、タルタルソースの順に乗せ、粒マスタード、とんかつソース、ケッチャプを混ぜ合わせたソースを塗った鱧カツを乗せ、上の部分のバンズで挟んで出来上がり。
小豆島島鱧はこちらでどうぞ!
最後、記事広告感が否めない締めだが(笑)、私が実際にいただいてどれも心底おいしいと思ったので、小豆島島鱧、自信を持っておすすめしたい。まだ食べたことのない方にはぜひ一度、トライしてほしい。
■ 小豆島 島鱧のご注文・お問合せ
ちなみに、ふるさと納税返礼品としても選べるとのことなので、ぜひぜひこちらもチェックを!
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