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14冊分の読書記録(2024年7月〜10月)

この4ヶ月は以前より本をじっくり読む時間を取れず、不完全燃焼のような思いを抱えているが、隙間時間に読んだ本をまとめていく。
(★は"また読みたいか"を独断と偏見により記したものですので、お気になさらず。)

「いただきます」の人類史: ヒトの誕生から生活習慣病の現代まで:蒼井倫子

★★★☆☆
食生活を振り返る機会にしようと思い、図書館でふと手に取った。祖先がどんな生活を送ってきたのか(農耕or狩猟、主食がお米or小麦)によって、体に組み込まれる消化酵素が異なり、故に消化が得意な食べ物が人種によって異なることを知った。(例えば海苔は日本人だけが消化できるとか)
現時点の結論としてはなんとも安易だが、質素な日本食が1番体に良さそう。

棚からつぶ貝:イモトアヤコ

★★★★☆
イモトの周りの人、ものがテーマになったエッセイ。特にイモトと色んな人の関係性が素敵だった。

いとうあさこ「イモト、それは順調に歳を重ねている証拠だよ。花鳥風月という言葉があるだろう。人は花を見て鳥のさえずりを聞いて、風感じて最後月見て死んでいくんだ」

必ずわかる! 「○○(マルマル)主義」事典:吉岡 友治

★★☆☆☆
教養の教科書の巻末に「文化について知るなら次はこの本!」と紹介されていたので、手に取った一冊だったがあまり内容を現実世界と繋げられなかった。こういう本は強力な目的があって初めて読む気になると思った。

よかん日和:イモトアヤコ

★★★★☆
棚からつぶ貝を読んで、彼女の視点で語られる人やものや日常が穏やかで優しかったので、次なるエッセイを読みたくて手に取った。クスッと笑えたり、じんわり暖かかったり、心の温度が感じられる素敵なエッセイだった。

「違うこと」をしないこと:吉本ばなな

★★★☆☆
直感とか心で感じる違和感とか肌で感じることとか、そういう論理や言葉で表せられないようなものを大切に生きていいんだなと再確認できた本。

千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話:済東鉄腸

★★★★☆
この作者の方は自分のことを引きこもりでいわゆる社会不適合のように表現しているが、有り余る好奇心と行動力と言葉への鋭い感性でインターネットを駆使して自分の可能性を広げて好奇心を満たしていく姿がかっこいい。言語習得のロールモデルの1人。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬:若林正恭

★★★★☆
オードリー若林が出していく等身大の結論が好きな方にはめちゃくちゃおすすめの一冊。

「東京という灰色の街になぜ住むのか。
それは血の通った人たちが住んでいるからだ。
キューバになぜ行ったのか?それは東京という灰色の街に色を与えるためだ。」
「明日も、まだ行ったことがないところへ行ける。」

君のクイズ:小川 哲

★★★☆☆
この本を読むとき、私は主人公の三島が「0秒押しを本庄はなぜすることができたのか?」というクイズを解いている中で、クイズを解く者に対する幻想を抱いていた。だから最後、本庄の思惑にまんまと引っかかったのだと思う。伊坂幸太郎の本でもよく登場する、「物事の全体像を捉えてみて、初めて真実がわかんだよ」という哲学のように、物事の真実は自分が思っているものと違うことなんて往々にあるよなと再確認させられた。
けれど、君のクイズでは本庄の0秒押しのクイズに間違えたので、次このようなクイズが出てきた時はこの経験をへて正解に近づけると思う。

いのちの車窓から:星野源

★★★★☆
最近、毎週星野源のオールナイトニッポンを朝の電車で聴くのが日課ならぬ週課なので、彼の考えや紡ぐ言葉を知れてとても嬉しかった。

限りなく透明に近いブルー:村上龍

★★★☆☆
とんでもない作品を読んでしまった。ドラッグ、性、酒、暴力に塗れた白昼夢を、リュウと一つ一に傷つきながら読んだ。永遠に終われない悪夢を見ているようだった。

君が夏を走らせる:瀬尾まいこ

★★★☆☆
「何にも頑張れていない自分」に燻り、自身の未来に諦めを持つ大田の心に、純粋無垢な1歳10ヶ月の鈴香の気持ちが沁みて、色々と頑張ってみようと前向きになっていく姿に胸を打たれる。だからといってすごく感動するというよりは、鈴香の日々の成長に心洗われてほっこりするような作品。

水中の哲学者たち:永井玲衣

★★★★★
日常の中であれやこれやと、時に答えがない(答えが無数にある)問いを考え続けることもあり、「無駄な時間なのかな」と後ろを向いてしまう時もあるが、永井さんのエッセイを読むと考えた先にこんな自然体な結論を出していけるのかと希望を持てる。哲学を身近に感じられるのでそこも好き。

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込:若林正恭

★★★★★
ナナメの夕暮れを読んでからこっちを読んだ。
若林の、彼なりの答えの出し方とか腑の落とし方が好きだ。

日本力:松岡正剛, エバレット・ブラウン

★★★★☆
自分なりのルーツを持ち、その上に色々な経験を積み上げていきたいなと思えた。より日本のこと、自分の身の回りのことを知っていきたいと思った一冊。

さいごに

この4ヶ月は「たくさんエッセイを読みたい!」という年始の願望を叶えることができた期間であり、それと同時に「消化が良い食べ物ばかり食べていると顎が弱くなるように、たまには読んだ時に達成感を味わえるような読み応えのある本(特に小説)を読んだ方が自分によってのバランスが保たれるな」と気づいた期間だった。

また、別のnoteで記すつもりですが11月からの1年半は別のことに集中するために本を読む機会が減ると思うので、また2年後くらいにぶっくめもを再開させようと思います。

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