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愛するということ / エーリッヒ・フロム

「じゅんじゅんの読書記録」というシリーズを始めます。
僕が読んだ本の紹介と、本を読んで考えたことを記録していきます。

第一回は、エーリッヒ・フロム著、「愛するということ」という本です!

この本は、僕が入っている「読書部」というコミュニティの課題図書になっていた本です。
読書部でのシェア会が4月にあったのですが、その時は半分も読めておらず、先日ようやく読み終わることができました。

愛するとはどういうことか?より人を愛するためには?
ということについて考察されている本です。
哲学的な本でした。



本の内容まとめ

まず筆者は、愛とは「対象」の問題ではなく、「能力」「技術」の問題だと述べます。
つまり、誰か愛したい人が現れたから愛する、というものではなく、自分自身が愛する能力や技術を持っているかどうかが問われるというのです。

そして、世の中では「愛される」ことにフォーカスが当てられがちであり、
「愛とは何よりも与えることであり、もらうことではない」と述べています。

次に、「愛することができるかどうかは、その人の性格がどの程度発達しているかによる」と述べたうえで、愛の能動的性質として4つの要素を挙げています。

・配慮…愛する者の生命と成長を積極的に気にかけること
・責任…他の人間が何かを求めてきたときに、応じられる、応じる用意があること(相手が表明しない欲求も含む)
・尊敬…人間のありのままの姿を見て、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のこと
・知(理解)…その人のことを知ること

その次に、「一人の人を本当に愛するとは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛すること、自分自身を愛すること」と述べたうえで、愛の5つの種類について解説しています。

・兄弟愛…人類全体に対する愛。もっとも基本的な愛。
・母性愛…子どもの生命に対する無条件の肯定。無条件の愛
・異性愛…他の人間と完全に融合したい、一つになりたいという強い願望。
・自己愛…自分自身を愛すること
・神への愛

そして、愛の技術を高めていくために必要なことを挙げています。

・規律、集中、忍耐、技術の習得に最高の関心を抱くこと
・謙虚さ、客観性、理性
・能動性(自分の力を生産的に用いること)

最後に、現代の資本主義では、愛は二の次とされていることを述べたうえで、
愛することと社会的生活が、一体化するような社会を作り上げなければならないと述べています。


人格を磨こう、自分の人生を生きよう

愛するとは、対象の問題ではなく、自分自身の能力・技術の問題。
では、それを高めるにはどうすればよいのか?

僕は、この本を読んで、
人として自立し、自分自身の人格を磨くこと、
だと思いました。

それは、ここまで到達すればOKというものではなく、ずっと磨き続けていくものだと思います。

人は、いろいろな経験すべてから学び、成長していきます。
なので、その人の経験したすべてのことが、愛するということにつながっているのではないでしょうか。
もちろん、片手間に行うものではないでしょう。

いろいろな失敗や経験から学んだり、人から聞いたり本を読んだり動画を見たりして学んだり、
そういったことが、愛する技術を高めることになり、より深く人を愛することができるようになると思います。

平原綾香さんの「Jupiter」という曲の歌詞で、僕が特に好きな箇所があります。

愛を学ぶために 孤独があるなら
意味のないことなど 起こりはしない

そんな中で、私たちが心掛けるべきことは、自分の人生を生きる、ということではないかと、僕は考えています。

自分の人生を生きることで、充実して、愛を感じて生きることができると思います。
自分の人生を生きている人は、他人にも優しくなれるし、実際にそういった行動が取れると思います。

自分の人生を生きる、というのは、結果や目に見えていることじゃなく、
その人自身の気持ちの話かなと思います。

だから、やりたいことをやりましょう。好きなことをしましょう。
他人に評価されることや、お金になることじゃなくていいから、
自分が本当にやりたいことをやりましょう。

そんな人生の中で、いろいろな経験をして、自分の人格を磨き、愛する技術を高めていきたいと、僕は思います。


愛されていると感じられることも大事

本の中では強く主張されてはいませんが、愛するためには、自分は愛されていると感じられることも必要なのではないかと、僕は考えています。

「自分は愛されない」という不安を持ったまま、誰かを心から愛することはできるのか?と思います。

本の中で、幼い子どもは母親からの無条件の愛を受ける、と述べられていますが、
母親に愛されなくても、どこかのタイミングで誰かの無条件の愛が受けられたら満たされるのかも?と思ったりします。
逆に、母親に愛されて育っても、どこかのタイミングで人間関係に深く傷ついたら、やはり誰かの無条件の愛が必要になるのかも?とも思います。

無条件の愛を受けるには?ということに関しては、運とか縁の話になってくると思うので、どうしたらいいかは分かりません。

でも、自分を大切に感じる、自分を愛せるようになるといいのかなと思います。
「自分は生きてるだけで素晴らしい」って思えたらいいかもしれません。
(愛の種類の中の、「自己愛」ですね)

自分の周りの身近な愛情表現にアンテナを立ててみるのもいいかもしれません。
日々の暮らしの中で、見つけた愛情表現をノートに書き留めていくのもいいかも、と思います。

以前のnoteにも書いた、僕の友人の言葉を紹介します。

まずは自分から好きになる、応援する。
一人で頑張ってると感じるときや、孤独を感じたときこそ、
誰かの応援できてるかな、と振り返ってみる。

誰かの応援をしてみる、誰かの役に立ちたいという気持ちを持てると、日々の暮らしに充実感が出てきますし、
自分を好きになる、自分を応援できる、ということにもつながってくると思います。

そんなふうに、「自分は愛されている」ことを実感できて、
「愛される」→「愛する」→「愛される」→「愛する」→…
という循環の中で生きられたらいいなと思います。
「愛される」と「愛する」の順番は関係なくて、どちらが先でもいいと思います。

愛されている、愛している、と実感できることで、人生を切り開く力も発揮できるのかなって思ったりもします。


人生の目的、成功とは?

ここで、人生の目的ということを考えたいと思います。

人生の目的は人それぞれ異なると思うのですが、
僕自身は、魂を磨くこと、愛を育むこと、愛の修練を積むこと、だと思っています。

そして、成功とは、お金や社会的成功よりも、人格の向上こそが成功では?と思います。

だから、自分自身を正直に見つめ、逃げずに一歩一歩進んでいくことが大切だと思いますし、心掛けたいと思っています。



少し長くなりましたが、本の内容と、そこから僕が考えたことを書いてきました。

この本が最初に出版されたのが1956年、つまり60年以上前です。
なので、本が書かれた時代背景がかなり昔であることを頭に入れて、読んだ方がいいかなと思います。
また、哲学的な内容で、読むのに時間がかかります。

でもこの本を読むことで、すごく勉強になり、自分自身も成長できたかなと思います。
よかったら皆さんも読んでみてください。


読んでくださり、ありがとうございます!!

Photo by Steve Halama on Unsplash


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