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(感想)こうして舞台はつくられる

(以下、筆者Xより転記)

『公開ケイコ!』鑑賞。台本ができているところから(台本はネット上にて公開されていて観客も読んで来られる)、読み合わせ→稽古→調整→本番までを観客を入れて行ってしまう公演。という企画がもう興味深く、実際に観てもとても面白かった。

演出家と俳優にとっては稽古でありつつ本番になるわけで、観客の目がある場所で素を見せることにもなる。これは、普段の芝居作りでもいかに気を抜いていないか、ということの証明になるのだと思う。

観客は成果物しか観られないから、それができあがる過程を観られる機会は貴重だ。ということで、素直に、そういうふうにやりとりして進めるんだと思いながら観ていた。演出の松崎さんの、俳優の表現をいったん受け止めて、さらにアイデアを加えるような演出に感心した。

俳優側からも疑問点が挙げられ、セリフや立ち位置などが変わったりなどもする。それに対応する俳優陣の飲み込みの速さにも感心。それぞれの表現(松崎さんはプランと言っていたような気がする)を活かして、さらに磨いていくような。

調整の間に照明や音響プランが決まり、スタッフの対応力も流石である。調整中は楽屋の映像を中継したりもしていて、そういう映像周りのことも、配信など今では当たり前とはいえ、大変なことをしているんだなあ、といまさらながら思う。

観客が稽古の内容を知っている状態での本番は相当緊張するのではないだろうか。観客側としても少し緊張してしまった。だが、本番は本番でアドリブや、調整中に決めてきたであろうこともあり、楽しめた。

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