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運動エネルギーの無駄遣い

明日は、図書館から借りた本の返却日だ。返す本は6冊。
1冊も読了できていない。

貸与期間は2週間なのだが、予約が入っていなければ、さらに2週間延長することができる。もちろん、延長している。つまりは1カ月間、本は私の手元にあったことになる。

図書館からわざわざ借りてきたのに読めないまま、また図書館に返しに行く。これは無駄に運動エネルギーを発生させているだけではないのか?

そう思うと、自分がふがいない。もちろん、読もうと思って借りてきたわけだから、読めなかったのは悔しい。読みたかった。

ただもうこれは、とてつもない遅読の性質を持つ私として、どうしようもない。また、やるべきことを優先して行っている間は、落ち着いて読書ができないものだから、余計に困るのであるが。

無理やりプラスに捉えるならば、図書館で「読みたい」と思える本に出会えたということ、それは大変な幸福であると思うのだ。同じ図書館に行っても、タイミングなどによって、「今日は全然ぴんとこない」と思ってしまう場合もある。1冊も借りずに、どことなく残念な思いを抱いて図書館を後にするよりは、いい感じの本を持って、わくわくしながら帰路に着けるほうがいいではないか。

出会いというのは嬉しい。例え、少し会話をするだけであっても、それが快いものであれば、その瞬間は喜ばしいものになる。そんなような本との出会いも、あってもいいのではないか。

本を返しにいって、また読めもしないのに本を借りてくるかもしれない。それでもいいし、そうでなくてもいい。それくらいのぼんやりした意識で、私はこれからも図書館に行くと思う。

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大場さやか
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