「思い込み」から抜け出せない
一つの思い込みにとらわれると
抜け出せなくなることがある。
思い込みは長い年月をかけて
蓄積されて、それが真実だったかのように
心の中を占領していく。
心を支配されると
ポジティブな感情は持ちにくくなる。
そんな負の連鎖を解く瞬間に
立ち合うことができた。
会社の中で重要なポジョンに就き
本来なら羨ましがられる存在なのに
苦しい心から抜け出せないAさんと
向かい合う時間をもらった。
Aさんは、会社の中で「肩書」がつき
プレーヤーとして自分の売上だけを
上げることを目標としていた時は
仕事が楽しかったのに
立場が変わり、新しく
マネジメントの力が必要となり
チームの力を上げていく能力を
学ばなくてはならない状況になり
自分に「肩書」がついたら
仕事が楽しくなくなった。
プレーヤーとマネージャの
二つの自分がバランスを崩している。
奥園:役職がある立場になって
何で、仕事が楽しくなくなったんだろう?
Aさん:誰からも誉められないし
誰からも評価されない
よろこびがない。
奥園:誰かから誉められたくて仕事をしてる?
誰かから評価されたくて仕事してる?
Aさん:承認欲求が強いって
自分が若い時に上司から言われたことあるから
承認欲求が強い方だと思うんです。
— 質問を変えてみる。
Aさんは、何をしている時に幸せと感じるか?と
質問すると、
自分一人で出来ることや
自分で自分が、がんばっていることを
やり続けている自分に対して
自分でモチベーションを上げていくタイプだと
話してくれた。
つじつまが合わない。
「幸せと感じること」を聴くと
自分で自分の承認を満たすタイプのはずなのに
役割が変わると周りからの評価や
周りからの承認が欲しいと思っているタイプだと
自分のことを思い込んでいる。
Aさんが、昔、ある人から言われた言葉
「承認欲求が強いタイプ」って
言われたことが心に残っていて
それは、ただ、その一人の人が言った言葉なのに
自分は周りあら与えてもらう
承認欲求が強いタイプだと思い込んでいる。
その思い込みによって
Aさんに「役職」がついたら
承認欲求が満たされなくなり
だから、仕事が楽しくなくなったと
思い込んでいる。
この思い込み=非論理的信念を解こうと思う。
奥園:「自分で自分を承認するために
今の役職で、自分が納得できていないことは
何なんだろう?」
Aさん:「チームの数字が上がっていないこと」
奥園:「そうだよね・・・」
人からの評価で満たされるタイプではなく
自分で自分の頑張りを認めて進む
内向型のはずなのに
どうして外からの承認を受けようと
考えたのか?
もともとAさんは「人からもらう承認」で
承認欲求が満たされないのだから
もらっていたとしても
受け取れない可能性が高いと思う。
自分で自分のチームの成績表
(月末の売上や実績)を観て
一人で一喜一憂するタイプのはずなのに
他者が「Aさんよく頑張ったね」と言ってくれても
誉め言葉と取らない人が
自分のフィルターに引っかかる
承認欲求が得られるわけがない。
Aさん自身に
そのフィルターがないことを知らず
心に入ってこないものを
「欲しい」と嘆いていて、
仕事が楽しくなるわけがない。
Aさんは、自分で役職を全うし、
チームの成績を上げ
自分で自分に乾杯すればいい。
自分で自分の承認欲求を満たしてあげればいい。
Aさん「そうだ、自分ってそういうタイプだったのに
どうして、今まで苦しんでいたんだろう?」
Aさんは、気づく。
「誉められない・評価されないから
自分は今の状況が楽しくない」は
自分の思い込みだった。
思い込みって強い力を持っている。
特に自分が自分にかけた言葉や
自分で自分にかけてしまった
マインドコントロールはなかなか
自分の力で解くことが難しい。
もともともらえるはずのないもの
受け取れるはずのないものを
もらいたい、もらいたい、と願って
待っていたとするならば
それは、とても無駄な時間だったかもしれない。
でもその時間があったから
自分の承認欲求の満たし方を学ぶことができた。
Aさんは、環境も風景も職場も何も変わっていない。
でも、自分の思い込みを解いてあげたら
180度見える景色が変わった。
自分の心の力で。
自分の「気づき」の力で。
自分が自分にかけている呪縛から
解放してあげることで
新しい信念が生まれた。
これからは、自分で自分を承認するために
成果を出す。
成果を出すために何をすればいいかを
考える。
「気づき」から「考え」と「行動」が決まった。
Aさんは「好きで得意なこと」を
仕事にできていることは
本当に幸せ。
自分が成果を出すために何をしたらいいか?を
考えるだけで
自分の「登る山」が分かった。
登る山が分かったなら
今の役職を全うしながら
「楽しい」を見つけることができるはず。
「楽しくない」って思っていたのは
自分で自分の心を追い込んでいた
ただの思い込みだったから。