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支えてもらってもいいですか?

「支えてもらってもいいですか?」

とても大切なクライエントさんから
こんな言葉をもらえた。

その方(Aさん)は、
とても苦しい職場環境の中にいて
今、出勤できなくなっている。

共に歩んできた仲間も心配し
家族もとても心を痛めている。

Aさんが一人で抱えてきたものが
少しずつ、少しずつ心に溜まっていき

自己コントロールができなくなった状態で
「でも、頑張らなきゃ!」と奮い立たせたことで

ある日、ポキッと何かが折れた。

ポキッと折れる二日前に
Aさんと私は、電話で話していたのに

Aさんの折れそうな心に気づくことができず
決定的なことがその二日後に起きた。


私は、その電話で
Aさんの心の状態に、
なんで気づけなかったんだろう。

どうして
励ますような話の聴き方をしたんだろう?

どこが
折れるポイントだったんだろう?

電話でAさんの話を聴いたから

”顔が見えない・表情が見えない”
そんな状態で聴いたから
私自身が感じ取れる情報が少なくて

Aさんの心の機微や
その時のAさんの心理状態を
読み取ることができなかったんだ、と

大切なタイミングを
限られた時間の中で
どうにかしようとする自分の甘さが

大切なポイントを外したんだ、と
その日のことを何度も考え後悔した。


Aさんの食事も摂れない
睡眠もうまく取れない
日常生活すらしっかり送れなくなっている状態に

体調を案じることしかできず
長い時間が流れていた。


多大なるストレスに対して向き合うために
中途半端なことをすることが
一番、良くないと、私自身の中の信念として
常に思っているので

ストレスとの向き合い方・・・
この目の前のストレスに対して
「戦う」か「逃げる」か?

Aさんと私は、今までこのストレスに対し
「戦う」選択をし続けてきた。
「戦う」ためのサポートをしてきた。

でも、戦えない状態にまで
追い込まれている以上
今回は「逃げる」選択に変える必要があると

サポート方法を私は変えるつもりでいた。

現段階として「休む」
心の充電をする
自分のことを大切に思っている人がいることを知る
自己肯定感を上げ自分を大切にする
自分を支えてくれる人がいる
待っていてくれる人がいる

伝えられる方法で
あなたはかけがえのない存在であること
Aさんに伝えていきたいと思った。

生きている意味があることを
ただ、そこに存在しているだけで
あなたはかけがえがないことを

どうやって伝えていけるのか?

その先の課題をどう乗り越えるか?
私の中での方向性としては
環境=変えたほうがいい。

職場で仕事をすることより
どんな形になってもいいから

「当たり前の毎日を生きる」方法を考え
休職明けは、ストレスを受ける
今までの環境に戻るのではなく

「職場」を変えてもいいし
「職種」を変えてもいいし
何を変えてもいいから
自分を取り戻すことをすればいいと思った。

Aさんの心が落ち着いて
少し、未来を観れるようになったら
明日のことを考えられるようになったら

「あの場所」へ戻ることはやめようと
伝えようかと私自身、思い始めていた。

日々の業務の中で打ち合わせや
カウンセリングの合間にも、ふと、
Aさんが今、この瞬間どうしているか?が
心をよぎる。

心がざわついている…
胸騒ぎがするような気がする…

マイナスをイメージしてはいけないと
言い聞かせながらも
この自分の中の気持ちは
気になっているからなのか?
直観なのか?

頭をぐるぐるしている
一つの言葉・・・

「どうして、気づけなかったんだろう」

もっと早い段階でのサインは
何だったんだろう。

日々の時間に追われ
私は、どこかで余裕をなくしていないか?
大切な人のサインを見落としたのではないか?

そんなことを
ぐるぐる考えていたら・・・

Aさんから連絡がある

➺** 声が違う**

電話の声がイキイキしている。
第一声の声色が違う。
声に力があり
声に活力がある。

電話なのに
電話の向こう側で
顔を下に向けず真っすぐ前を見て
話していることが見える。

目に力があるであろう
表情が明確に見える。

Aさんは、自分と向かい合った時間の中
「こたえ」が出たから電話をくださった。

Aさんは、大切に話し始める。

「『逃げない』って決めた。

  元の職場に戻る

「待っていてくれる人
支えてくれる人がいるから戻る。

厳しい環境に戻ることはわかってる。
ストレスがあることもわかってる。
大変なこともわかってる。

でも、自分の子どもに
何かあったとき、逃げないことを教えられる
親でありたいから、『逃げない』です」

「休んで子どもとの時間を過ごして
大切な人もわかって
何が大切かもわかったので
逃げないことに決めました」

「だから、もう一度
今まで通り支えてもらってもいいですか?」

と、私に伝えてくださった。

感動する。

電話で感動している
私の感情がAさんに伝わったと思うほど
感動する。

私は、自分の無力さを憂いている場合じゃない。
本当に、人は自分でこたえを出す力を持っている。
必ず、持ってる。

私にできることは
信じて待つことと
疑わず、待つことだった。

「逃げない」って決め
もう一度、走るから
そこを伴走してもらえないか?
って、言われたこと

素晴らしすぎる。
本当に最高に嬉しい。

どこまでも、支え続けたい。

Aさんを支えることは
同時に、Aさんの周りにいる大切な人を
支えることにもつながる。

Aさんの笑顔が守られることは
同時に、Aさんの周りの笑顔も守られる。

大事な人生の節目や決断の時に
となりにいられること
そして「もう一度、支えてもらえますか?」と
伝えてくださったこと。

絶対に忘れたくない。
だから、このnoteに記録しようと思った。

クライエントさんに教えられることばかりだ。

「こたえ」は、その人の中にある。

セミナーでの講師として
何度も教えている言葉。

「こたえ」は、本人の中にある

原理原則、基礎、基本なのに
心が定まっていないと
私自身もブレる。

教えられることばかりだな~と
幸せをかみしめる。。。

もう一度、支えられるチャンスを
与えてもらったのだから  

見つけた「こたえ」決断を
全身全霊で、支えたいと思う。






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