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「ドルチェ&ガッパーナのその香水」って、どの香水?

「フレーバーテキスト」なる言葉を初めて知った。
カードゲームのカードの下の方に書かれている文章をそう呼ぶらしい。

ゲームの進行そのものには関係しない、もっぱら雰囲気づくりのために用意されているような文章のことである。
フレーバーテキストはいわばカードゲームの世界への没入感や思い入れを高めるための一役買っている。

Webio国語辞典


英語にはめっぽう弱いので、改めて「フレーバー」の意味を調べてみる。
(弱すぎにも程がある)

食べ物を口に入れたときに感じられる香りや風味、味わいのこと

コトバンク

なるほど。

つまり、"味わうための文章"というような意味合いなのか?


文章で五感を楽しませるにはどうしたらいいかとただいま絶賛考えあぐねている。

イラストレーターなんだからビジュアルを使えばいいのかもしれない。いやでも、言葉で伝わったら強いんだよなぁと思っている自分がいる。

ビジュアルよりも言葉の方が、ひとりひとりの想像をより働かせて、脳みそがあっちこっち動いて、よりその人ならではの経験や想いに寄り添った形で伝わる気がしている。

即座に伝わるのがビジュアルのいいところだけど、自分自身の考えを巡らせたい、届ける人の想像力に身を委ねたいというとき、私は主に言葉を使っている。

つまりは届ける人を信頼しているときに言葉を使う。
ビジュアルは、どちらかというと、誤解を招きたくない時に認識をすり合わせたくて使っている節がある。

それと同時に、どれだけ自分ごととして引き寄せてもらって、その人の心と脳みそにお邪魔できる時間を増やせるかがとても重要な気がしている。うううん。


ビジュアルが物事をダイレクトに直感的に伝えるものだとしたら、言葉はとても寛容なものだ。

たとえば、「美味しい」という言葉一つとっても、甘いのかしょっぱいのか辛いのかはそれだけではわからないし、美味しさはその人の感覚に依存する。
絵で、ケーキだの、ラーメンだの、カレーだのを描けば、大体その「美味しさ」は個々人でも統一される。

絵は何よりも自由だと思っていたけど、ことばだって自由なんだと最近気づいた次第。
だから、やっぱり使い方、伝え方には十分注意しなきゃいけないなと身が引き締まる想い。


さて、話が大きく逸れた!!

文章とビジュアルだけで、どう五感を刺激していくか。
何よりも、自分ごととして引き寄せて感じ取ってもらえたらそれは「届いている」と言えるんじゃなかろうか。
それを考えた時に、香水などの「香りもの」に添えられている説明文は素晴らしいなぁと思う。これも言うなればフレーバーテキスト?


何年か前に流行った「ドルチェ&ガッパーナのその香水のせいだよ〜」という歌。

香水には詳しくないけど、私はその歌詞から、たくさんの種類があるであろう中でこれを思い出した。


なぜかっていうと、高校の時初めてお付き合いした年上の恋人がこれを愛用していたから・・・!!

学生時代って香水に凝る時期通りませんか?あの青いハートの形のライオンハート、フェラガモのインカントチャームとか。くぅぅっ!

よくわかんないけど、その恋人が唐突に香水をプレゼントしてくれて、ちょっと大人になった気分になったりしてた。今思えば、香水プレゼントするって結構なチャレンジャーだし、あそこから束縛は始まってたんだな・・・(遠い目)

時はすぎ、実は夫も結婚後一時期香水にハマり(一瞬の出来事)、これを使っていた時期があった。アラサーにとっての青春の香りなのかな。

あの香り。思い出そうとしても難しいけど、どこかで香ったら絶対走馬灯のように上記の思い出たちが蘇る。香りは記憶と根強いっていうし。


みなさんはいかがですか?
ドルチェ&ガッパーナのその香水、どの香水でした?


そして、本題はこちらの説明文。

太陽がさんさんと降り注ぐ日中と想い出に残る忘れられない夜を表現した、フルーティフローラル調の香り。
「Light Blue」は、(ギリシャ神話に登場する)セイレーンのようにどんな人々の心をも虜にするフレグランスです。抗いがたい、女性らしい魅力をもたらします。
人生の逸楽と魅惑が凝縮されたエッセンス。センシュアルな地中海式ライフスタイルへの回帰を称揚します。
力強いデザインのボトルは、しっかりとした自己主張をもちながらもあくまでもフェミニンな、芯の強い現代の女性像を反映しています。

公式商品説明より


・・・つまり????って思いません?

おそらく日本語訳されているであろうものだからより「???」となるんだろうけど。ギリシャ神話とかに詳しい博識な方には想像がつくのかな?

でも、なんとなく「いい香りなのかな?」と思うし、なんとなく「これがあれば芯のある魅力的な女性になれそうだな」と思う。香りは感じらていないのに。


きっとそれこそまさに「フレーバーテキスト」ではなかろうか・・・!
その情景を世界観をじっくりと味わえる文章。

頭では理解できない「なんとなく」を感じさせた時こそ、五感に訴えかけられている証拠なのかも・・・?


言葉って豊かだなぁ〜。


ブランドコンセプトや「どう届けるか?」みたいなところを1日中考えていたら、そんなことを思ったのでここに記録しておく。

果てしない私の思考の旅はこれからもつづく・・・💌


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