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私は教師になりとても悩んでいた。

私は教師になり悩んでいた。

その悩みは、教員として働き始めたその日から、少しずつ膨らんでいった。

しかし、働き始めた当初は、社会人としての日々に慣れないが故に、私は悩んでいるのだと感じていた。だから、まずは仕事に慣れることや、授業をしっかりとできるようになること、子供たちを理解することに努めようと思った。

でも、私の悩みは消えることはなかった。

私は、このモヤモヤとした悩みを誰にも相談できずに心に秘め続けていた。そんな悩みを打ち明けられた場は、私の書いていた日記のみであった。

教師としての私が悩んでいたこと

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教師を辞して数年後の今、当時の日記を読みかえしてみると、私はその頃の気持ちと様子を鮮明に思い返す。文章から浮き上がってくる、その悩みは「教師」である自分自身の立場と、生徒との関係に関するものが多く記されてあるように感じる。

私は、教師として採用され、学校現場に着任した当初から、ずっと自分が「先生」と呼ばれる立場に違和感を感じていた。

先生と呼ばれれば、呼ばれるほど、私は立派な存在でも何でもない自分が不甲斐なく感じていた。

私は、全くできた人間でもないのに、教師としての立場になったが故、私の言葉一つで、30人の子ども達が一気に動くという状況に、違和感を感じていたのだ。「先生」という立場を得たゆえに、子ども達に指示を出す権力を与えられたような感覚だった。

その感覚は、きっと、教師として働いていくことで、薄らいでいくような気もしたが、それは幻想であった。私の期待とは裏腹に、この違和感が薄らぐことは、一切なかった。

・どうして、子供たちは私の指示を待つのだろう。
・どうして、私は彼らに指示を出す責務があるのであろう。
・私は人に指示を出せるほどできた人間でもないのに・・・。

そんな、教師として有るまじき思いが、私の頭の中で駆け巡る日々であった。

私は強い責任を感じていた

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いつの頃からか私は、自分は教師に向いていないのではないか?と感じるようになっていた。それは、いつになっても、自分が教師であることや、「教師ー生徒」という関係性に違和感を持っていたからかもしれない。

この私の思いは、子ども達を強く思う熱い先生と違って、私自身の緩やかな指導へと反映されていた。それはきっと、私自身が「先生ー生徒」としての関係ではなく、生徒と人と人の関係を築くことを望んでいたからなんだと思う。

もちろんそれを好む生徒もいたことは確かなのだが、私の「教師」としての幻想には、情熱的に子ども達を牽引するパワーのある人がなるべきだというイメージが根付いており、その幻想から乖離している自分自身の姿に落ち込むことがあった。

だからこそ、私はどうすれば、そういう気持ちが湧き出てくるものか、悩んでいた。でも、やっぱり、考えても分からなかった。

どのように努力をしても、私には、「教師と生徒」という関係よりも、「人と人」との関係でしか、子どもを見ることができず、私の中に存在する「教師像」に近づこうとすればするほど、自分自身が無理しているようにも感じてしまった。

そして、考えれば考えるほど、いつしか、私は教師失格だな〜と思うようになっていた。私以上に教員としての資質のある先生は多いし、そういった人が教育活動にあたって欲しいなと心から願うようになっていった。

私は教育活動が嫌いなのか?

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そんな風に述べていると、私は「教師として」の教育活動が苦手で、教育が嫌いな人間のように思われてしまうかもしれない。

でも、私は教育が好きだ。

生徒と話しているのことも好きで、授業をしているのも好きだった。

何と言っても、一生懸命に頑張って、その努力が実り喜んでいる姿を見るのは大好きなのである。

つまり、私は子どもであろうと、大人であろうと、勉強という試練に望んでいる人々を支える教師という仕事に、人一倍魅力を感じていると思うのだ。

なのに、私は人一倍、教師としての責任の重さを感じ、どうしても、自分の現状と教師像の幻想の差に日々悩んでしまっていたのだ。

そんな私は、今、教育社会学を学んでいる。

そして、きっとこの学問を追求していくことこそが、私のライフワークとなるのかもしれない。

教育が好きで、授業が好きで、子ども達の成長を一番近くで見守ることができる教師としての職を魅力に感じている私が、どうして、あれほどまでに悩み、教育者として失格であると思ってしまったのか?

その悩みの本質を、教育社会学という学問を深めながら、これからも向き合っていきたいと思っている。

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