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1年間のGap Yearの振り返り:「少しは休んでもいいんだよ。」

日本ではあまり聞きなれないGap Yearという言葉。
みなさんは聞いたことがあるだろうか?

海外でGap Yearといえば、学生が大学を卒業した後、社会人になる前の期間をインターンシップや長期の旅行をして過ごすのだが、私は不本意にもこのGap Yearを取得することになってしまった。

そして、その期間をブログと家族と共に過ごすといった時間の使い方をした。

そんな1年は、私の人生を大きく変え、私が大切にすべきことを考える時間ともなった。

ロンドン大学大学院在学中の私

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ロンドン大学大学院に入学する前の私は、卒業後、1年間のGap Yearを取得する計画は一切なかった。

できれば、修士課程を修了したあとは、まっすぐ博士課程に進学したいと思い日々努力をしていた。

その理由は・・・

自分の年齢履歴書に1年間という空白を作ってしまうことへの恐怖心
そして、なんだか一度帰国してしまったら、もう二度とイギリスの博士課程進学を目指すことなどできないのではないか?という焦り・・・だった。

しかし、そのような焦りを抱えながらも、私は修士課程の勉強と博士課程進学のための準備の両立に限界を感じ、自分をどんどん追い込んでしまっていっていた。

そんな私は、ロンドン大学大学院修士課程の1学期を終えた時点で、自分の心がどこかへ飛んでいってしまいそうなくらい、心が疲れ果てていた。

時には、ドゥルケムの自殺論を読んで、涙が溢れながら夕方家に帰ったこともあった。

オックスフォード大学の不合格通知

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ーー2020年3月

私はオックスフォード大学博士課程不合格通知を受け取った。

修士課程の学習と博士課程への出願書類準備の二足の草鞋を履き努力した結果が「博士課程不合格」であったと知った時は、残念な気持ちになるはずなのだが、実は、その結果を受け取った私はとても安心していた。

なんだか、心が少し穏やかになる感覚だった。

その頃の私は、もう自分一人の力では、どこまで頑張り続けてよいのか分からず、がむしゃらに努力し続けることしかできなかった。

これでもか、これでもかと、心休まらず前に突き進み、自分の心を疎かにしていたようにも思える。

だからこそ、不合格通知を受け取った時の気持ちは、悔しさよりも「私を止めてくれてありがとう」という気持ちでいっぱいであったのだろう。

しかし・・・
世の中とはよくできたものなのかもしれない。

捨てる神あれば拾う神あり

ということわざ通り、私の努力は無駄にはならなかった。

捨てる神あれば拾う神あり

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本当に人生とは不思議なものだ。努力をしていると、必ず誰かはその努力を認めてくれる人が現れる。

それが私にとっては、ロンドン大学の指導教官だったのだ。

指導教官との話し合いを重ね、私は結果的に1年間のGap Yearを取ってロンドン大学に戻ってくることを勧められた。

私にとって、あまり考えたくもなかったGap Yearという選択。

でも、私の憧れでもあった指導教官のアドバイスに、私はGap Yearを取ってロンドン大学に戻る決意をしたのであった。

さて、Gap Year何をしようか。

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さて、Gap Yearという1年間、私は何をしようか?

これまでの私は、来年の計画、5年間の長期計画とせかせか、将来のために今を生きているような日々を送っていた。そんな私が、手に入れたことのない何でもできる「自由な時間」。

そんな、1年間というとても長いようで短い時間・・・

私は、どんなことに時間を使うべきであろうか?

・お金を稼ぐことを優先させるべきなのか?
・教師として経験を重ねることが重要なのか?
・「今しかできないこと」そして、「私にしかできないこと」は何なのか?

そんなことを、悩み続けていた。

そして、その結果が「博士課程への勉強をしながら、家族孝行をしたり、ブログを通して留学を目指している人々へのお手伝いをしたりすること」であった。

私の心の変化

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この1年間、私は短期的なアルバイトはしたものの、私の生活の中心は博士課程進学のために読書をすること英語の勉強をすること家族の手伝いをすることおばあちゃんの話し相手になること。そして、ブログで社会とのつながりを保つことだった。

でも、これが一番良い選択だったと感じる。

おばあちゃんはもうすぐ84歳。この先、私は、あと何回おばあちゃんに会って話すことができるのだろうか。そう考えると、私はおばあちゃんとたくさんの旅行に行けて、とても心が満たされたように感じる。

両親とは私が14歳のころからずっと離れて暮らしていた。だからこそ、大人になって1年間も一緒に過ごせた時間は、約20年もの時を超えて、少し綻びた絆を結い直すには、とても大事な1年だったようにも思える。

ブログでは、多くの方々とつながることもでき、これからのイギリス生活を支えてくれるパートナーとの出会いにも恵まれた。

ーーー
・これまでがむしゃらに走り続けてきた私。
・10代の頃から経済的自立をしたいと思い必死に努力してきた私。
・誰かに頼らずに生きていける強い人間でありたいと思っていた私。
・誰かに頼ることを一番に恐れていた私。
・そして、頑張って、頑張って、どこまで頑張れば良いのか分からなくなってしまった私。

そんな私が1年間のGap yearで学んだことは・・・
自分を認めること。
そして、家族を大切にすること。


そんなことに気づけた私は、一人でもくもくと頑張り続けることだけが全てではないのかもしれないと思えるようになった気がする。

そして、たとえ少し休んだとしても、きっと身近なところに、何か大切なことが隠れているのかもしれないと思えている自分がいる。

そんな気持ちになれた私は、きっと今までとは違い、少し肩の力を抜き、ちょうどいい塩梅で誰かに支えてもらう勇気が持てそうな気がするのだ。

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