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鎌倉徒然記 2
鎌倉の想い出を語っています。
妙に波長の合う街であります。
しかも私の大好きな歴史的な文物があちこちにあり、そして古色蒼然としたハイカラ、という空気が流れているのは、故郷の長崎に通じるものがあります。
さらに観光客を呼び寄せる街路を持つのも相似形だと。
鎌倉で一番賑わっているのは、この小町通り。
明らかに他所もんの風体の人々が連れなしています。左右には間口の狭いお店が列をなして、呼び込みの声が左右から響くのですね。
長崎でいえばグラバー園に向かう坂道でしょうか。
お目当ての店はその小町通りにありまして。
フランス料理、コアンドルという老舗です。
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ホテルオークラの元料理長のBistroでしてね。
半世紀近い前のレシピを忠実に繋いでいます。
絶え間なく流れていく観光客の群れに、欧州っぽい外観に蔦が這っているのが、いかにも瀟洒で小憎らしい演出です。
しかも文豪、川端康成や大沸次郎らが通ったお店とくれば。
そのお味も折り紙付きでしょう。
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旅先って、かなり別腹な印象がありますが。
ここに至るまでに買い食いをしていたので。
有名なビーフシチューが入りそうにもない。
やっぱコース料理🥘の余地は残すべきです。
さてメニューを開いたけれど、一見さんには量的な予測がつきにくいので、まずはランチおススメでのハヤシライスにしました。
それでさ。
このコーンスープがやたらと美味しくて。
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またメインのハヤシライスも。
丹念に煮込まれたドミグラスソースに、どれだけの時間がかかったんだろうね。料理を始めたら、その苦心が理解できるようになりましたね。ここに塊肉のシチューだったら腹パンで、夜まで響いたよね。
〆には柚子のシャーベットが出てきました。
それでさっぱりとした。
ああ。もっと丹念に喫茶店巡りをしていたら、よかった。
そうすれば拙作の描写に活かせたろうね。
ここを訪れていた頃には、再び小説を書き始めるなんて想像していなかった。今となっては、もどかしい思いでねえ。
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