最終兵器彼女
離島では映画館もない。
コンビニも当然のようにない。
本や雑誌も文房具屋さんの棚に、申し訳なさそうににある程度。
私のように映画やアニメやコミックを吸って生きてきたような人種には、この生活は苦痛かと思われた。週末には古本屋巡りをして、名作を収穫するのが趣味だったような男だ。精神的に渇望するのを恐れた。
離島に入ってすぐにAT-Xに加入した。
なぜこのチャンネルかというとCMを挟まずに、最新のコンテンツから旧作まで流してくれるからだ。特に旧作の発掘には目をみはるものがある。
そして何より都会でも入手し辛い作品が手に入る。
これまで見落としてきた良作を鑑賞すると、心が満たされる。
「最終兵器彼女」は長崎市ではレンタルショップにもなかった。
鑑賞し始めて半日でオールしてしまい、その勢いで書いている。
かつて。
いわゆるコンプライアンスだの何だのがなかった時代。
表現の枷が緩く、その描写の筆致が残酷に描く恋愛劇。
この時代にはできて、現在では製作が難しいとは悲劇。
休日の半日を恵み深いものに変えてくれました。