見出し画像

デミグラスは、雲仙名物

 雲仙は、草創期の洋食文化の街です。
 もちろん洋食の始まりは長崎市ではあります。ですが江戸期においては、洋食だか中華だかよくわからない、和風西欧料理が成立しています。
 有名な卓袱料理です。
 別名が、和華蘭料理。
 残念ながら卓袱は高級料理になり過ぎて敷居が高いので、私は本格的なお店で頂いたことはありません。
 しかしながら本格的な洋食は、実は雲仙ではなかったか、と思うのです。
 時は明治へと移り変わり、雲仙は避暑地として多くの外国人貿易商の別荘がありました。当然ながら御付きの料理人も同行するわけで。
 明治44年には懸営公園に指定されています。
 往時からスイスを念頭においた開発が為されたみたいで、入手の難しい牛乳や蜂蜜などが流通し、それでケーキやスコーンまで焼いていたというハイカラな街でした。
 

グリーンテラス雲仙

 ですが私ら長崎での高校生活を過ごしたものにとっては、そこはうらぶれた温泉街でして。しかも夏休みの雲仙合宿という受験強化合宿が行われ、また塾の集中講義合宿もここで行われ。
 結果として社会人になって、足が遠のく場所でもありました。
 そう、あれは熊本大震災の前後だったと思います。
 雲仙を再開発しようという動きがあり、恐らくはデミグラスソースに焦点が当たったのだと推測します。
 各店舗で必ずこの手のオムライスを置くようになりました。
 おお、ならばコンプリートしてやんよ、と食指が動いたのです。

雲仙福田屋

 私のオキニは雲仙福田屋の山Café力のこの一皿。
 濃厚なすね肉のデミグラス、それにふわふわのオムレツ。
 チキンコンソメも季節のサラダの色味、バランス。ドレッシングの風味。完成度が段違い。
 傷心のなか、この夏に訪問しましたが、残念ながらここは店休日だったのです。そこで宮崎旅館のCaféのチキンカレーにハンドルを切ると、こっちも美味しい。
 雲仙は新規改装の店舗が多くて、この4年の様変わりには驚きました。
 俄然、ハイカラな街の印象が強い。

BON VOYAGEのチキンカレー

 さすがに高原地帯なので、あの炎熱の夏場でもバイクが快適すぎて、下界になんか降りたくなくなる。
 冬にも再訪できるかな。
 でも御山は厳冬期だし。
 バイクでは障らぬ神に祟りなしかな。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集