汗が出だすととまらない!?多汗症対策〜後編〜【漢方的スキンケア】

前回より本格的な夏に入るということで汗のトラブル

汗が出すぎてとまらない、汗をかきすぎてしまう『多汗症対策』についてお届けしております。

漢方ではどんな不調も同じですが『同病異治』

同じ病名でも原因や体調、体質、気質、生活環境などによって治し方が異なります。

多汗症でも全く同じで『なぜ』汗が出すぎてしまうか?

その原因別の対策が必要です。

前回は汗の重要な働きと汗が出すぎてしまう原因を体の仕組み的にご紹介しました。

そして漢方的多汗症の対処法の1番目として『食べすぎ・飲みすぎ・たまり過ぎの痰湿・水毒タイプ』についてお伝えしました。

今回はその続きで原因別対処法の2番目からお届けいたします。

汗が出だすととまらない!?多汗症対策〜後編〜【漢方的スキンケア】

というテーマでお届けいたします。

☆原因別の多汗症の対処法 2)潤い不足の陰虚タイプ

前回からの続きで多汗症について。

2つ目の多汗症の原因はちょっと意外、というか『なんで?』と思う方が多いかもしれません。

漢方では『陰虚』と呼ばれる『潤い不足タイプ』です。

潤いが不足しているのにどうして水分である汗が出すぎるの?潤い不足だから出ないのでは?

と思いますよね。実はそうではありません。確かにカラダの中の潤いは少ないのですが、汗が出すぎることがあるのです。

漢方では潤いはカラダの熱を冷ます力があります。潤い不足だとカラダの熱が冷ませなくなり、ほてりや逆上せなど熱の症状が強く出ることがあります。

そしてカラダの中の熱が高まるので、熱を冷まそうと結果的にカラダの中の残り少ない潤いまで出てしまい、さらに熱が高まる、という悪循環になってしまいます。

これは更年期の女性やマラソンなど体力をかなり消耗する運動をする方、サウナなどが大好きな方に起こりやすいかもしれません。

最初の痰湿が太っている方に多いのに対して、陰虚タイプは比較的痩せ型の方に多く、日中の汗もですが、寝汗をかく方が多いのも特徴です。

陰虚タイプの方は多汗症以外にも

潤い不足 ほてり、暑がり 冷えのぼせ、口の乾き、乾燥肌、などの不調を訴えます。

このような方はカラダに熱をこもらせる辛いものなどを控えたり、サウナや長風呂などでカラダの熱を高めすぎないように気をつけましょう。

食養生ではカラダの潤いを補ってくれる『補腎』の食べ物。発汗により失ったミネラルの補給になる海藻類や魚介類、きのこ類などをしっかり食べてカラダの潤いを補っておきましょう。

潤い=水分

ではないので、水分をガブガブ取らないように気をつけましょう。

水分は適量で大丈夫です。

☆原因別の多汗症の対処法 3)元気不足タイプ

3つめの原因は先ほどの陰虚に比べるとわかりやすいと思います。

『元気不足の気虚タイプ』

です。

漢方では元気が不足しているとカラダの中よりいろいろなものが漏れ出すと考えます。

疲れ果ててぼーっとしている時や日頃からボケっとしているような方はなんとなく鼻水がたれたり、よだれがたれたり、漏れ出すようなことが起きやすいと漢方では考えます。

汗も同じで本来は適度な体温調節ができれば汗を止められるはずなのですが力不足のため、汗の蛇口をうまく閉めれなくてダラダラ出てしまう、というイメージです。

女性の方だとこのタイプは月経でない時に出血してしまう、月経まで保てなくて漏れ出てしまうような不正出血も起こりやすくなります。

日頃から

疲れやすい 声が小さい、風邪を引きやすい エアコンオン風邪が苦手 女性の不正出血 胃腸が弱い

など元気不足の症状が見られるような方はまずはしっかり疲労を取ること、睡眠をしっかりとり、消化の良いものをゆっくり食べてカラダを養いましょう。

お米やイモ類などはカラダの気を補ってくれるので糖質系のものはしっかりめに食べるようにしましょう。

☆原因別の多汗症の対処法 4)イライラ・クヨクヨのストレスタイプ   

多汗症の原因別対策の最後は『イライラ・クヨクヨ』の気滞タイプです。

気滞とは漢方では気の巡りが悪い状態を言い、日頃からストレスフルな方に多く見られます。

カラダの仕組み的にはストレスで自律神経の『頑張る神経』

交感神経が優位になりすぎて過度にカラダに力が入っているような状態です。

カラダのコントロールが上手く行かず、暑くもないのに汗が出たり、過度の緊張やストレスで手汗などを大量にかきすぎてしまったり、ストレスで頭に血が上り(起こっている人はだいたい顔を真赤にして頭から湯気が出るようなイメージですよね)熱が発生して汗をかきすぎてしまうような状態をイメージするとわかりやすいかもしれません。

ストレス過多の気滞タイプの方は多汗症以外にも

不眠 イライラ クヨクヨ 肩こり カラダの張り 月経不順 月経痛 月経前不調(PMS) 目の疲れ 

このような気滞タイプの症状が見られる方や日頃からせっかちで落ち着きのない方は気の巡りを整える養生を生活で取り入れましょう。

気の巡りを良くする養生の基本は『リラックス』

自律神経でも交感神経が優位になっているのでできるだけ副交感神経が優位になるような生活を心がけましょう。

ゆっくり散歩をしたり、ゆっくりヨガをしたり、ゆっくりストレッチをしたり、深呼吸するなどして心のペースをスローダウンしてあげましょう。

『時間がない』『忙しい』そんな言葉が口癖の方は要注意で、意識的に生活をスローペースで送るようにしましょう。

ゆっくり歩く、ゆっくり食べる、ゆっくりしゃべる、ゆっくりお風呂はいる

これだけでも心身を楽にすることができます。

食養生では酸味のきいた爽やかな料理を食べたり、ハーブなどを使った香りの良い料理や薬味系のもの、香味野菜などを積極的に取りましょう。

☆1日1回汗をかこう

今回は多汗症についてお届けしましたが、汗がとまりにくい原因は様々なので原因別の対処法でぜひ夏の時期を快適に過ごしましょう。

最後に、最近はエアコンで日中汗をカラダの中に閉じ込めている方が少なくありません。

本来出るはずの汗を閉じ込めてしまっているのでたまに暑いところにいくと汗が止まりにくくなることがあります。

夏の時期は体温調節やカラダの中に余計な湿気をためないためにも運動で一汗かいたり、入浴で一汗かくなどしてしましょう。

汗をかいたあとにカラダがスッキリするようでしたらカラダに余計なものが溜まっているサインです。

逆に汗をかいた後にぐったりするようならカラダの力不足のサインなので、そのあたりで自分の体調を見極めても良いと思います。

2回に渡りこれからの時期注意したい不調

『多汗症』

についてお届けしました。

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