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寝る前に読む本はエッセイがいいのかも

寝床で本を読みたいときは、エッセイ本がいいかもと思いました。

私は布団のなかでどうしてもスマホを見てしまうという悪習慣持ちです。
どうにかしようと思い、でも寝る前になにか文章を読みたいので紙の本を寝床に持ち込むことも多いのですが、面白い小説だと読み耽ってしまって、結局は睡眠不足になります。

でも最近、『旅と料理』(著・細川亜衣)というエッセイ本を読む機会があり、寝る前に布団のなかで読んでいたのですが、これが「ちょうどよかった」のです。

『旅と料理』は、料理家の細川亜衣氏が世界の国々を旅し、旅先で出会った人々と料理のエピソードを綴ったエッセイ集です。
レシピや写真も掲載されていますが、メインは文章ですね。

小説のように先が気になってどんどんページをめくってしまうということもないし、淡々としつつも綺麗な文章なので、変に気持ちが刺激されることもなく、落ち着いた気分で読めます。
これが、ゆったりと睡眠導入されていくのにちょうどいいのです。

私はあまりエッセイというジャンルを読んでこなかったので詳しくはないのですが、著者が自分の体験や意見を一歩引いた目線から、淡々と綴っているものが多いように思います。
というか、「文字」という媒体になった時点で、著者の内に巡る多彩な感情やその体験に至るまでの背景といったものがごそっと削ぎ落とされてしまうので、「淡々としている」と感じられるだけかもしれませんが。

ただ、寝る前に読むといった場合に関しては、その淡々っぷりがむしろありがたいです。
著者の激情や情熱が迸っていたり、ドラマチックな展開が続いたりするエッセイも中にはあるのかもしれませんが、そういったエッセイ本は気分が揺さぶられすぎて、読んでリラックスするというのは難しそうです。

『旅と料理』に関しては、「料理」というジャンルもよかったかもしれません。
もし、これが戦争とか災害とか病気とか犯罪とかコンプレックスといったテーマだった場合、内容が重くて、眠る前に読んでゆったりと睡眠に至る…というのは難しかったでしょう。

となると、厳密には「寝る前に読む本はエッセイがいい」というよりは、「寝る前に読む本は、気持ちが変に高ぶったり落ち込んだりしないようなテーマのエッセイがいい」ということになりますね。

どんなテーマのエッセイがちょうどいいのかは人によって変わるはずですが、私の場合は料理とか、旅行とか、花とか、動物とか、著者の何気ない日常生活とか、そういうのがいいかもしれません。


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さわこ@文筆家
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