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読書嫌いのための図書室案内(青谷真未)

なぜこの本

新年度も10日ほどが過ぎ、桜は満開から葉桜へと移る時季となりました。
徐々に新生活へ浸っていく時期とも重なるかもしれません。
新生活の慌ただしさに心のゆとりが削られている方もいるでしょう。
そんなとき、気楽に読める本はいかがでしょうか。

本書はタイトルの通り、読書嫌いの主人公が様々な人々との関わりを通じて本に親しんでいく青春ミステリー小説。
舞台はある高校の一学期序盤、ちょうど今の時季。
主人公が2年生を迎えたばかりのところから始まります。

皆さんも新しい環境下で新たな出会いや知識を求めて、あるいは必要性に迫られて本を開くことがあるかもしれません。
また、学校や大学では図書館、図書室の案内を受けることもあるでしょう。
主人公もある必要性に迫られ、図書室に陣取り、そして本を開きます。
そこから始まる物語は青春ミステリー。
今まで読書を忌避していた方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。

どんな本

人はなぜ本を読むのでしょうか?

読書嫌いの主人公も、最初は嫌々ながらも、この問いに向き合います。
登場人物と共にいくつかの書籍(たとえば安部公房など)を中心に物語は進み、本に込められたメッセージがミステリーの真相へと繋がっていく。
伏線の張り方や登場人物の描写など、物語がしっかり作り込まれ、テンポよく表現されているため、ミステリーでありながら深いこと考えずに読み進められる点がオススメポイント。
序盤、中盤、終盤と徐々に加速していくように紡がれていることもあって、気が付けば一気に終盤まで読めてしまうはず。
今まで勉強や仕事目的で本を読んでいた人もこれをきっかけに物語に向き合うのも悪くないのではないでしょうか。

誰に、どんな時におすすめ

タイトル通りではありますが、読書嫌いの方にまずはおすすめ。
(読書嫌いの方がこのnoteを読むのか、というのは、まぁさておき)
必要に迫られた読書が多い方にも、気分転換で読んでみて欲しいです。
皆さん、生きる事にお忙しいと思いますが、通勤中や入浴中のちょっとした時間でも読み進められます。
本編中に出てきた本を取り寄せて読んでみるのも面白い楽しみ方。
かくいう私も一度読んだ「舞姫」をもう一度読み始めました。
今まで読んだ本を再発見することも面白いものです。

この先も良い本に出会えますように

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