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短編集②

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#恋愛

「小説」代替品のセックスで「描写注意」

「小説」代替品のセックスで「描写注意」

大人向けの描写があります。

 良い子になりたいと思った。
本当にそう思っていたのです、お父さん。

 荒い息が聞こえる。耳元でだ。まるで聴覚からでも犯したいというものを感じる。私の股を割入って、打ち付けているのは男だ。まるで救いを求めるように私にしがみついている。挿入された熱い男のそれは、私の中をぐちゃぐちゃのどろどろにしていく。最初に挿れた時は確かに押し入れたような気がしたのだ。だけど何度も何

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記憶とメイドと写真

記憶とメイドと写真

 メイドのマリアは古風な木造屋敷でバラの剪定をしていた。
その表情は、苦虫をかみ切ったように歪んでいる。
それを見て主人であり、恋人であるヨハネスは困ったように微笑んだ。
「マリア、その顔じゃ写真映えしないよ……」
「別に写真なんて映えなくて結構です。全く何を考えているのですか、ヨハネス様」
「いやいや、マリアは可愛いよ。美人だと思うんだけど」
「へぇ」
「そんな憎々しげに言われてしまうと、こっち

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梅の香りに包まれて(BL掌編)

梅の香りに包まれて(BL掌編)

 二人の家の玄関脇にはボトルがある。
その中身は春秋(はるあき)の同居人である頼政が漬けた梅酒だ。
春秋と住むようになったばかりの頃に、急に思いたったように作り始めた。
 大事に、まるで守り通すように作られた酒を試飲させてもらうと、フルーティさの中に水のような透き通った味がした。
「もう、これ飲めるぞ」
「いやいや、まだだよ」
 ひっそりと頼政は笑う。その白い首筋はかみつきたくなるほどに綺麗だった

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先輩を殺します

先輩を殺します

――先輩、僕が殺しますよ。今度こそ。

 その先輩は突飛な先輩だった。夏のさかりの、汗が吹き出す暑さなのに、冬
服のセーラーを着ている。そして何故か腕を伸ばしてぴょんぴょん跳ね続けて
いる。林間学校のことだった。学年を問わずに集まり、山の中で活動するのだ
が、その中でも先輩はいつでもセーラー服を脱がない、変な人だった。
 なんでそんなに跳ねているのだろう……僕は思わず声をかけてしまった。
すると先

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蜂蜜選びと恋

蜂蜜選びと恋

 恋は蜂蜜のようにうまく選べない。

 蜂蜜フェアに行く朝、私ははれぼったい瞼を冷やしていた。冷水に漬けたタオルを当て、ぼんやりと夜明けの空を見る。そんな時、ため息をつきそうな自分をこらえながらーーあぁ、何故にこんな恋をしているのかと思うのだ。

 私のつきあっている人はネガティブな人だった。普通にしゃべっていると気づかないけど、いつも卑屈に物事を見てしまうのだ。
「あの人より出来ないのに

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私と月と旦那様

私と月と旦那様

 からんからんと下駄を鳴らして、家の戸を開ける。
町を練り歩く豆腐屋から豆腐を買ってきた。
「ただいま」
 声を上げるがそれに応えるものなどいない。私の旦那様は今日も出張で家を開けている

 三日前のことだ。
「また出張ですか……」
 旦那様は軽くうなづき、家からはずいぶん遠いところにある地名を口に出した。確か橘の実がよくとれると聞く場所だ。数日は仕事で行き、電気で動く箱を売るのだと言った。

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空っぽの自分の恋

空っぽの自分の恋

 私の姉妹は男にはとにかく一途な人たちだった。
 毎日ライン交換をするし、休日は家に呼んで御飯を食べさせる妹に、旦那さんの体が弱いなら私が養うと言わんばかりに、給料のいい仕事につき、庭付きの家のローンを組んだ姉。
 ある時ラインをしているとさらりと告げられる二人の「男性とのおつき合い」の年数に、あっけにとられてしまった。かるく数年、姉は十五年以上も一人の男の人と一緒にいる。

 そんな二人がう

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セーラー服と恋

 私の双子の姉の美玲は一年前に死んだ。それは美玲とトラックとぶつかってしまったことが原因であり、轢いた運転手も人が来ない道だから、油断していたと供述している。美玲はその道を普段使っていなかった。むしろ使えば目的地まで遠くなる道だった。
 どうして彼女はそんな道を使ったのか分からないが、その死につながった選択のせいで、彼女の恋人はおかしくなった。彼女のセーラー服を着るようになった。
 淡雪が降り

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