澤田 清佳

おやつの時間が好きです/食べもののこと/短歌の練習/illustration/photo

澤田 清佳

おやつの時間が好きです/食べもののこと/短歌の練習/illustration/photo

マガジン

  • 菓子四季録

    • 34本

    菓子研究家とイラストレーターのふたりが毎月ひとつ、季節の素材を使ったお菓子のレシピを紹介する連載です。 ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴ります。お菓子のこと、四季のこと。綴った記録をどうぞご賞味ください。

記事一覧

読書感想文 『羊と鋼の森』 ”それがないと生きられないもの” について思うこと

おすすめしてもらった本を読んだので、感想文を書いてみる。しっかりした読書感想文なんて高校の夏以来で、少し緊張する。 本の名前は『羊と鋼の森』。宮下奈都さんの作品…

澤田 清佳
8日前
18

ただ桃が綺麗

ただただ桃が綺麗です。 桃はたぶんとんでもない引力を持っていて、じーっと見ていると桃の世界に連れ去られてしまう。 甘くてとろける香りも桃の罠。

澤田 清佳
2週間前
18

大好きがもっと大好きになった すいかのお菓子 〈菓子四季録 vol.15〉

大好きなすいかの話。 そして、はじめて食べたすいかのお菓子の話。 すいかが好きだ。 だから、すいかがお菓子になるのが怖かった。 ふたりで作っているnoteマガジン〈菓…

澤田 清佳
3週間前
34

おうちで南国

国内でのんびり過ごす夏休み。 花屋さんでトロピカルな植物をゲットし、 すいかとココナッツのひんやりデザートを 用意すればおうちで南国気分。バカンスの味。 すごいぞ…

澤田 清佳
1か月前
12

すいか | 短歌

そのすいかは、包丁の刃が少し入った瞬間に パンッと明るくひび割れた。 夏の赤色はとびきり甘かった。 - - - よく熟れたすいかは夏を喜んだ くす玉が割れ祝祭の赤

澤田 清佳
1か月前
12

桃 | 短歌

この季節に思い出す景色。 - - - 夏 母は桃を剥くのがうまかった それを見ているのが好きだった

澤田 清佳
1か月前
13

忘れたくない距離感を教えてくれたメロンのロールケーキ 〈菓子四季録 vol.14〉

メロンとの距離感。ロールケーキの後味が気づかせてくれた、メロンとわたしの関係性。 この菓子四季録では、毎月季節の食材を決めてレシピを紹介している。果物を素材とし…

澤田 清佳
1か月前
19

おしらせ & 菓子四季録の1周年

noteで〈菓子四季録〉というマガジンをつくっています。菓子研究家とイラストレーターのふたりが季節の素材を使ったお菓子のレシピを紹介する連載で、ひとつのお菓子の魅力…

澤田 清佳
1か月前
12

きゅうり | 短歌

日々が、目まぐるしい。 きゅうりを丸かじりすること、しばしば。 でも整わない日があるからといって それが生活のすべてじゃない。 整う時間と整わない時間。 生活は、…

澤田 清佳
1か月前
14

気持ちを満たしてくれるさくらんぼのお菓子 〈菓子四季録 vol.13〉

「チェリーのフラン」という名前から受ける印象と、実物の味とのギャップが面白い。気持ちを満たしてくれるお菓子の話。 今月の菓子四季録で紹介する「チェリーのフラン」…

澤田 清佳
2か月前
42

お昼休み | 短歌

昼休みって、どうして あんなにあっという間なのだろうか。 アイスコーヒーが美味しい季節になりました。 - - - もう少しお昼休みをしてたくて ちびちびと飲むアイスコー…

澤田 清佳
2か月前
19

アイスティー | 短歌

珍しく家にロックアイスがあったので アイスティーをつくった。 グラスが綺麗な音を響かせたので、 少しうっとりした。 - - - アイスティーから風鈴の音がする 琥珀色し…

澤田 清佳
3か月前
19

いまここ | 短歌

遠くを見れば果てしない。 上を見ればキリがない。 いまのわたしは、いまここに、 自分の側にあるちいさなことを大事にしていたい。 (そしてそれは、ものだけじゃなく)…

澤田 清佳
3か月前
23

紫陽花 | 短歌

雨の日の紫陽花が好きです。 雨に濡れた紫陽花は、水を含んだ絵の具みたい。 晴れの日には見られない鮮やかな色。 - - - 紫陽花の少し滲んだ青色は 雨の日にだけ溶け出す…

澤田 清佳
3か月前
25

ブルーベリーのためのタルト 〈菓子四季録 vol.12〉

このタルトを食べたとき、ほっとした気持ちになった。ブルーベリーが自分の居場所を見つけたようで。 突然だが、わたしはブルーベリーに対してこんなことを思っている。〈…

澤田 清佳
3か月前
110

悲しい日 | 短歌

へとへとだった火曜。 でも薔薇を見たら綺麗で、 綺麗なものを綺麗と思う余白が 自分に残ってることにほっとした。 私が元気でも疲れてても、 嬉しくても悲しくても、 薔…

澤田 清佳
4か月前
9

読書感想文 『羊と鋼の森』 ”それがないと生きられないもの” について思うこと

おすすめしてもらった本を読んだので、感想文を書いてみる。しっかりした読書感想文なんて高校の夏以来で、少し緊張する。 本の名前は『羊と鋼の森』。宮下奈都さんの作品で、過去の本屋大賞にも選ばれた一冊。物語のあらすじをざっくり説明すると、高校時代のとある出会いからピアノ調律師に憧れた主人公・外村が、念願の調律師として働き始め、職場の先輩や顧客と出会う中で成長していく物語だ(超ざっくり)。 美しい本だった。さすが、言葉が好きな推薦人だなぁと思うような、言葉の美しさが詰まった本だっ

ただ桃が綺麗

ただただ桃が綺麗です。 桃はたぶんとんでもない引力を持っていて、じーっと見ていると桃の世界に連れ去られてしまう。 甘くてとろける香りも桃の罠。

大好きがもっと大好きになった すいかのお菓子 〈菓子四季録 vol.15〉

大好きなすいかの話。 そして、はじめて食べたすいかのお菓子の話。 すいかが好きだ。 だから、すいかがお菓子になるのが怖かった。 ふたりで作っているnoteマガジン〈菓子四季録〉は季節の食材を使ったお菓子のレシピを紹介する連載だ。今月の食材はすいかに決まったのだが「すいかはお菓子に向かない、やっぱりそのままじゃないと…」と思ってしまったらどうしようと、実食の当日までずっと考えていた。 (菓子四季録をいつも読んでくださっている方には耳にタコができる情報で恐縮だが、メニューを試

おうちで南国

国内でのんびり過ごす夏休み。 花屋さんでトロピカルな植物をゲットし、 すいかとココナッツのひんやりデザートを 用意すればおうちで南国気分。バカンスの味。 すごいぞ植物の効果〜 ごろごろお昼寝した後に食べるアイスは至福。

すいか | 短歌

そのすいかは、包丁の刃が少し入った瞬間に パンッと明るくひび割れた。 夏の赤色はとびきり甘かった。 - - - よく熟れたすいかは夏を喜んだ くす玉が割れ祝祭の赤

桃 | 短歌

この季節に思い出す景色。 - - - 夏 母は桃を剥くのがうまかった それを見ているのが好きだった

忘れたくない距離感を教えてくれたメロンのロールケーキ 〈菓子四季録 vol.14〉

メロンとの距離感。ロールケーキの後味が気づかせてくれた、メロンとわたしの関係性。 この菓子四季録では、毎月季節の食材を決めてレシピを紹介している。果物を素材として選ぶ月が多く、お菓子の話だけでなく、果物との思い出をnoteに綴ってきた。 しかし、今月の素材が「メロン」だと決まったとき、わたしは衝撃を受けてしまった。 わたし、メロンに持っている印象が、薄い。 これまで自分のことを果物が好きな人間だと思っていたから、この事実にびっくり(チームメンバーである淳子先生にもびっ

おしらせ & 菓子四季録の1周年

noteで〈菓子四季録〉というマガジンをつくっています。菓子研究家とイラストレーターのふたりが季節の素材を使ったお菓子のレシピを紹介する連載で、ひとつのお菓子の魅力をふたりそれぞれの視点で綴っています(ひとつのお菓子に対して、side A と side B があると説明するとわかりやすいでしょうか)。 そしていま、菓子四季録の特別編を公開中です。 普段はチームメンバーの淳子先生とわたしがそれぞれ記事を書くのですが、こちらはイチオシの過去回を、創作大賞応募のために合体し、再

きゅうり | 短歌

日々が、目まぐるしい。 きゅうりを丸かじりすること、しばしば。 でも整わない日があるからといって それが生活のすべてじゃない。 整う時間と整わない時間。 生活は、ふたつのミックス。 - - - 立ったままきゅうりをかじる日があって 昆布の出汁を取る日もあって

気持ちを満たしてくれるさくらんぼのお菓子 〈菓子四季録 vol.13〉

「チェリーのフラン」という名前から受ける印象と、実物の味とのギャップが面白い。気持ちを満たしてくれるお菓子の話。 今月の菓子四季録で紹介する「チェリーのフラン」は、タルト生地にゆるめのカスタードクリームを詰めて焼かれるフランスで定番のお菓子「フラン」に、アメリカンチェリーを焼き込んだメニューだ。 少し話が脱線するが、さくらんぼって、本当に本当に可愛い果物だと思っている(真剣)。日本のさくらんぼも好きだし、アメリカンチェリーも好き。同じ「さくらんぼ」と言ってもキャラクターが

お昼休み | 短歌

昼休みって、どうして あんなにあっという間なのだろうか。 アイスコーヒーが美味しい季節になりました。 - - - もう少しお昼休みをしてたくて ちびちびと飲むアイスコーヒー

アイスティー | 短歌

珍しく家にロックアイスがあったので アイスティーをつくった。 グラスが綺麗な音を響かせたので、 少しうっとりした。 - - - アイスティーから風鈴の音がする 琥珀色した風をひとくち

いまここ | 短歌

遠くを見れば果てしない。 上を見ればキリがない。 いまのわたしは、いまここに、 自分の側にあるちいさなことを大事にしていたい。 (そしてそれは、ものだけじゃなく) - - - 好きな本 焼きたてのパン 眠るねこ いまある今をさわっていたい

紫陽花 | 短歌

雨の日の紫陽花が好きです。 雨に濡れた紫陽花は、水を含んだ絵の具みたい。 晴れの日には見られない鮮やかな色。 - - - 紫陽花の少し滲んだ青色は 雨の日にだけ溶け出す絵の具

ブルーベリーのためのタルト 〈菓子四季録 vol.12〉

このタルトを食べたとき、ほっとした気持ちになった。ブルーベリーが自分の居場所を見つけたようで。 突然だが、わたしはブルーベリーに対してこんなことを思っている。〈ベリー類と呼ばれて苺と同じグループに入れられるとき、ブルーベリーは正直しっくりきていないのではないか〉ということ。 実の色は黒に近いような深い青紫色だし、表面に白い謎の粉があってツヤツヤしていないし(謎の粉ではなくブルームと言って、果実を守るために大切な粉なのだけど)、甘さはさりげない程度で、なかなか酸っぱいし。お

悲しい日 | 短歌

へとへとだった火曜。 でも薔薇を見たら綺麗で、 綺麗なものを綺麗と思う余白が 自分に残ってることにほっとした。 私が元気でも疲れてても、 嬉しくても悲しくても、 薔薇は知らんぷりして綺麗でいてくれるのがいい。 - - - 悲しみを一緒に嘆いたりせずに そばで冷たく咲いててね、薔薇