文章上達の近道は「Check⇔Action」の繰り返し
「ライティングの教科書」として定番の『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』から、第2章「読み返して直す」を取り上げ、文章を書き上げた後にすべきことを学びます。
この本(章)を読む目的とゴール
「文章力を上げたい」「良い文章を書きたい」のが目的ですが、それでは漠然としてい解像度が上がらず、なかなか近づけません。
そこで、先に具体的な目的と読んだ後にどうなりたいか=ゴールを設定しておきます。
文章が上達する近道は?
「文章が上達する方法を知りたい」
これは「書くこと」を始めたすべての人が1度は思うことだと思います。
第2章の冒頭にその答えが書いてありました。実は第2章のタイトル自体が答え(=「読み返して直す」)なのです。
筆者は「読み直し」=読み返して直すこと(推敲)の繰り返しで文章は上達するといいます。
さっそくその方法をみていきましょう。
読み直しの3ステップ
みなさんは文章をひと通り書き終えたあと、まず何をしますか?
とりあえず始めから終わりまでざっと読み返して「終了」していないでしょうか。私は完全にこのパターンでした。さっと目を通して大きな違和感がなければそのまま投稿。
でも、これでは意味がありません。読み直しは次の3ステップで行います。
最低でも3回は読み直します。
1回目:意味に注意しつつ「脳」を使って黙読
2回目:見た目に注意しつつ「目」を使って黙読
3回目:語呂を意識しつつ「耳」を使って音読
【優先度順】具体的なチェックポイント
推敲で大事なのは「優先度順」に進めること。文章の直しにはキリがありません。余計な時間を使わないために上から順に進めます。
1.重複のチェック
最も発生率が高く他の問題も見つかりやすい理由から、最初にチェックするのが「重複」です。<単語→文節→文型→段落→記事>と、小さいレベルからより大きいレベルまでチェックする目が必要。
中でも目立つのが文節レベルの「文末のダブリ」です。
いくつかバリエーションを持ち、同じ表現が続かないように注意します。
尚、ダブリは「2連続」まではセーフ、「3連続」はアウトです!
2.構造のチェック
ー構造をつかむ
文章の骨格となる「主語・述語・目的語」の構造をしっかりつかみながら読み直しをします。日本語は主語が省略されやすいため、文章の意味が通りにくい状態の可能性も。「文の主語」を特に意識したチェックが必要です。
ー係り受けを把握する
<主語と述語>、<修飾語と被修飾語>のように、かかる言葉と受ける言葉のつながりがおかしくないかチェック。係り受けを把握しやすくするために文章の3つの分類を理解しておきます。
ー【!】構造や係り受けに問題があった場合
解決策として2つの方法があります。
推敲で悩まないよう、文章を書く時点で構造を意識しながら進めることが大切です。
3.事実確認
チェックするのは優先度順で次の3点です。
①固有名詞・・・「人名」「作品名」「場所名」など
誤りがあると大問題に。回避するための2つのチェック方法はこちら。
②最上表現・・・「唯一の~」「◯◯初」「◯◯トップ」など
最高、最大、唯一性など強いアピール力があるからこそ誤ると問題に。
③数字・・・「年月日」「金額」「個数」「データ」など
具体性、客観性がありキャッチーにしてくれる要素だけに注意が必要。
文章上達の近道は「Check⇔Action」の繰り返し
ここまでで、「文章を書き上げた後にすべきこと」は把握できたのではないでしょうか。
前回の第1章から今回までに学んだ「完読される文章」を書くためのプロセスを振り返っておくと、
書く準備 → 書く → 読み返す → 直す
前回は書く準備~書くまでを、今回は書いた後の「読み返す~直す」について、その具体的な方法をみてきました。
この4つのプロセスは、ビジネスシーンの業務改善サイクル「PDCAサイクル」と同じですね。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価・分析)→Action(改善)
「推敲」は、「Check(評価・分析)」と「Action(改善)」にあたります。
ただ読み返すのではなく、客観的に自分の文章を評価・分析します。
その後、明らかになった問題の対策として再発防止のための「改善案」を考える。
「Check⇔Action」の繰り返しで文章を少しずつ磨いていきたいですね。