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まとめ〔鶴田教授のご講演から⑧〕(2018年3月11日)

 都留文科大学・鶴田清司教授「自分の既有知識・生活経験から類推するアクティブな学び」まとめ〔講演資料より引用〕

①「根拠・理由・主張の3点セット」を論理的思考・表現のツールとして活用することによって、主張が具体的で分かりやすくなり、説得力が高まる。

②特に、理由づけにおいて、自分の既有知識や生活経験をもとに類推することによって、テキスト(学習内容)が〈わがこと〉として実感的に理解できる。
 →どの子にも学びがひらかれている

③自分の意見を発表し、それぞれの根拠や理由を検討しあうことによって、授業が対話的かつ協同的になる。自分と異なる意見に出会うことで、「自分の考えの狭さや誤りに気づく」「他者の考え方のおもしろさやすばらしさに気づく」といったメタ認知が引き起こされる。
         ↓
・真のアクティブな学び、言語活動の充実
・「主体的・対話的で深い学び」

 鶴田先生のご講演のすぐあとに扱う予定となっていた教材が「少年の日の思い出」(中1)でした。その年の夏の日本国語教育学会の全国大会では、若くて意欲的な授業者の方による公開授業を参観して、どのようにすすめようかずっと頭を悩ませていました(過去に二回扱ったものの、十分な授業ができたとは言えずもやもやとしたものがずっと残ってもいました)。考え抜いた挙句に私がとった方法は、段落(各場面)ごとに問いを出して、主人公や登場人物の気持ちと行動を整理するというごくごくシンプルなものでした。「僕」が最初からややまゆがを盗む気でなくて過ちを犯してしまった過程を丁寧に見ていくことにしたのです。その最後に、作品の中で共感できた・印象に残った登場人物の気持ちや行動を、自分の体験やたとえ話で説明してみるという課題を出しました。
 誰もがかつてちょうの収集に熱中し、友人のやままゆがを盗み、それを隠そうとして潰してしまい、果てには自分のコレクションのちょうを粉々にしたという、主人公と経験を持っているわけではありません。しかしながら、作品とは異なるシチュエーションで、作品の主人公(登場人物)と同じような気持ちになり、同じような行動をとったことはないかという投げかけをしました。
 勘違いや不十分な取り組みの生徒もあったのは確かですが、作品を自分の中で〝アクティブ〟に深められた生徒も少なくなかったのは自信になりました。残念ながら上記③の「対話的かつ協同的」なところまでは時間的な限界もあって発展させられなかったのですが、来年度の自分への課題として取り組んでいきたいと思いました(次回は「参考文献」をすべてまとめて紹介します。)


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