『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(堀内都喜子)を読んで。
2018年度幸福度ランキング世界1位。自分らしく生きていける国、と言われるフィンランド。日本同等の面積で人口は550万人。本書を読んだ感想を以下に書きます。
毎年3月20日に『世界幸福度ランキング』は更新されていて、実は2020年版はもう出ています。そして2018~2020年の3年間、フィンランドは連続1位です。(※日本は54位、58位、64位)。幸福度の内訳は以下の6つ。
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1 人口あたりのGDP(生産性)
2 社会的支援(不安なく、困ったときに頼れる人がいるか)
3 健康寿命(健康であること)
4 人生の選択の自由度(人生で何をするかの自由)
5 寛容さ・気前の良さ(チャリティなどに寄付をしたことがあるか)
6 腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会が公平であるか)
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まとめると、「自由に生きることができ、困ったときには助けてもらえ、社会を公正と感じる」というのが幸福度の高い国ですね。
あえて意地悪く日本について書くと、「不自由・不寛容で、寄付などする気持ち・余裕もなく、社会に対して不満ばかりが募る」国だと思いました。
ただこれは、事実というより感じ方の問題でもあります。不満体質に犯されていると、良い面も見えなくなる弊害があります。
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本書では、著者のフィンランド在住経験を踏まえて、勤務、余暇、考え方など詳細に述べられてます。その中で興味深いものをピックアップすると、
① 冬は日照時間が短く(3時間)、当然早く帰りたい
② 8時には働き、ランチも短く(30分ほど)、16時には帰り支度
③ インフラ(IT)や教育に力を入れている
上記3点が面白いと思いました。まず職場というのは仕事をしにいく場所なので、当然やるべきことを早く終わらせます。日本のように時間拘束では生産性など上がるはずもなく、「早く行って、飯も手短で、とっとと帰る」のが理想的です。(日本では時間潰しに職場に行ってるようなもの。)
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国として効率的に働く、という国是があるので、当然、ITインフラや教育にも力を入れています。「効率化すると、誰かの職を奪う~」なんて忖度もなく、既得権益をぶっこわして効率化するのが当たり前です。
教育というのは将来を見据えた投資です。変化に対応する力を育てます。北欧というのは、自然も多く、のんびりしているという事実もありながら、きちんと将来を見据えた設計をやっています。だから生産性がいいのです。
本書を読んで思ったのは、「公正であれば不満は減る」ということと、「国は変えれなくても、自分の発想は変えたい」という二点です。不満があれば、自分の周りだけでもフィンランドをお手本にしていきたいですね。
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