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シングルマザー、反抗期の息子を、なんとか大人男性達に会わせた。

彼が中学三年生の時に、父親が出奔し、女性ばかりの家族には、何も話さない息子。超進学校に進むも、遅刻や未提出課題の累積で、高1留年中、進級は土俵際。。

私は長い間、悩んでいた。恐らく父親がずっと不在かつ、キレて断絶したことが、暗に高1クライシスに繋がったのではないかと、不憫な気持ちも感じていた。どうにかして、彼の心に寄り添える大人の男性がいたらなぁと思っていた。

同時に自分のケアもしたかった。週末もウツを引きずることをやめて、リフレッシュできる行動をしたかった。そこで数十年ぶりに再会した大学研究室のおじさん達の一人の山奥の住まいに押しかけ、バーベキューをすることを企画した。

息子はテスト最終日を翌日に控え、NETFLIXに加入したいと要求してきた。もちろんだめだといったが、もうどうせ進級は無理だろうと思ったので、その山荘に来るならいいよと賭けてみた。嫌々だろうがイベント好きの勉強逃避の息子から行くという返事の奇跡がおきた。

かくして、反抗期息子を沢山のおじさんとそのKIDS、彼より随分年下、に引き合わせることができた。子供たちで固まっていたし、各々携帯やゲームをしていたので、特に主だった交流をしたわけでもない。感想を聞いても知らんしか言わない。でも、どこかで何かしらの記憶には残るだろう。私も、神経は使ったけど、単純に話を聞いていて楽しかったし、山の空気や火を見ることができて新鮮だった。

女ばかりの家になった時の気難しい男の子の扱いは、難問だ。祖父も他界しているし。学校では先生や顧問と交流はしているだろうが、私には全く話してこないので何が起きているのか知らない。知ろうとすると尚引かれるので、もうそこは手放した(ようにしている)。根本、生きているだけで良しとした(ようにしている)。

同じような難問を抱えている、シングルマザーさんは沢山いるだろう。もちろん、それとは無縁な、お話優等生の息子さんをもつ、シングルマザーさんもいるだろうが、私の場合は、何でも泣き言を言ってくる娘と反比例して、一切心境を語らず頑なに心を閉ざす息子の組み合わせ、思春期の異性の取扱い方が分からない。学歴社会に生きてきたので、留年回避の手段を考え着く限り試したつもりだが、その執着を手放すくらいしか、もうできることは残っていない。そもそも進路を決めるのは彼で、別の人生なんだ。

昨日の行為が執着だった何だったか、分からないが、思い出のどこかに残る方には転んだろう?。息子よ、いつか私がいなくなったり、困ったことがあったら、くさらずに何か食べたり、移動したり、縦に身を起こしていれば、どこかで何かが生まれたり、人とくすっと笑えることもあるんだな、って思い出してちょうだい。

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