satoshi Feic

プログラマ。 組込みシステム~エンタープライズ系システムまで多数経験。 【保有資格】…

satoshi Feic

プログラマ。 組込みシステム~エンタープライズ系システムまで多数経験。 【保有資格】 プロジェクトマネージャ テクニカルエンジニア(エンベデッド) などなど

最近の記事

【仕事の記憶】(8)アナログからデジタルへ

の続き。 デジタル端末開発を引き継ぐ首都圏事業所の開発部門で新デジタル方式(CDMA)端末の開発を始めるため、現行デジタル方式端末の開発を自部門で引き継ぐことになった。 従い、アナログ方式端末の新機種開発は打ち止めとなるとのこと。 (結局、自分はアナログ端末のコードはほとんど弄らずじまい。) ベースとなるコードがあるとはいえ、いきなり「ハイ新機種開発よろしく」とはいかないので、首都圏事業所の開発部門に半年ほど長期出張して、修行・引き継ぎすることになる。 それ以前にも、ちょ

    • 【仕事の記憶】(7)4ビットCPUでよろしく

      の続き。 これを書くと自分が誰だか分かってしまうのだけれど、知っている人はごく少数だろうし、そもそも別に隠す必要もないし。 ということで、アナログ携帯開発時のエピソードを。 当時すでに振動で着信を伝える端末は存在していた。(たしか米国企業の特許だったような?)しかし、小さくなったとはいえ、まだ、いつもポケットに入れておけるサイズではない。 端末を鞄などに入れた状態で音を鳴らさずに着信を知りたいという要望もあるらしい。 着信があると光ったり・振動したりするアクセサリが売ら

      • 【仕事の記憶】(6)携帯電話開発ことはじめ

        の続き。 携帯電話の基礎知識田舎町のなんとなく古くさい工場の一角に携帯電話の開発部(設計部?だったかも)の居室がある。 出社すると、いきなり学生時代のあだ名で声をかけられる。なんと高校・大学(学科は違う)の同窓生ではないか。彼もソフトウェア設計チームに所属しているとのこと。なるほど… あの怪しい学歴・キャリアで書類審査が通ったのは彼の存在も一役買っていたようだ... 開発部には、高周波回路・論理回路・機構・ソフトウェアの4つの設計チームが同居し、各チームは3~6名程、総員

        • 【仕事の記憶】(5)初めての転職

          の続き。 郷里の求人年末年始に帰省していた時、各戸に無料投函される地元情報誌の広告が目に留まる。 「この名刺にあなたの名前をいれませんか?」 なるほど、大都市圏で働く地元出身技術者のUターン転職を促しているらしい。 広告に大きく拡大された名刺の会社名は、郷里に唯一存在する東証一部上場企業の工場・事業所のものだった。 この企業の本業は電子部品だが、創業者が経営トップになっている通信事業者向けの携帯電話を納入していた。 全く知らなかったが、超がつくほどのこの田舎町で開発・

        【仕事の記憶】(8)アナログからデジタルへ

          【仕事の記憶】(4)バブル崩壊でも仕事は楽し

          の続き。 バブルの崩壊直後時はパブル景気の崩壊直後で、自社にはプロジェクト参画できない経験の浅いエンジニアが溢れていた。何もすることがないので情報処理技術者試験の勉強をしたり、完了したプロジェクト成果物を見たり。 仕事でプレッシャーがあるのも辛いけれど、会社に出てきて仕事が無いのはもっと辛いものだと。と同期が嘆き苦しんでいる。 社員旅行も無くなり、ボーナスが通常の半分以下になる。残業時間を減らすため週2回フレックスのコア時間分しか業務が出来なかったり。 社長・専務、役員が

          【仕事の記憶】(4)バブル崩壊でも仕事は楽し

          一番欲しいもの

          (これは自分の考え方で極めて主観的なものです。 万が一心配される方がいたらごめんなさい。 今がしんどくてどうしようもなくて生きるのが辛いとか、そういうことではありませのでご安心ください。 また、違った生き方・考え方を否定するものでもありません。) 一番欲しいものは何だろう。自分は、 「飲めば、次の日、目を覚まさない薬」 が欲しい。 随分衰えてしまったが、まだ働ける。 新しいものを生み出すことは難しいけれど、積み上げてきたものを使って何とかなっている。 しかし、経験も

          一番欲しいもの

          【仕事の記憶】(3)組込みシステムエンジニアへ

          の続き。 初めての組込みシステム開発プロジェクトと無茶無謀な担当割り新しい課に異動後、新規プロジェクトの立ち上げメンバにクレジットされる。前回は途中参加だったので少し気持ちがいい。 ただし、UNIXワークステーションやPCで動作するアプリケーションではない、教育では習っていない用語「ファームウェア」の開発である。 「ファームウェア」は、(大抵は)半導体不揮発メモリ上に格納されるソフトウェアを示し、小規模な組込みシステムはこの形態で実装されるものも多い。 電子交換機システム

          【仕事の記憶】(3)組込みシステムエンジニアへ

          【仕事の記憶】(2)炎上プロジェクトと所属異動

          の続き。 かくしてプロジェクトは炎上した真夏の暑い日、夕刻~翌朝までテスト作業するため客先のマシン室に向かう。理由を説明するまでもなく新人は一人で作業することはできない。この日はプロジェクトリーダーと一緒に作業する予定だった。 作業の開始予定時間を過ぎてもプロジェクトリーダーが現れない。 時間を間違ったのかもしれない、自社に電話をかけてマシン時間を問い合わせると間違いないとのこと。 「Kさんが来ていないのですが。体調不良など連絡が入っていませんか?」と確認する。 そのよう

          【仕事の記憶】(2)炎上プロジェクトと所属異動

          【仕事の記憶】(1)業界に入ったばかりの頃

          業界に入るキッカケ自宅から徒歩圏、かつ、貧乏人でも大丈夫(授業料が年間たったの三十万円)という理由だけで選び・受験した大学・学部である。 何のために勉学するのか目的を持たない自分は、まったく学業に身が入らずアルバイトにのめりこんだ。 (化学系学科だったので長時間の実験とアルバイト時間の両立ができなくなった。という言い訳もしておきたい。) 3年目の後期、単位数が大幅ショートしている、留年確定である。 心を入れ替えて頑張って卒業しようという気持ちもなく、スパッと中退して就職しよ

          【仕事の記憶】(1)業界に入ったばかりの頃

          好きではないプログラミング言語の話

          OSやドライバ、組込み領域など、半世紀以上C言語に代わる高級言語が出てきていない。 近年Rustの話題が急増している。すでに一部置き換わっているものもあるらしい、Linuxも6.xからのRustへの対応をリーナスさんも言及していた。 近いうちに言語焼き直し需要は爆発するかもしれないかもと考えていたが、 まだ、カーネルや最下層のドライバたちを書き換えに至るほど熟成されていないようにも感じる。 オブジェクト思考云々が流行り始めたころにC言語のスーパーセットとして登場したC++

          好きではないプログラミング言語の話

          エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)ってどんな職業?

          エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)はIPAが実施している「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験の1つである。 なお、エンベデッドシステムという言葉は世間一般にまったく浸透していない。そもそもエンベデッドシステムって何ですか?という話である。 ”コンピュータ”と言われてどんなものを想像するだろうか。 パーソナルコンピュータ(デスクトップやノートとか) なんちゃらサーバー(タワーやラックマウントとか) スーパーコンピュータ(研究機関や大学と

          エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)ってどんな職業?

          Excel大好き?

          IT強者ひしめくソフトウェア開発現場ですら、かなり前から使い古されたExcelワークシートやPowerPointで作られたドキュメントばかり。 不思議と、Word文書は少なめである。 Wordは、ExcelやPowerPointとは違って、サクッと文書を書き始めたい・ちょっとだけ使いたい、そんな時には事前設定が少々面倒かもしれない。 自動でスタイルを合わせてくれる、見出しをつけてくれるかわりに、使いこなせていないと意図しない動きばかりされてイライラすることになる。 (テンプ

          Excel大好き?

          システムエンジニア(SE)ってどんな職業?

          「システムエンジニア:SE」という職業は日本固有種らしい。 「SEとは」で調べてみると「要求仕様や基本設計などの上流工程を行う」のような定義が散見される。そして、詳細設計・コーディングなど開発プロセスの下流工程はプログラマのお仕事なのだそうだ。 「未経験者がプログラマからスキルアップしてSEを目指す」なんて言葉もみられる。 コンピューターと言えば汎用機やミニコンだったころ、疑似言語風の文章やなんちゃらチャートで表現された設計書の内容(というより関数そのものだが)を、人海戦術

          システムエンジニア(SE)ってどんな職業?

          派遣・SES契約者を受け入れる部門・プロジェクト責任者に特に意識してほしいこと

          システム・ソフトウェア開発や保守プロジェクトで派遣やSES契約のエンジニアを受け入れるにあたり、現場管理者・リーダーが請負・委任・派遣の関連法規について十分に理解していないことは少なからずあるように思う。 法令順守が盛んにニュースで取り上げられ、社内法務・購買部門からうるさく言われているにも関わらずである。 法令順守以前に連綿と続くやり方・慣例があり、その内容に違反があったとしても気が付かない、受注側は余計な指摘をして関係が壊れることを恐れる、忖度して多少の無理を飲み込んで

          派遣・SES契約者を受け入れる部門・プロジェクト責任者に特に意識してほしいこと

          IT技術者派遣や準委任・作業請負(SES)業態のこれまでとこれから

          自分がシステム・ソフトウェア受託開発の業界(以下、「業界」と略します)に入ったのは90年代前半である。 当時、一括請負という形が一般的で、下請けであっても自社内でプロジェクトチームを構成することができた。 職制やメンバ同士のスキルも把握・理解できた。業務の中で自分たちで若手を育てることができたのである。 成功・失敗の経験や、ノウハウ・技術は社内に蓄積され、次のプロジェクトに活用される。会社の資産になる。 業界は、バブル崩壊、リーマンショックを経験した。 業界ピラミッド上部の

          IT技術者派遣や準委任・作業請負(SES)業態のこれまでとこれから