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#122 読書録 目的への抵抗を読んで沢山の学びと読み手側のスキルについて気づいた話

こんにちは!今日は目的への抵抗についての読書録をメモとして残していきたいと思います。

今回タイトルを【目的への抵抗を読んで沢山の学びと読み手側のスキルについて気づいた話】としました。

読み手側のスキルについてを太字にしているのは、この本と結果的に平行して読んでいるのが國分功一朗さんの中動態の世界を読んでいて、同じ作者の本にも関わらず、中動態の世界については、一文一文を理解するにも四苦八苦し、前後のつながりを何度も何度も読み返し、自分なりに構造化していかないと全く理解できない。

それって、読み手側のスキルに依存している面が大きい。つまり自分の理解力によってアクセスできるモノが変わると改めて気づかされました。

今は気軽にアクセスできなくとも、新しいものに挑戦し深めていけばもっともっと楽しい世界が広がっているんだとワクワクしてきました。

何となく、年齢を重ねると身体的なピークを過ぎ、新しいモノへの吸収力が落ちているという現実と折り合いをつけていかなければならないという面があり、悲しい反面、読み手側の自分のスキルを高めていく事で新しい世界が今よりも広がるってのはポジティブでしかないと嬉しくなりました!!

何を今さらと思われるかもですが、中動態の世界の壁の高さに打ちひしがれ、同じ作者の書いた目的への抵抗を読み本の内容以前にこんな嬉しい気づきがあったので、ダラダラと書いてしまいました。

という事でここからが読書録です。
今日取り上げている目的への抵抗はこちら

めちゃくちゃ一歩ずつ進んでは戻りの読書体験をしている中動態の世界のnoteはこちら


全体的な読後感とどんな人におススメか?

とにかく、学びが多い。そしてコロナ禍における政府の対応などに対して様々な考察、論が展開されるので、自分にとって引き寄せやすく(哲学って例のわかりやすさが本当に理解の助けになると思っています!)理解がしやすかったです。

また、途中で聴講者との質疑応答が挟まっており、そこは文章ではあるものの対話的なやり取りがされていて、さらにわかりやすいなと。

どんな人におススメか?と聞かれたら、与えられたことに対してついつい自分なりの問いを立ててしまう人(きっとそんな人はこの本にすでに出合っている気がしますが、、、)

自分の様に、問いを立てて考える事が好きになりだした人におススメかなと思いました。または、論理的に組み立てられた文章をいろいろ自分の型として取り込みたい人かなと(自分で書いていて、そんなニッチな人に向けていないかなと思いましたが)

哲学書は重い、でも入り口を覗いてみたいって方にはおススメです。結構さらりと読めました。

気になったフレーズたち

哲学者というのは社会にとってチクリと刺してくる虻のような存在

この表現が哲学者の存在意義を本当に短い表現で適切に表しているなと思いました。少なくとも虻(あぶ)を知っている自分にとっては。娘にはちょっと虻以外のモノを用いた方が良さそうだとくだらない心配をしてしまいました。

この本でずーっと背景にながれる主張として、コロナといったこれまでに人類が経験したことのない事態に対して、社会的なコンセンサス的に空気を読んでいる流れに対して、耳が痛くなること、空気を読まない事をしっかり問う事ができるか?と問う事の重要性と抵抗の力を改めて学びました。

本当に虻の存在がない世界は危険だなと感じました。自分が虻になる覚悟はあるのか?という問いにYesと答えられない自分がどうしていくのかも考えさせられました。

信念がないから騙されても平気

これって、自分の事だなと思いました。しっかりとした信念を持っていないから例えプロパガンダで思考をゆがめられ騙されたとしても、ケロッとそうだと思っていたといいそうだなと。

ある意味信念を強く持たない事により責任を回避しているポジションを取っているという弱さが浮き彫りになりました。

本当に気づきが沢山あります。イコール反省って事ではなく、そんな自分を認知できたという気づきも一歩だとポジティブ思考を発揮しておきます。

消費社会は僕らに何の価値も贅沢も提供していない

そもそも、この本で扱われている贅沢と消費の概念を持ち合わせていなかったなと。立ち止まって言葉の定義を自分に問いてみる大切さにも気づかされました。

消費は何の贅沢も提供していない。贅沢とは何らかの限界を超えた支出。服装や食事は考えやすい。最低限の機能を超えたモノに対して支払う部分を贅沢とする。実にシンプル!

そのベースを踏まえて、消費とは観念や記号を対象とし、浪費はモノを対象としていると書かれていて、モノを対象としているから物理的限界がきて満足をもたらすと。食事について考えるとこの浪費と消費の差はわかる気がします。

ただ、人間浪費も消費も衣服の購入やそれ以外のモノにもあるわけで、、、この線の引き方には違和感がありました。きっと理解に対する思考の投入が足りないのかな?面白い言葉なのでこの二つの差ってのは何か?という面白い問いをいただいたという事にしました。

目的という概念は手段を正当化する

目的はしばしば、手段を正当化してしまうことがあるというのではない。目的という概念の本質は手段を正当化する事にある。しばしばではないよ!とハンナアーレントの著書を引用し、述べられている。

そもそも、自分にとって目的という言葉に対して、概念化して考えた事なかったなと(イメージとして含まれる意味などを考えてみること)

目的の為に効果的であればあらゆる手段が許されるとなると、最後には恐ろしい結果がまっているという流れはすごくしっくりきました。これは、冒頭にもあった暴力にも当然当てはまるなと。

言葉の表層的な意味と含まれている概念って考えてみることが楽しくなりました。言葉の使い方の意味があっているか微妙ですが笑

まとめ

気になったフレーズたちでは書ききれない程の気づきがたくさんありました。ただし、大変わかりやすく安く書かれていはいるものの、自分としては?理解できないなとい所も多くあったという所に魅力を感じました。

特に、一日の後半にこの本を手に取り、一気に読み進めたから頭のキャパシティーが残っていなかったからかはわかりませんが、P179以降に書かれている遊びの概念については、正直理解できなかったので、読書メンターに読書会というなの感想戦を行いましょーと声をかけたので、さらに理解を深めていきたいと思います。

誰かの読書生活の参考になれば幸いです。

ではでは


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