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議論する筋肉

みなさんは筋肉について「伸び縮みするゴム」のようなイメージをもっていませんか?

「腕の曲げ伸ばし」という言葉から、曲げるは「縮む」で、戻すは「伸びる」と思いがちです。しかし、実際のところ筋肉は縮むことしかできません。

筋肉の動き
正確には縮むだけでははく、少しずつ緩む(ゆるむ)こともできます。それでも動きとしては、縮むと緩むしかできないということです。では、どうやって関節を屈伸させているのでしょうか。

腕の力こぶ
上腕二頭筋というのが、いわゆる「腕の力こぶ」の名前です。腕を曲げると筋肉が縮んでもりあがります。「曲げる=筋肉が縮む」というイメージは簡単にできます。しかし、筋肉が縮むことしかできないなら、腕を伸ばすときはどうやっているのでしょう。

拮抗筋と主働筋
腕を伸ばすときは、上腕三頭筋という腕の下側の筋肉が縮みます。なんのことはありません。力こぶは緩んで、反対側の筋肉が縮んでいるというわけです。力こぶの部分を「主働筋(しゅどうきん)」、伸ばすときに使う筋肉を「拮抗筋(きっこうきん)」といいます。それぞれが縮む・緩む動きを交互におこないうことで、曲げ伸ばしができるというわけです。
うまいことできてますよね。

議論する筋肉
主導権を交代させるようにすることで、反対の動きが生まれます。こうして縮むことしかできない筋肉で、関節を曲げ伸ばしすることができます。全体で見ると、体を動かすためのこの仕組はとても重要です。

これは人間同士の話し合いにもいえることのように思います。一方的な意見だけでは柔軟な決定は難しいもの。たとえ意見を言うことしかできなくても、何人かで意見を出し合えばタイミング次第で案外いい方向に進むかもしれません。
主働筋と拮抗筋は今日も、議論を繰り返しています。

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