突き詰めたらキリがない、「両立する」ということ
あなたを一言で表してください
就活の面接では「あなたを一言で表してください」とか言われる。一言なんかで表せるわけないだろ、と思う。大学のとある先生は「人間には多面性があるから、“〇〇的”な人なんて存在しない」と言い、就活でよくある性格検査のことを一蹴していた。確かにそうだと思う。そもそも、20年近く生きてきた人間が、紙切れ1枚や数回の面接で評価されてたまるものか。
こうやって斜に構えてしまう自分は、就活に向いてないのかもしれない。かといって起業とかもしたくないので、やり方やシステム自体に文句を言ってもしょうがない。「そういうものだ」と受け入れるしかないんだと思う。だからとりあえず「あなたを一言で表してください」という問いを、割と真剣に考えてみた。
〈100%〉を目指してしまう
自分は「〈100%〉を目指してしまう人」だと思う。それが分かりやすく表れているのが、大学の学習管理システム・moodleのトップ画面だ。タスクの進捗状況が、科目ごとにパーセンテージで表示されるようになっていて、自分はそれを〈100%〉にしないと気が済まない。だから、課題は期限内にちゃんと出すし、アップされた資料も1つ残らずダウンロードする。
漫画が苦手なのも「〈100%〉を目指してしまう」ことに関係していると思う。まず、本や漫画は手元に置いておきたいというのが前提。立ち読みや電子版には抵抗がある。そして自分のこだわりゆえ、シリーズものは〈全巻〉揃えたくなるのだが、何十巻、何百巻と続いていく漫画で、それをできる自信がない。お金もかかるし。最近やっと、数巻で完結するものには手を出せるようになったけど。
こういう自分のこだわりは、必ずしも良い方向に転ぶとは限らない。例えば大学の授業の出席。もちろん〈全回〉出席したいと思っているけれど、1回でも休んでしまうと、2回、3回とずるずる欠席してしまう。〈100%〉を意識しすぎているからこそ、それが実現できないと分かった瞬間、やる気を失ってしまうことも多いのだ。
勉強と部活は両立できたか
中学や高校の頃に「勉強と部活の両立ができていてすごい」と言われることがあった。もちろんありがたかったけれど、そう言われることがちょっと嫌でもあった。勉強も〈100%〉、サッカーも〈100%〉頑張れていなければ、「両立」とは言えないと思っていたからだ。
でも実際、そんなことができるはずもなく、勉強で〈100%〉を目指すのに精一杯で、サッカーのことがなおざりになってしまった。「勉強の方を頑張っていれば、部活でちょっとくらい手を抜いてもいい」みたいな甘えもたぶんあって、チームメイトには申し訳ないことをしたと思う。
そして最終的にはどちらも、中途半端に終わってしまう。浪人することが決まった時、担任に「結局あなたは何も成し遂げていない」的な厳しい言葉をかけられた。めちゃくちゃ悔しかったけれど、まさにその通りだった。
いい具合に勉強の手を抜いて、勉強もサッカーも〈80%〉くらいの力で頑張っていれば、もっとうまくいったのかもしれない、と今では思ったりする。逆に浪人していた頃は、勉強だけを〈100%〉の力で頑張れたからこそ、なんとか成果が出たのかもしれない。
両立だらけの大学生活で
大学生活は、入学前に思い浮かべていたよりも忙しい。勉強、サークル、アルバイト、趣味、人付き合い、一人暮らし。やることがたくさんあるし、自由に使える時間が多いからこそ、何でもやりたくなる。中学・高校時代よりも、さらに多くのことを両立しなければならないのが、大学生活だ。
大学3年の夏を迎えた今、両立のレパートリーの中に「就活」というものが入るようになった。しかも自分は、教員採用試験と民間就職の両立を考えないといけない立場でもある。やるべきことは山積みだ。
「〈100%〉を目指してしまう」がゆえに、全部を頑張ろうとして、キャパオーバーになってしまうことは、未だにある。でも同時に、ほどよく手を抜くことも、少しずつできるようになってきていると思う。「両立する」ということを突き詰めれば、キリがない。〈完璧〉を目指し過ぎないで。でも、こだわるところはこだわって。時には、何か1つに全振りして。不器用なりに、うまくやっていきたい。
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