Day276:「超習慣力」悪習を断ち切り、良い習慣を身につける科学的メソッド
超習慣力
ウェンディ・ウッド著/ダイヤモンド社
不安や責任感が芽生えても、
習慣に支配された43%の自己は、習慣に従って行動し続ける。
《なぜ、習慣が続かないのか?》
意識的な自己は行動に対する自らの影響を過信し、無意識の影響を軽んじるから。
習慣化のためには、意志力や自制心が必要だと信じているから。
《習慣の特徴》
習慣は顕在意識の外側で機能する。
習慣は、報酬に比較的左右されない。
意図や思考を必要としない。
努力が不要。
習慣の機会費用は比較的安い。
思い立った時だけ同じ行動を繰り返したところで、習慣の形成は促されない。
習慣は粘り強さではない。
魔法(習慣)は音もなく始まる。 始まったと気づくことはできない。
習慣は、計画や思考をせずに繰り返し行動するときに形成されやすい。
思考に遮れてたら習慣は形成されない 。
習慣は何かを成し遂げるための行動なので、成し遂げることがなければ発動しない。
《なぜ習慣化が必要か?》
人は必ずしもきちんと自分の行動を理解していない。
わたしたちは、自分を取り巻く状況が行動にもたらす影響を軽視し、自分の内側で行われる意思決定を重視する傾向にある。
意図を持つ自己が主体であると信じていると、自己妄想に陥りかねない。そして、意識的にとる行動は人を消耗させる(疲労、ストレス、敗北感)
習慣はうまく稼働できる。(意識にほとんど余裕がなくても)
習慣化すると、本来の仕事に専念できるようになる。(意識的に行う問題解決)
習慣で行動すれば、日常生活のルーティンを管理する必要がなくなる。
効率の良いルーティンワークが習慣として確立すれば、さまざまなチャンスや問題について自由に考え、決断を下せるようになる。
《習慣化の脳》
最初の決断を繰り返す時と、決めたことを繰り返す時とでは、利用される神経系が異なる。
最初にタスクを学習する時には、意思決定や実行制御が関係する領域(海馬と前頭葉)が活動する。
繰り返す時には、他の神経系の領域(被殻と基底核)での活動が増える。
《習慣化のコツ》
習慣に欠かせない3つの要素
「状況」 「繰り返し」 「報酬」
■状況
●「状況は行動を左右する」 行動=人と状況
人を取り巻く環境は、行動を促す力を生み出す。
状況が一定であることは習慣の必須条件 習慣を育むには、できるだけ一貫した生活を送り続ける必要がある。
状況的な合図が変わると、人は考えざるを得なくなり、習慣に従って行動できない。
習慣の形成には、時間という合図が大きな力となる。(タイミング効果)
例)毎日薬を飲む人の90%が時間を合図にしている
●「摩擦を減らす」
例)手の届く距離におく。
最低限の手順と労力で素早く快適に作業を行えるようにする。
摩擦が生まれる状況を変えれば、講習を得られる行動を自動的に繰り返せるようになる。まず、摩擦が生まれる状況を探して減らす。
■繰り返し
脳に浮かぶスピードが速いと行動も早くなる。
繰り返しは、習慣の形成を促す刺激の一種ではなく、脳内処理のスピードアップを誘発する手段 になる。
■報酬
思いがけない報酬が脳の刺激となり、脳内ドーパミンが放出される。
(報酬予測誤差)
習慣の形成には、ドーパミンが通るいくつかの経路が関係する。その一つが感覚運動の経路で、中脳のニューロンから放出されたドーパミンが運動と感覚を司どる領域と繋がっている被殻のレセプターに受容される。
思いがけない報酬が大きいほど、ドーパミンが放出される量が増え、その経路に位置するシナプスの信号の送受信が活発になる。
思いがけない報酬が大きいほど、ドーパミンが放出される量が増え、その経路に位置するシナプスの信号の送受信が活発になる。
報酬を手にした脳は、それをドーパミンが放出される報酬として登録する。そして、習慣を形成するための神経基盤を構築する。
※注意点
報酬はタイミングが重要(直後)
報酬は、習慣化のきっかけには必要だけれど、長期的には効果なし。
■自動的になるまでに必要な日数
平均66日(2ヶ月1週間)自動的に行う感覚は大幅に高まる
《習慣メッセージ》
人は、意識して目的を形成することも結果を期待することもなく習慣に従って行動する。(ウィリアム・ジェームズ)
習慣とは、個と個を取り巻く環境のあいだに生まれた妥協である。
ダイエットに失敗したなら、取り組むべきはキッチンの模様替え。
どんな1日になるかは、どんな習慣で自分を満たすかで決まる。
《響いたメッセージ》
”習慣を形成せずに場当たり的に行動し続けたいときには、考えすぎる方がいい”
”注意の散漫は、耐性のある習慣が表に出てくる機会にすぎない。”