千葉雅也『センスの哲学』を要約する
1. 要約本書はドゥルーズの哲学をベースに意味や主体性からの解放を軸にしているが、従来通りのただ無秩序な自由な逃走線を志向するのではなく、現実に即した形でドゥルーズ哲学を実践しようとしている。それは意味に執着するパラノと自由に発散するスキゾの間に位置するものと思う。千葉雅也氏の代表作である「動きすぎてはいけない」からその主張は一貫しており、年を重ねるごとにより平易な言葉で説明されるようになってきている。
本書の主張は前半/後半で毛色が異なる。前半パートはドゥルーズ哲学の簡易