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お腹の贅肉を揉んで摘んでウェストすっきり!を検証する。

筋トレをしている特に男性陣にはあまり縁が無いと思いますが、よく美容痩身エステで、お腹の脂肪を揉んだりとか、超音波を照射したりと、脂肪を冷却したりとか、さまざまな物理的な刺激を皮下脂肪与えてを痩せさせるという話を聞きます。

筋トレをしている男性陣でも「どうしてもウェスト周りの贅肉が取れないんだよね!」みたいな会話はよくあるのですが、「ウェスト周りの贅肉を揉んだり摘んだりすと贅肉が取れやすい」というのはそれなりには経験則として浸透しているように思いますが、いかがでしょうか?

人によっては「脂肪を揉んだりしたって脂肪は減らないよ。むくみが取れてるだけだよ」という意見もあります。
私はウェスト周りの贅肉が気になる時は、よく揉んだりしているのですが、個人的にはしっかり揉むとウェストの贅肉が減っている気がするのです。

今回は、この件に関して、ちょっと真面目に検証してみたいと思います。

まず前提としてはっきりしておきたいのは「脂肪の分解」と「脂肪の燃焼」をはっきり区別する事です。
お腹の贅肉を揉んで摘んむ事で「脂肪の分解」を手助けしているのだろう?とは想像できます。が、揉んで摘むだけでは「脂肪の燃焼」は起らないだろう? というのも想像できます。なので、「脂肪の分解」と「脂肪の燃焼」は分けて考える必要があります。

それでは「脂肪の分解=脂肪動員」についてざっとおさらいです。

脂肪の分解の引き金になるのは、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンです。これらのホルモンが脂肪分解酵素:ホルモン感受性リパーゼに働き脂肪を分解します。脂肪は脂肪組織の中に脂肪滴をいう形で存在しその表面をペリリピンがホルモン感受性リパーゼを防御するような形で結合しています。つまり、ホルモン感受性リパーゼを脂肪滴に働かせ脂肪分解するにはペリリピンを脂肪滴から遊離(リン酸化)させる必要があります。
脂肪の分解の過程では、大きな脂肪滴は消失し、無数の微小な脂肪滴が出現します。ちなみに、脂肪で太るという事は脂肪組織の中の脂肪滴が大きくなる事。大きな脂肪滴ほど分解されにくい。白色脂肪細胞には大きな脂肪滴が1つ存在し、褐色脂肪細胞には小さな脂肪滴が多数存在する。
大きな脂肪滴より小さな脂肪滴の方がホルモン感受性リパーゼがよく働き脂肪が分解する。

参考にしたエビデンスは、以下の「脂肪の代謝とその調整」です。
https://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/molbio/KOKAI.pdf

これを踏まえて、お腹の贅肉を揉んで摘む事で脂肪組織がどうなるか考えてみました。
(私の検索の仕方が悪いのか、痩身エステに関する医学的根拠を検証したエビデンスは見つかりません。)

引き金になるアドレナリンや特にノルアドレナリンは、全身のすみずみにまで張りめぐらされている交感神締の尖端から分泌される。お腹の贅肉を揉んで摘む事で交感神経が刺激されノルアドレナリンが分泌されるのではないか?という仮説はどうでしょう?
筋トレなどの運動がアドレナリンやノルアドレナリン分泌の刺激になるのですから、運動しながら脂肪を揉んで摘む事でさらに分泌が促進されると考えられるのではないでしょうか?
また、脂肪を揉んで摘む事で脂肪細胞の中の脂肪滴を物理的に潰したり、ペリリピンを脂肪滴から遊離させたりしている可能性はどうでしょう?
脂肪を揉んで摘む事で痛みを感じたり、赤く腫れたりするのは、脂肪組織が何からの炎症反応を起こしているわけですから、何からしの物理的ストレスが脂肪滴に与えられてると考えるのは普通です。

と、以上のような事がお腹の脂肪を揉んで摘むでそれなりに脂肪の分解が起こっているだろう、と私は考えています。

エビデンスが、どうこうという話よりも、お腹の脂肪を揉んで摘む事くらい自分の体で検証できるので、是非ご自身で試してみてください。

最後に忘れては行けないのは、「脂肪の分解」の次に「脂肪の燃焼」をしないと、せっかく分解した脂肪も、また元の脂肪に合成され皮下脂肪に戻ってしまいます
この「脂肪の燃焼」に有効なのが、筋トレなのです。
筋トレそのもののエネルギー源は、ご存知のように筋肉の中の筋グリコーゲンです。なので、筋トレそのものでは脂肪燃焼はあまり期待できません。


筋トレが脂肪燃焼に有効なのは、筋トレが終わった後の休んでいる時、寝てている時、何もしないで安静している時に、静かに長時間継続して脂肪が燃焼してるのです。
これを、「アフターバーン効果」とか「EPOC:Excess Post-Exercise Oxygen Consumption:運動後過剰酸素消費量」といいます。

筋トレでしっかりワークアウトすると、”筋肉がほてって体の内側から燃えている”という感覚がはっきり自覚できます。
この感覚は筋トレ後、2~3日間は継続します。運動も何もしないで安静にしている時のエネルギー源が脂肪酸なのです。もちろん、徒歩のような軽い運動でもエネルギー源は脂肪酸です。
単位時間では僅かな消費カロリーの増加かもしれませんが、24時間、毎日毎日継続する消費カロリーですから、アフターバーンで僅かに増加した消費カロリーでも月単位では脂肪数kg分にもなるのです。
筋トレにより筋肉量が増える事で基礎代謝が上がり脂肪燃焼が増えるというのも事実ですが、筋トレを初めたからといってそう簡単に筋肉量は増えません。
でも、筋肉は簡単に増えなくても、筋トレ後のアフターバーン効果は、筋トレを初めたその日から効果を発揮します。
1年、2年という長い目でみれば、基礎代謝アップ&アフターバーン効果の相乗効果で太り難い体質に変貌できるのです。

P.S. 筋肉にある「UCP」と「サルコリピン」が何もしなくても勝手に発熱してエネルギーを消費するという話を書きました。

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