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SNS時代の出版

こんにちは、さちこです。普段は、外国の方に第二言語としての日本語を教えています。どうぞよろしくお願いします。


革新的な出版社の出航

最近、今後をめちゃくちゃ楽しみにしている出版社がある。
その名を「ひろのぶと株式会社」という。

「ひろのぶと株式会社」というのは、田中泰延さんが立ち上げた出版社である。
わたしは、もともと田中泰延さんの2冊の御著書、
読みたいことを、書けばいい。』『会って、話すこと。』をはじめ
WEB上で検索すれば出てくる田中泰延さんの綺羅星のような記事が大好きで、
追っかけまくっていた。
わたしには推しなんていないとずっと思っていたが、今考えてみると、
田中泰延さんこそ、ここ数年の私の推しであった。

そんな田中泰延さんが、ある日突然出版社を立ち上げた。
しかも、前衛的?革新的?な出版社である。
何がどう前衛的?革新的?なのかは、下記をお読みいただくとよいかもしれない。

そして、つい先日(10月31日)には「ひろのぶと株式会社」の初書籍
稲田万里『全部を賭けない恋がはじまれば』が出版された。

稲田万里さんのデビュー作にして異例の発売前重版出来という
破竹の勢いの御本である。

無名の書き手を引き上げる格好良い大人達

そんな中、出版社「ひろのぶと株式会社」社長である
田中泰延さんから次のようなツイートが発せられていた。

このツイートを読んで、古賀史健さんが
誰に何も言われなくても書いている人が、書けるようになる人だ
と書いておられたのを思い出した。

思えば、今回出版された稲田万里さんも、
次に出版予定(↓)の田所敦嗣さんも、書いていた。

書くだけではなく、書いたものを発信していた。
そして、多くのファンが既に集っていた。

加えて、下記ツイートにて田中孝幸さんがおっしゃっているように、
それを引き上げる人(=田中泰延さん)が現れたのだ。

思えば、田中泰延さんもTwitterで発信していたそうだ。
(その頃はわたしはまだ田中泰延さんを存じ上げなかった)
それを引き上げたのは、あの糸井重里さんだった。
(ほぼ日刊イトイ新聞を拝読して目撃していた)

上記ツイートで田中孝幸さんがおっしゃっているように、
大人がリスクをとって無名の書き手を引き上げるのはとっても素敵なことだ
と思うのは、わたしだけだろうか。

ただ、SNSの時代、書いて発信している人は山ほどいる。
その中で、稲田さんと田所さんのお二人は
何が違うのか、違ったのだろうかと考えてみるに、
書かずにはいられない衝動の大きさと
書き上げたものの精度が違っているように見えた。

書籍は創作物か否か

そんなことを考えていたら、不意に
ワタナベアニさんという方のツイートが流れてきた。

「書籍」というのは、創作物の一つであろう。
ただ、上記のアニさんの言葉の「創作物」に「書籍」を入れても、
ピンとこなかった。
そこで、他の創作物、絵画や彫刻を入れてみたら、ピンときた、気がした。
(アニさんの仰りたかったことと違っているかもしれない)
絵画や彫刻など芸術といわれる作品を作ってきた人達は、
おそらく「誰かの満足」を考えたり、「誰かの満足」に向けて作品を作っていなかったはずだ。
(美術の知識も義務教育で学んだ程度なので間違えているかもしれない。諸々情けない。)
そんなことは考えずに、迸る程の作りたい気持ちでただただ作り上げた。
その出来上がったものを見て初めて、他の人々は「これが欲しい!!」と言い、
結果的に売れたのではないだろうか。
「誰かの満足」を考えたり、「誰かの満足」に向けて作られたものは、
おそらく芸術、創作物ではないのだ。

では、「誰かの満足」を考えたり、「誰かの満足」に向けて作られたものは何なのだろう。
それは、「商品」ではないだろうか。
「商品」というのは「誰かのために」「誰かを想い」作られるものだろう。

ここで、果たして「書籍」は「創作物」なのか「商品」なのか、
という問いが浮かぶ。

少なくとも私は書籍は商品ではなく、創作物であって欲しい。
創作物である書籍こそ買いたい気がする。知らんけど。

(お読みくださり、ありがとうございます)

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