特別な食べ物
雪の中、近所のおばあちゃんが飯寿司を持ってきてくれました。
魚と野菜、ご飯を樽で漬け込んだものです。
私のおばあちゃんも、毎年冬になると漬けていました。
寒い日に、重しを何度も取り替えて、ものすごく手間のかかる作業です。
ひとりでこんなに?ってくらい、娘や孫、ご近所さんにあげるため、ものすごい量。
子どもの頃から、お正月になると当たり前のように食べていました。
私はなぜか、手作りの飯寿司しか食べられません。
※漬物も昆布巻きも、黒豆も、市販のものが苦手。なのにじぶんで作れない私。汗
おばあちゃんがいなくなった今、もう食べることはないだろうな…と思っていました。
ジャムですら自作はアヤシイのにじぶんで生の魚を漬けるなんて、オソロシイ…
それが、この街に引越してきてから、また飯寿司を頂くようになりました。
いろんなおばあちゃんが、私に食べさせてくれます。
飯寿司作りにかけた手間、わざわざ雪の中届けてくれる優しい想い、おばあちゃんとの思い出。
ありがたさがギュッと詰まったご馳走です。
おばあちゃん、私はこうやって新しい町で、みなさんに親切にされています。
おばあちゃんと同じくらいおいしい飯寿司をごちそうになっています。
私のおばあちゃんも、そんな様子をきっと空から微笑ましく見ていることと思います。